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糸や注射、切開…手術によって効果や持続期間は異なる
リフトアップ整形丨切る・切らない施術をそれぞれ解説
医療法人社団光悠会ヒルズグレイスクリニック(旧あざみ野ヒルズスキンクリニック)
奥美香子
公開日:2022.01.27
更新日:2024.03.08
リフトアップ整形は大きく分けると「切る手術」と「切らない手術」に分けられます。フェイスリフト、糸リフト、ショッピングリフト、ハイフ、サーマクール、ヒアルロン酸注入などたるみ解消に効果的な整形について医師監修のもと詳しく解説します。
リフトアップ整形は大きく分けて2種類
肌の弾力は、加齢や筋力の低下によって少しずつ衰えていきます。肌の弾力低下によって顔の脂肪を支えきれなくなり、顔の表面に現れたのが「たるみ」です。
フェイスライン(顔の輪郭)や表情への影響が大きく、見た目年齢をアップさせてしまう傾向にあるたるみは、肌悩みの中でも特に厄介なもの。
リフトアップ整形は、そんな気になる肌のたるみを取り、若返りを目指すための治療で、エイジングケアの一つの方法として知られています。美容外科などで治療を受けられ、クリニックによっても取り扱っている治療メニューは異なります。
リフトアップ整形にはいくつもの種類がありますが、大きく分けると、以下の2種類です。
- 切らないリフトアップ整形
- 切るリフトアップ整形
この記事では、以上の2つに分けてリフトアップ整形について解説していきます。
切らないリフトアップ整形の種類
メスを使わない、切らないリフトアップ整形は「プチ整形」とも呼ばれ、皮膚を切開しないため、切開を伴う整形手術と比べてダウンタイム(手術を受けてから回復するまでの期間)が少ないことが特徴です。
ただし、切るリフトアップ整形と比べると、効果の持続期間は短くなる傾向にあるでしょう。
糸リフト(スレッドリフト)
糸リフト(スレッドリフト)とは、コグと呼ばれるトゲのようなものが付いた糸を皮膚に挿入し、皮下組織に引っ掛けることで、たるみを引き上げ、リフトアップさせる治療を指します。
糸リフトを受ける人の年齢は20〜70代と幅広く、たるみの予防目的で20代や30代の人も受けているといわれています。
糸リフトの治療で使われる糸は種類豊富。それぞれ「コグの形状」「糸の素材」などが異なるため、得られる効果も変わってきますが、種類は大きく分けると「溶ける糸」と「溶けない糸」の2種類です。
溶ける糸
糸リフトに使われる溶ける糸は、医療現場でも長年使われている生体内吸収性素材でできています。体液に触れることで加水分解が起こり、1〜3年ほどで分解され体外に排出されます。使用する糸の種類によっても変わりますが、効果の持続期間は数か月〜1年ほどです。
糸が吸収されていくとともに効果は薄れますが、たるみがすべて元に戻ってしまうわけではなく、吸収された部分がコラーゲンとなることで、たるみ予防効果が期待できるとされています。
結婚式や同窓会などの大きなイベントを控えており、一時的にリフトアップしたい人や、皮膚に糸が残ったままは不安という人に選ばれている方法です。
溶けない糸
溶けない糸は、挿入後でも溶けることなく皮下組織に残り続けるため、溶ける糸に比べるとリフトアップ効果の持続期間が長く続きます。
ただし、失敗した場合は糸を取り出す除去施術が必要となることや、顔にうまくなじまず、皮膚から飛び出てしまう例などもあります。
ショッピングリフト
糸リフトが「たるみを引き上げる」リフトアップ整形であるのに対し、ショッピングリフトは糸を挿入することで「肌を引き締める」リフトアップ整形です。
たるみやシワが気になる部分に挿入した特殊な針や糸の刺激によって、肌内部でコラーゲンやエラスチンの生成が促され、肌の内側から弾力やハリ、肌質改善を目指します。
ショッピングリフトで使う糸は、糸リフトで使う糸のようにコグ(トゲ)はついておらず、極細針を使って糸を挿入するため、腫れや内出血などのダウンタイムが少ないことが特徴です。美容鍼の効果も期待できるといわれています。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸注射は、ほうれい線のたるみやシワが気になる場合などに行われる治療です。
以前は、シワが気になる部位に注射を使ってヒアルロン酸を注入し、肌の凹みを目立たなくさせる方法が主流でした。
近年は、症状を引き起こす原因となる「頭蓋骨や筋肉や脂肪の萎縮」や「靭帯のゆるみ」にアプローチすることで、効果的かつ立体的にたるみ治療が可能になりました。
治療に使われるヒアルロン酸にはいくつか種類があり、種類によっても効果の持続期間などが変わってきます。
ハイフ
ハイフ(HIFU)は日本語では「高密度焦点式超音波」を意味し、一点に集中させた超音波を照射することで肌のたるみを改善する治療法です。
皮膚は表面から「表皮層」「真皮層」「脂肪層」「SMAS筋膜」となっており、ハイフは顔の肌を支える土台といわれるSMAS筋膜の引き締めが可能で、根本的なたるみ治療ができます。
SMAS筋膜の引き上げはこれまで皮膚を切開する外科手術でしか治療できませんでしたが、ハイフの登場によって切らずに治療可能となりました。
サーマクール
サーマクールは、高周波(RF)エネルギーを真皮層に送り込むことで、ゆるんでしまったコラーゲン繊維を5~15%ほど収縮させ、肌内部からたるみを引き締める施術です。
