幹細胞を活性化して「肌の若返り」を目指す!

乾燥肌対策におすすめのローヤルゼリー!最新データも

松﨑英典さん(山田養蜂場 健康科学研究所)
監修者
山田養蜂場 健康科学研究所
松﨑英典

公開日:2023.01.26

肌の乾燥が気になる冬。乾燥肌対策に役立つとして注目されているのが、幹細胞の働きで肌の若返りを目指す「必殺技」です。サプリメントやスキンケアでローヤルゼリーを取り入れることが幹細胞の活性化につながるという最新データも!専門家監修で解説します。

乾燥肌の原因は?紫外線や加齢の影響も

気温が低く、空気中の水分量が減る冬は、肌が乾燥しやすい季節。肌の乾燥はシワやたるみといった肌の老化を引き起こす原因になるため、スキンケアで早めの対策を心掛けたいものです。

肌の潤いは、紫外線ダメージや加齢によっても失われていきます。加齢により肌が乾燥しやすくなる原因は、大きく2つあります。

一つは、新陳代謝が低下することで肌のターンオーバーの周期が遅れること。ターンオーバーが乱れると皮膚のバリア機能が低下するため、乾燥をはじめとした肌トラブルが起こりやすくなります。

肌のターンオーバーの周期

もう一つが「角化細胞」が減っていくことです。角化細胞は表皮を構成する細胞で、肌の水分が過剰に蒸発するのを防ぐ働きや、肌の水分量を保つ働きがあります。

加齢によって角化細胞が減少する理由は、表皮幹細胞の機能低下によって新しい細胞を作る頻度が遅くなることです。これによってターンオーバーが遅くなり、肌やせにつながります。

肌の若返りが期待できる!幹細胞とは?

幹細胞とは、人の体にもともと備わっている細胞の一つ。ただし、その他の細胞が「筋肉の細胞」や「神経の細胞」のように必ず役割を持っているのに対し、幹細胞には決まった役目がありません。

その代わり、自分とは異なるさまざまな細胞に変化できる能力(分化能)と、自分と同じ性質の細胞を作り出すコピー能力(自己複製能)という2つの特徴的な能力を持っています。

体を構成する細胞にはそれぞれ寿命があり、私たちの体内では絶えず細胞が入れ替わり続けています。そして、幹細胞には、失われた細胞を再び生み出して補充する能力があります。

さらに、幹細胞は平常時の細胞の入れ替わり以外にも関わっており、細胞が損傷したり細胞の数が減少したりすると、傷ついた細胞や不足した細胞の代わりとなって組織を修復する働きがあります。

この「細胞を補うことで本来備わっている身体機能を正常に戻す」という、幹細胞の特長を生かした再生医療の研究が、現在さまざまな分野で進められています。

その一つが、幹細胞の働きで「肌の若返り」を目指す技術です。

肌は「表皮」と「真皮」の2層に分かれており、表皮の細胞と真皮の細胞ではそれぞれ役割が異なるため、それぞれの細胞を活性化させることが肌悩みの解決につながります。また、肌よりもさらに深い部分には脂肪を蓄える「皮下組織」が存在、肌状態は皮下組織の細胞からも影響を受けることがわかっています。

「表皮幹細胞」の働きが活発になれば、次々に新しい細胞が生成されるのでターンオーバーが安定しやすくなります。

一方、皮下組織にある「間葉系幹細胞」は、ハリやたるみなどの弾力に関わる繊維芽細胞を適切に働かせるような指示を出します。

この「間葉系幹細胞」を活性化させることができれば、線維芽細胞にコラーゲンやヒアルロン酸といった潤い成分を作らせることができ、肌そのものが若返る可能性が期待できる、というわけです。

乾燥肌を改善!ローヤルゼリーの最新研究データを紹介

しかし、最初のステップである幹細胞の活性化がどのように起こるのか、そのメカニズム・因子については、まだわかっていないことが多く、さまざまな企業・機関で研究が進められています。

中でも今注目されているのが「ローヤルゼリー」。ローヤルゼリーは「王様が食べるゼリー」という意味で、女王蜂だけが食べられる特別な食事のこと。約40種類以上もの栄養素が含まれ、ローヤルゼリーの効果に関心が高まっています。

山田養蜂場と近畿大学との共同研究では、ローヤルゼリーは表皮の細胞を生み出す「表皮幹細胞」を活性化することで、健やかな肌状態を保つ働きをもつことが最近わかってきました。

さらに、山田養蜂場と三重大学との共同研究では、繊維芽細胞にコラーゲンを作るよう指示を出す幹細胞「脂肪由来間葉系幹細胞」に、ローヤルゼリーが働きかけて、繊維芽細胞の増殖をサポートすることがわかってきたそう。

実際の研究では、ローヤルゼリーを脂肪由来間葉系幹細胞に添加することで、線維芽細胞への伝達物質である「エクソソーム」の量が増加し、さらにそのエクソソームを線維芽細胞に添加したところ、線維芽細胞の活性(コラーゲンを作る能力や増殖能力など)が向上した、という結果が得られており、この内容で学会発表もなされています。

また、山田養蜂場が実施したヒトを対象にした試験でも、ローヤルゼリーを12週間飲用することで、頬の水分量がアップしたという報告があります。

ローヤルゼリーはサプリメントやスキンケアで日常的に取り入れることができ、飲用と塗布どちらでも肌の水分量をアップさせることがわかっています。

肌が乾燥している男女にローヤルゼリーエキスを4週間塗布してもらったところ、肌の角層水分量が高まったという報告もあり、肌の老化に直接アプローチする成分として期待されています。

サプリメントで体の内側から、そしてスキンケアで体の外側からも乾燥肌に働きかけるローヤルゼリー。体の組織を若返らせる幹細胞にアプローチできる貴重な成分として、今後の研究に注目したいですね。

監修者プロフィール:松﨑英典さん(山田養蜂場 健康科学研究所)

松﨑英典さん(みつばち健康科学研究所)

まつざき・ひでのり 山田養蜂場R&D本部 R&Dサービス開発室 室長。2012年山田養蜂場入社。現職では「山田養蜂場 健康科学研究所」で研究員として培った知見を活かし、最先端の研究学術情報を集約・発信する業務に従事している。

取材協力:山田養蜂場 健康科学研究所

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