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やっとつらかった更年期が終わり、人生これからのはずが……。なぜか一気に肌や髪が乾燥し、たるみやしわが目立って「老け込んだ」と思った方必読! 美容と健康のプロ3人に、閉経後に乾燥してしまう原因や、対策法を教えてもらいました。
閉経後の乾燥肌を解決するキーワードは「巡り」!
なぜ、年を重ねると肌の潤いは失われてしまうのでしょうか。乾燥肌の原因として、まず挙げられるのが、女性ホルモンの減少によるリンパの巡りや血流の低下です。
「閉経後、女性ホルモンは急激に減り、主要成分であるエストロゲンの分泌量も比例します。すると、エストロゲンが生成を促すコラーゲンやヒアルロン酸も激減。潤いや弾力を保てなくなり、乾燥肌が進むとともにシワやたるみ、髪のパサつきも目立ち始めます」と話すのは、産婦人科医の対馬ルリ子さん。
さらに、コラーゲンには体中に張り巡らされている血管やリンパ管をしなやかに保つ機能があり、それらも低下します。
リンパとは、毛細血管から浸出した余分な水分や老廃物を排出する働きをする体液のこと。このリンパが流れる管がリンパ管です。「筋力の低下が重なり、血流やリンパの流れが滞ると、栄養や水分が肌や髪まで行き届かなくなるのです」と言います。
また、加齢による「腸内環境の悪化」も、肌や髪の潤いを失わせる大きな原因です。「50代からの女性は消化力が衰えて腸で栄養素が吸収されにくくなり、“食べているのに栄養不足”状態になりやすい」と対馬さん。
「髪は体の最末端部なので、特に栄養が届きにくい」と毛髪診断士の余慶尚美さんも言います。
では、これらを改善し、肌や髪の潤いを取り戻すにはどうしたらよいのでしょうか。答えはずばり“体の巡り”をよくすることです。
「50代からは、肌や髪の上から保湿するだけでは、乾燥肌の根本的な解決にはなりません。巡りをよくするケアと食事を習慣にしていきましょう」と対馬さんは言います。
乾燥肌対策1:外側から巡りをよくする“微振動”マッサージ
そこで、まず取り入れてほしい習慣が、リンパの流れや血流を促すマッサージです。
リンパケア トレーナーの木村友泉さんは「肌や骨に微振動を与えるケアで筋肉がほぐれると、リンパの流れがよくなり水分や栄養素があるべき場所に緩やかに流れ始めます。同時に血流も活性化し、代謝もアップします」と言います。
皮膚の上から優しく微振動を与えるだけで、リンパの流れや血流は活性化します。肌に微振動を与えると、表情筋や表層の筋肉が緩むのです。
また、リンパの流れをよくするには、リンパを流すポンプの役割をする筋肉(骨格筋)をほぐして動きやすくするのも大切。骨に微振動を与えると、骨格筋や深層の筋肉が緩みます。リンパが詰まりやすい部分を重点的に、優しくほぐしていきましょう。リラックス効果もあります。
乾燥肌対策2:内側からの巡りは「腸内環境を考えた食事」で
もう一つ大切なことは、毎日の食事。「若々しい肌と髪の元になる栄養素をたっぷり取りましょう。その際、消化吸収を促し、代謝をアップする食材をかけ合わせるのがポイントです」と対馬さん。同時に、腸内環境を整えることも大切だといいます。
規則正しい生活で腸内のリズムを整えて、腸内の善玉菌を増やす食材を取ることで、腸が活発に動いてしっかり消化吸収できる状態になります。
その上で、肌と髪の元になるたんぱく質を、巡りをよくする食材をかけ合わせて取れば、栄養を体の隅々まで巡らせることができます。
「いわば、肌や髪は、健康のバロメーター。肌や髪を潤すケアは、健康になるための生活習慣なんです」と対馬さん。
さらに余慶さんは「いい土壌においしい作物が実るように、健やかな頭皮が美しい髪を育てます。ただし、一時的に改善したからといってその状態が続くわけではありません」と話します。
大切なのは、日々の習慣の積み重ね。それこそが、何歳になっても若々しい肌を保つ秘訣なのです。
そこで次回は、リンパケア トレーナーの木村友泉さんが実践しているケア、微振動マッサージなどを紹介します。実際に読者が挑戦したところ、2週間で驚きの変化があったので要チェックです!
教えてくれたのはこちらの3人
対馬ルリ子(つしま・るりこ)さん。1958(昭和33)年生まれ。産婦人科医、医学博士。対馬ルリ子 女性ライフクリニック銀座院長。女性の生涯にわたる健康を支援する、さまざまな活動を行っている。
木村友泉(きむら・ゆうみ)さん。1959(昭和34)年生まれ。薬剤師、リンパケア トレーナー。「LHJ(ライフ&ヘルス ジョイ)」代表。体に負担の少ない健康法としてリンパケアの普及に取り組む。
余慶尚美(よけい・なおみ)さん。1970(昭和45)年生まれ。毛髪診断士、ヘアケアリスト。心と体の両面をケアする「巡り」をテーマに講演や執筆など幅広く活動を続けている。漢方美容にも精通。
取材・文=長倉志乃、塚本由香(ともにハルメク編集部) イラストレーション=船越谷 香
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年1月号を再編集、掲載しています。
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