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- 息子夫婦のために早期退職…私の決断は間違っていた?
シニア女性の心のモヤモヤに、人生経験豊かな医師、僧侶、生活研究家の3人がアドバイス!今回は、孫が小学生になるタイミングで息子夫婦のために早期退職した50代の女性と、年金にコロナ…今後の生活が不安という70代女性のお悩みです。
回答してくれるのは3人の識者
鎌田 實(かまた・みのる)さん
医師。1948(昭和23)年生まれ。諏訪中央病院名誉院長。東京医科歯科大学卒業後、諏訪中央病院へ赴任。地域包括ケアの先駆けをつくった。国際医療支援、全国被災地支援にも力を注ぐ。「60代からの鎌田式ズボラ筋トレ」(エクスナレッジ)が10万部越のベストセラー中。最新刊は「奇跡の鎌田式ウォーキング」(家の光協会)。体と心の健康づくりのため、全国講演中。『鎌田實の人生図書館』(マガジンハウス刊)他、著書多数。
阿部絢子(あべ・あやこ)さん
生活研究家。1945(昭和20)年生まれ。共立薬科大学卒業。薬剤師の資格を持ち、メーカー勤務後、現在に至る。環境問題に深く関心を持ち、これからの低炭素暮らしの追求に努めている。『ひとり暮らしのシンプル家事』(海竜社刊)他、著書多数。
玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)さん
看護師・僧侶。1964(昭和39)年生まれ。自宅で夫を“自然死”で看取ったことをきっかけに、出家。「一般社団法人大慈学苑」代表として、“親の介護と看取り”についての講座などを開催している。『前を向くために』(扶桑社刊)他、著書多数。
相談1:孫を見てあげるために退職…間違いだったかな?
息子夫婦は共働きです。孫が小学校に上がるタイミングで、私は仕事を辞めました。下校後の面倒を見てあげるためです。
でも、この選択は間違いだったのだろうかと悶々とし続けています。自分のことだけを考えて、退職しない方がよかったのでしょうか。みなさんはどうされているのでしょう。(青森県、57歳)
医師・鎌田 實さんの回答:孫と一緒に勉強をしましょう
今回は鎌田が回答しましょう。エリク・エリクソンというアメリカの心理学者が、中年になると成長がゆっくりになって停滞が起き、8割の人が精神的に不安定になると言っていました。
万年躁(そう)状態の私も、48歳のときにパニック障害になりました。もしかしたら、57歳のあなたもそういう時期なのかもしれませんね。
エリクソンは、それを乗り越えられるのは、「世代性」と言い、自分とは違う世代のために何かをすることが大事だと説明します。親の面倒を見てもいいし、下の世代の面倒を見てもいい。新しい視点を獲得することで、「停滞」を乗り越えるのです。
幼い子にはすごく可能性がありますから、真剣に孫育てをしたらいいと思います。自分が子どもの頃に全力投球できなかったことがあれば、それを孫と一緒になってすれば、孫を通してあなたも成長できます。
それに、若い世代の手助けをしたら、自分が存在している意味も見えてきます。意味が見えるかどうかは、生きていく上ですごく大事なことです。これからの人生は少しずつ下り坂かもしれないですが、新しい道を歩けます。
あなたが真剣になることで、孫だけでなく息子夫婦にもいい影響が出て、家全体がいい方向に向かいますよ。
玉置妙憂さんからのひと言
これは実はあなたではなく、息子夫婦の問題。あなたは今すぐ、自分のために再就職を考えましょう。
阿部絢子さんからのひと言
「みんな」ではなく、「あなた」がどうしたいかが大事。何でも主体を「己」にすると、本当にしたいことがわかります。
相談2:年金生活、コロナもあってこの先が不安……
定年後の年金生活は想像以上に厳しいもの。先々のお金が減ることを思うと、出費も抑え気味に。欲しいものを諦めなければいけないのが悲しいです。コロナの脅威もあり、この先は不安がいっぱいです。(岡山県、71歳)
生活研究家・阿部絢子さんの回答:今の状況だからこそ楽しめることを
生活研究家の私が回答します。年金生活の不安は、誰だってあります。でも、答えはシンプル。自分の暮らしを見つめ直して、今後どう生活するか考えるだけです。
人は、どんなときでも二つに一つの道しかありません。シンプルな話です。悩むか、悩まないか。
悩まないを選んだら、次!お金を稼ぐか、稼がないか。稼がないのなら、今あるお金をどう使うかを考える。いっぱい使うか、少なく使うか。そうして、道を細かくしていくと、おのずと答えは出ます。
それと、コロナのせいにしないこと。こんな経験ができるなんて!と考えて、コロナ禍だから楽しめることをしてみて。インターネットとか、初めてのことに挑戦するのでもいいの。ぜひやってみて!
心のモヤモヤが日々たまってしまう方のために、心理カウンセラーの下園壮太さんに、どんな悩みでも解決へ導く最初の対策を2つも教えてもらいました。
取材・文=井口桂介(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年1月号を再編集しています。
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