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- 歯周病かも?セルフチェックから治療法、歯磨き方法も
加齢とともに深刻化する「歯周病」。60代以降は重症化する人も増えてきます。口臭の原因になるだけでなく、歯を失い、全身の病気のリスクにもなる歯周病は早めの対策が大切です。原因は歯垢と歯石。毎日の丁寧な歯磨きと歯科治療で、歯周病を治しましょう!
監修: 若林歯科医院院長 若林健史さん
わかばやし・けんじ 1957(昭和32)年生まれ。82年、日本大学松戸歯学部卒業。89年に東京・代官山で開業。2014年、恵比寿に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、医師向けや一般市民向けの講演も多数。
歯を失う原因になる「歯周病」とはどんな病気?症状は?
30代以降の日本人の8割以上がかかっているといわれる歯周病。年齢とともに増加し、歯を失う一番の原因になっています。
歯周病は、歯周病菌によって歯肉(歯茎)や歯を支える骨(歯槽骨しそうこつ)が破壊される病気。自覚症状がなく知らない間に徐々に進行するため、歯がグラグラしてきて初めて気付く人も多いそうです。
「なかでも要注意なのが、虫歯もなく、歯には自信があるという人。実は、虫歯と歯周病では原因となる細菌が異なっていて、虫歯の多い人は歯周病にはなりにくく、逆に虫歯の少ない人は歯周病になりやすい傾向があるのです。虫歯がないと歯科医院にもあまり行きませんから、発見も遅れがちです」
歯周病に詳しい若林歯科医院院長の若林健史(わかばやし・けんじ)さんは、こう指摘します。
歯周病は「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。歯肉炎は、歯肉が赤く腫れて出血する状態。歯周炎は、炎症がもっと進んで、歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)が深くなり、血や膿も出てきます。歯槽骨が溶けて、歯もぐらついてきます。
このような状態を招く元凶が、歯垢(プラーク)や歯石です。
「食べかすに細菌が集まって、トリモチのように歯にペタッとくっついたものが歯垢(プラーク)。そして、この歯垢(プラーク)に唾液中のカルシウムが沈着して、石のように硬くなったものが歯石です。歯石を顕微鏡で見ると、軽石のように多くの穴があり、その穴に細菌が棲みついています。細菌が出す毒素によって、歯周病はさらに進んでいくのです」(若林さん)
歯周病の初期症状・進行の様子
健康な歯は、歯肉が薄いピンク色で、引き締まっている。歯肉に炎症がなく、歯磨きをしても、出血しない。
歯肉炎の状態。歯と歯肉の間に歯垢(プラーク)が蓄積。歯肉に炎症が起こり、赤く腫れる。歯磨きをすると出血する。
歯周炎の状態。歯石が蓄積し、血や膿が出る。歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が溶けて、歯がグラグラする。
歯周病は、糖尿病や心臓病などの全身疾患にも影響する
「ぺリオドンタル・シンドローム(歯周病関連全身疾患)」出典:若林健史
歯周病は、歯周病菌による感染症。軽いうちは菌が歯肉周辺にとどまっていますが、進行すると菌やその毒素が血管内に入り込み、全身を回ることに。この結果、いろいろな病気を悪化させるといいます。若林さんは、これを「ペリオドンタル・シンドローム(歯周病関連全身疾患症候群)」と呼んでいます。
「例えば、糖尿病の人は歯周病になりやすく、また歯周病があると糖尿病が悪化しやすいこともわかっています。他に動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、肥満、肺炎、骨粗しょう症、認知症なども、歯周病との関係が明らかになっています。これらの病気の予防や改善のためにも、歯周病をしっかり治療しておくことが重要なのです」(若林さん)
虫歯と歯周病の関係は?
歯周病になると、歯肉が徐々に下がり、これまで隠れていた歯の根っこが露出してきます。
「この歯根部は歯表面のエナメル質よりも軟らかく、虫歯になりやすい。甘いものを食べて、歯磨きをせず、そのままにしておくと簡単に虫歯になってしまいます。最近、60代以降の人に増えています」と若林さん。歯の根っこにできる、いわば“大人の虫歯”です。気を付けましょう。
歯周病進行度のセルフチェック・診断...
歯周病に詳しい歯科の“かかりつけ医”を持つ
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