公開日:2020/06/29
更新日:2021/12/14
アラフィフ女性にぴったりの、今気になる美容を、同年代の美容ライター・中尾慧里さんがご紹介します。今回は、皆さんもお悩みの、消したいシミについて。美容クリニックでのレーザー施術でシミがどうなったのか、体験レポートします!
仕事柄、あらゆる美容クリニックで施術の取材をしています。が、自分で受けるのはまだまだ先。一度やったら戻れないかも。というような不安があり、なかなか手を出せないでいました。
ところが3年前に、とある仲が良いタレントさんとお話をしていて「そのシミさえなければ、もう少し若々しく見えるのにねぇ~」と率直な意見をいただき、目からウロコ! 周りの人は「シミなんかわからないよ」「シミがあっても全体の肌がキレイだからいいじゃない」などと言ってくれていましたが、正直なその意見の方が逆に気遣いに思えたんです。
早速その方に、どうすればいいのか相談したところ、「美容クリニックで消せばいいじゃない。簡単なこと」だと。「今では技術も進化しているから、とりあえずカウンセリングしてみては?」
そこで、何度も取材して懇意にしていただいている、東京・表参道にある松倉クリニックへ診察に行きました。
松倉クリニックの松倉院長に診断していただいたところ、私の頬にある大きな濃いシミは、肝斑(かんぱん)とも複雑に絡み合っている様子。そう。シミにもいろいろあるんですよね。
まず、「肝斑」。これは、女性ホルモンのバランスの乱れに関係しているといわれています。発症時期は30代くらいからで、妊娠すると濃くなることもあります。両方の頬骨に沿って、左右対称にできることが多いようです。
そして、紫外線によるシミ。「老人性色素斑」といわれ、長年のダメージが蓄積した結果。
他には、遺伝が原因といわれているそばかすや、炎症性の色素沈着、生まれつきのあざや大人になって出てくる遅延性太田母斑などがあります。
いずれにしても、自分では判断が難しいので、気になったらクリニックで診断してもらいましょう。
50代から気になり始めるのは、やはり老人性色素斑や肝斑ではないでしょうか。私の敵も、その2つです。それぞれに撃退するには、さまざまなアプローチがあります。
肝斑は、少し前まではレーザーを照射すると逆に濃くなるというリスクがありました。ただ、最近では研究や技術が進み、肝斑に効果的なレーザーも登場しています。とはいえ、何度か照射しなくてはならないので、時間と費用がかかりがち。そこで、内服や軟膏で肝斑をケアをしている人が多いようです。
知り合いは、市販のお薬を飲んでいると、その間は肝斑が薄くなっていました。クリニックでは、色素沈着を抑える成分のトラネキサム酸の内服薬を処方されます。また、同時に塗り薬のレチノイン酸、ハイドロキノンやビタミンCなども処方され、内と外でダブルアプローチをかけます。クリニックですから、効果的な配合量を出してもらえるはず。しかしながら、肝斑治療は長期戦です。
いわゆる“シミ”には、治療アプローチ方法がいくつか考えられます。
まずは、カウンセリングと診断で、シミに対するそれぞれのアプローチのメリットやデメリット、シミ治療に対する心構えなどを説明されました。私の場合は、春休み中に終えたいので最短で効果が出るものがいい、とお伝えして診断へ。
先生は一言、「Qスイッチルビーレーザーで取りましょう」と即決。肝斑もあるにはあるけれど、どうやら光老化によるシミだらけのようで……。しかも、かなり広い範囲にたくさん散らばっていて、レーザーを打つ予定のマーカーをつけてみたら「え? こんなに?」と自分でもびっくりするほど!