フェイスラインのもたつきの解消やたるみのリフトアップ、小顔効果などが期待できます。
ハイフはたるみを土台から「引き上げる」のに対し、サーマクールはたるみの膨らみを「引き締める」効果が強いことが特徴です。ハイフかサーマクールかは、治療したい部位や肌のたるみの状態によっても変わってくるでしょう。
切るリフトアップ整形の種類
切るリフトアップ整形は、メスを使って皮膚を切開し、たるみを物理的に引き上げる整形手術のことです。必要に応じて、余った皮膚の切除も行います。
切開してしっかり引き上げるためリフトアップ効果が高いことが特徴ですが、ダウンタイムは長くなります。
フェイスリフト・ミニフェイスリフト
フェイスリフトでは、こめかみから耳の前、耳の後ろや生え際を切開し、皮下組織を剥離させSMAS筋膜を引き上げることでリフトアップを行います。引き上げによって余った皮膚は切開線に合わせて切除し、縫い合わせます。
フェイスリフトのダウンタイムを抑えたい人向けに、フェイスリフトほど大きく切開せず、ピンポイントに切る「ミニフェイスリフト」などと呼ばれる手術もあります。
フェイスリフトは高いリフトアップ効果が期待できますが、傷跡が残る、ダウンタイムが長くなる、手術時間が長い、神経麻痺などの副作用が出やすいなどのリスクも。体への負担などについてもじっくり検討し、医師やクリニック選びも慎重に行う必要があります。
ネックリフト
ネックリフトは、首に現れるたるみを解消するためのリフトアップ整形手術です。耳や生え際の境目を切開し、たるんだ部分を引き上げ、余った皮膚を切除して縫合します。
リフトアップ整形の注意点
リフトアップ整形では、セルフケアではケアの難しいたるみや、もたつきの解消が期待できますが、注意点もあります。
ダウンタイムがある
美容整形の施術は、切る・切らないに関係なく、どの治療でも必ずダウンタイムがあります。ダウンタイム期間中は痛みや腫れ、内出血などの副作用が起こることも。
切るリフトアップ整形の場合、皮膚を切開するためダウンタイムが長く、施術によっても異なりますが、腫れのピークは2週間ほど。その後、1か月ほどで腫れが目立たなくなり、3か月ほどで安定してくるとされています。
切らないリフトアップ整形の場合も施術によって違いがありますが、2〜3日ほどのダウンタイムがあります。
傷跡が残ることがある
フェイスリフトなど切るリフトアップ整形の場合、切開による傷跡が残ることがあります。なるべく日常生活を送る上で目立たない部分を切開しますが、場合によっては傷跡が目立ってしまうケースもあるため注意しましょう。
リスクや副作用がある
いずれの施術も、リスクや副作用があります。リフトアップ整形を受けようと考えている人は治療の効果やメリットだけでなく、リスクや副作用についてしっかり理解しておきましょう。
痛みや腫れなどの他に、顔面神経麻痺や失明、皮膚の壊死などの重篤な合併症もまれに起こるため、注意が必要です。
リフトアップ整形のQ&A
ここからは、リフトアップ整形のQ&Aについてご紹介します。
リフトアップ整形の費用はどのくらい?
美容を目的としたリフトアップ整形は自由診療となり、クリニックによっても料金は異なるため、いくつかのクリニックの費用や症例を比較してみるのがいいでしょう。また、施術によってもかかる金額は変わってきます。
一般的に、切らないフェイスリフトよりも切るフェイスリフトの方が、倍ほど費用が高くなるようです。
永久的なリフトアップ効果を得られる施術はある?
切らないリフトアップ整形は効果が一時的であるのに対し、切るリフトアップ整形は半永久的な効果が期待できるといわれています。
ただし、老化を止められるわけではありません。施術後も加齢によって肌はたるんでいくため、スキンケアやマッサージなどのセルフケアを続けることも大切です。
切るリフトアップと切らないリフトアップ、どっちがいい?
切るリフトアップと切らないリフトアップのどちらがいいかは、たるみの状態やその人が望む効果によっても変わってきます。
施術内容によってもダウンタイムや治療の効果は変わってくるため、リフトアップ整形を検討したときはいくつかの施術を比較して、自分の悩みや希望に合ったものを選ぶといいでしょう。
また、後悔のないよう、クリニックのカウンセリングで医師に相談し、じっくり話し合うことも大切です。
リフトアップ整形はリスクを知った上で受けることが大切
リフトアップ整形は、気になるたるみの解消を目指せる整形手術です。大きく分けると切らないリフトアップ整形、切るリフトアップ整形があり、施術メニューは種類豊富。クリニックによっても独自の名称をつけているところもあります。
中には「プチ整形」と呼ばれている施術もあり、手軽にできるのではと感じてしまいますが、どんな治療にもリスクや副作用、ダウンタイムがあります。内容をしっかり把握した上で、じっくり検討することが大切です。
クリニックによっては無料カウンセリングを実施しているところもあるため、まずは一度相談してみるのもいいかもしれません。
監修者プロフィール:奥美香子さん
医療法人社団光悠会ヒルズグレイスクリニック(旧あざみ野ヒルズスキンクリニック)副院長。顔全体のバランスを整えながら自然な若返りを果たす、注入によるエイジングケアを得意とし、医師にヒアルロン酸治療やボトックス治療を指導するアラガン社認定注入指導医として、安全・安心な注入治療の推進活動を行っている。
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