あなたのお口は大丈夫?衰えを防いで病気も予防#2
3つの簡単「舌トレ」でオーラルフレイル予防
3つの簡単「舌トレ」でオーラルフレイル予防
更新日:2025年09月17日
公開日:2022年06月03日
舌の力を強くしてオーラルフレイルを予防

お口の衰え(オーラルフレイル)により、よく噛めない状態が続くと食事が偏ってしまい、結果として低栄養となり、全身の機能が低下します。前回は、オーラルフレイルの危険性を確認するためのセルフチェックもご紹介しました。
こうした負の連鎖を食い止めるために、お口の機能を高めることが重要と、東京都健康長寿医療センターの平野浩彦さんは言います。
「体の衰えを防ぐために筋トレをするように、オーラルフレイルを防ぐには、お口の筋トレが効果的です。特に舌を鍛える“舌トレ”をすることで、口全体の働きが活発になり、機能の改善につながります」と平野さん。
舌は重要な役割をしています
舌は全体が筋肉でできていて、食べる、しゃべる、飲み込むといった生きる上で重要な動作は、舌の筋肉がしっかり働くことで成り立っています。
- 食べ物を受け取り、口の中にキープしたり、適した部分に移動させる
- 食べ物の性質や形状などを確認する
- 軟らかい食べ物を上あごと舌で押しつぶす
- 飲み込んでいいかどうかを把握する
- 唾液の分泌を促す
- 食べ物と唾液を混ぜ、のどに送り込んで飲み込む準備をする
- 舌にある感覚器によって食べ物の味を知る
- 舌の形を変えて発音に関わり、滑舌をよくする
- 唇や頬と連動して歯の位置を安定させる
- 唾液に含まれる抗体でウイルスや細菌をブロックする
平野さんは、「日常的に話したり食べたりするときに、舌の存在を意識することも、舌トレになります」とアドバイス。ここからは、さらに積極的に舌を鍛えるための方法をご紹介します。
【舌トレ1】ガラガラ・ブクブクうがい
「少し意識を変えるだけでできる“うがいでの舌トレ”は、トレーニングになじみのない人でも、継続しやすいので、三日坊主になりがちな人にもおすすめですよ」と平野さん。
うがいを意識的にすることで、舌とのどの筋肉、さらに口輪筋などの表情筋も鍛えられると言います。

1.水を口に含んで上を向き、のどの奥で10秒ほどガラガラうがいをして水を吐き出します。
ポイントは、のどの奥を意識することです。普段より少し長めに、回数も多くすると効果的です。

2.再度、水を口に含み、頬全体を膨らませて3回ほどブクブクして水を吐き出します。頬の内側の筋肉を意識的に使いましょう。
【舌トレ2】舌のぐるぐる筋トレ
舌を大きくぐるぐる動かすことで、舌の筋肉が鍛えられ、唾液の分泌もよくなります。

1.最初に、口を開け、舌をできるだけ前に出します。

2.出した舌を左右に動かします。

3.最後に、舌で唇をゆっくりなめるように大きく回します。
「これが限界」というところまで上下左右に、ゆっくり動かすのがポイントです。1~3の動きを3回繰り返します。
【舌トレ3】舌のコロコロあめ玉運動
舌の筋肉に負荷をかけるトレーニングです。頬のストレッチにもなります。

1.まず、舌を左の頬の内側に強くしっかりと押し付けます。

2.指で口の中の舌先を頬の上から押さえます。指の押す力に抵抗するように、舌で頬の内側をゆっくり10回押し返します。
1~2の動きを左右3回ずつ繰り返しましょう。
どのトレーニングもちょっとしたスキマ時間にできるので、やってみてください。次回は、話すことで舌を鍛える「しゃべトレ」と、食べることで舌を鍛える「食べトレ」について教えてもらいます。
平野浩彦(ひらの・ひろひこ)さんのプロフィール

東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長。1962(昭和37)年生まれ。歯科医師。日本大学松戸歯学部卒業。東京都老人医療センター研修医、国立東京第二病院研修医、東京都老人医療センター主事・医長を経て、東京都健康長寿医療センター研究所専門副部長に就任。2016年より現職。専門は老年歯科学。著書に『フレイルの専門医が教える 舌を鍛えると長生きできる!』(PHP研究所刊)。
取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) イラストレーション=かやぬま優
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年3月号を再編集、掲載しています。