Qスイッチルビーレーザーは、黒いメラニンに反応します。メリットは、狙いをつけて照射するので、周囲の組織にはダメージがないこと。デメリットは、多少の痛みと2週間のダウンタイムです。
多少の痛みというのは、ゴムでパチンと弾かれるような痛み、とのこと。実は、取材で20年ほど前に体験したことはあるので、なんとなくの感じはわかるけれど、レーザーは久しぶりなのでちょっとコワい……。
死ぬほど痛みに弱いので麻酔を塗っていただき(塗らない人も多いそう)、20分ほどしたら「はい、始めまーす」と比較的軽いノリで先生が登場。「きっと、終わったらすっきりするよー」と、自分のことのように嬉しそう。不安が一気に明るい希望に変わります。
まず、どんな痛みなのかを試すために1回照射。「こんな感じの痛みです。大丈夫でしょ?」。確かにパチン! とゴム弾を受けたような感覚。思ったより大丈夫なのでそのまま進行してもらいます。和やかにおしゃべりしながら、先生はパチン、パチンと軽妙に打ち進み、10分もかからず「はい、終了!」
頬全体のシミを80か所ほどレーザー照射したのでヒリヒリするけれど、耐えられる痛み。やけどした後みたいな感じ。ただ、この痛みは一時間ほどで消えるそう。すぐに、全面がパッドになっているハイドロコロイド素材のばんそうこうを貼ってもらいます。これは2週間ずっと貼り続けておく必要があるとのこと。湿潤して傷を治すことで、キレイに仕上がるらしいです。
家での処置について説明を受けてから、帰宅。洗顔のときもばんそうこうがはがれないようにそっと洗い、外出時は紫外線ケアとマスク必須。初日は白いばんそうこうが目立つくらいだったけれど、数日するとパッド部分が黒々としてきて、シミが濃くなったような顔になりました……。
レーザー照射したときは、今のようなコロナ禍ではなかったので、「花粉症?」と聞かれたり、マスクからはみ出した黒々パッドが見えると「どうしたの?」と驚かれたりしましたが、とにかく2週間後を心待ちにすることで我慢、我慢。
しかし、10日ほど過ぎると、「本当にシミが取れているんだろうか?」と不安になるくらいパッドが黒く膨らんでくるし、このまま実は取れていなかったらどうしようと思うことも。とはいえ、パッドはきっちりと貼ってあり、丁寧に扱っていたこともあって途中ではがれることもなく2週間。
クリニックへ行き、シミの経過チェック。「よく、がんばりました!」と先生に褒められて素直に嬉しい。ただ、パッドが黒々しているので、逆に大きくなっているのではないかという不安を口にすると、「大丈夫」と、ピンセットでゆっくりとパッドをはがし始めました。
「見て! すっきりしたねぇ~!」と言われながら鏡を渡されて見てみると……。そこに確かにあったはずのシミの大陸が、ない! そこにあるのは、淡いピンク色の新しい皮膚! テーブルの上には、黒く膨らんだパッドが。改めて、レーザーってすごい、と感動してじっと鏡を見つめ続けました。
ただ、これで終了というわけではなく、レーザー照射後に外用薬が渡されます。これはクリニックが特許を取得した外用薬。1本はハイドロキノンで、もう1本はニューレチノイン酸です。夜のお手入れは、これを同量混ぜて塗るだけ。ほかには使いません。レーザー後の色素沈着を防いで、傷の治りをスピーディにするそうです。レーザーを照射した部分以外にも塗ってOK。新陳代謝を促すので、薄いシミならこの2本で解決できるとのこと。
処方された薬をしばらく塗り続けるのと同時に、紫外線カットは連日欠かせません。そのためシミ取り治療をするなら紫外線の強い時期は避けて、秋から春先あたりがおすすめです。
紫外線対策は、国内最高値のUVカットアイテムを塗りました。でもシミを隠すためのコンシーラーはもう必要なく、メイクも時短になりました。さらに、塗り薬が終わった後は、シミを除去した肌をキープするために美白アイテムを投入。シミになる前に予防を心掛けています。
終わってみると、なぜもっと早くレーザー治療をやらなかったんだろう?と思うほど。今度はシミが濃くなる前に、光治療や塗り薬など、クリニックの施術をもっと活用したほうがいいな、と画策しているところです。
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