夫が亡くなり生きがいがない…これからどうしたら?
2022.11.222022年11月20日
人生相談スペシャル!もっと心をラクにして生きる#1
気力の低下で何をしても楽しくない…というお悩み
老い、家族との関係、お金の悩みなど…シニア世代の心にたまったモヤモヤに、人生経験豊かな医師、僧侶、生活研究家の3人がアドバイス!今回は、退職後に始めた趣味がどれも長続きしない70代女性と、ストレスで帯状疱疹まで出た60代女性のお悩みです。
回答してくれるのは3人の識者
阿部絢子(あべ・あやこ)さん
生活研究家。1945(昭和20)年生まれ。共立薬科大学卒業。薬剤師の資格を持ち、メーカー勤務後、現在に至る。環境問題に深く関心を持ち、これからの低炭素暮らしの追求に努めている。『ひとり暮らしのシンプル家事』(海竜社刊)他、著書多数。
鎌田 實(かまた・みのる)さん
医師。1948(昭和23)年生まれ。諏訪中央病院名誉院長。東京医科歯科大学卒業後、諏訪中央病院へ赴任。地域包括ケアの先駆けをつくった。国際医療支援、全国被災地支援にも力を注ぐ。「60代からの鎌田式ズボラ筋トレ」(エクスナレッジ)が10万部越のベストセラー中。最新刊は「奇跡の鎌田式ウォーキング」(家の光協会)。体と心の健康づくりのため、全国講演中。『鎌田實の人生図書館』(マガジンハウス刊)他、著書多数。
玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)さん
看護師・僧侶。1964(昭和39)年生まれ。自宅で夫を“自然死”で看取ったことをきっかけに、出家。「一般社団法人大慈学苑」代表として、“親の介護と看取り”についての講座などを開催している。『前を向くために』(扶桑社刊)他、著書多数。
相談1:気力が低下して、何をやっても長続きしません
現役時代は、「仕事を退職したらやってみよう!」と思うことがいろいろありました。でも、いざそうなったら、気力が失せてしまったからか何をしても続きません。ジム、フラワーアレンジメント、英会話……なぜだか退屈です。(滋賀県、74歳)
生活研究家・阿部絢子さんの回答:数打てば当たる。もっとやっていい!
今回は、阿部が回答しましょう。なんでも「気力」のせいにしてしまってはダメ!そもそも75歳くらいになると、気力なんてそうそうありませんから(笑)。私もそう。みんなもそうだから、心配しないで大丈夫。それに、こんなにいろいろチャレンジしているのでしょう?「気力がない」というわけでもないですよ。
趣味が続かないのではなく、あなたの場合、次々に興味が広がっていっているんです。それがあなたの性格。
退職後に始まったことではなく、これまでもそうだったはずです。ジムでも、フラワーアレンジメントでも打ち込めなかったのなら、また新しい習い事を始めればいいだけのこと。フラワーアレンジメントの次は、生け花をやってみる、お茶に通ってみる……楽しそうでしょう?
ぐるぐると習い事を回していったら、いい人生を過ごすことができるはずです。
70代はまだまだ残りの人生が長いでしょう。退職して、たくさん時間を使えるのなら、新しいことをいくらでも始められます。飽きたら次!また次!そういう心でチャレンジしていってください。
「数打ちゃ当たる」じゃないけれど、「これは私にピッタリ」というものに、いつか出合えて、プロフェッショナルへの道が開ける……意外とそういうものですよ。
鎌田 實さんからのひと言
例えばジムに通って体を鍛えて、どうしたいの?それがイメージできれば張り合いが出てくるはず。私の場合は、80歳までスキーをしたい。
玉置妙憂さんからのひと言
やりたいことが続かないのは、人間の性(さが)。誰でもそういうものなんですよ。
相談2:気付かないうちに、コロナがストレスに…
先日、帯状疱疹が出ました。病院で診察してもらうと、コロナのストレスで免疫力が低下していると言われました。ストレスなんて、まったく感じていなかったのに。案外弱かった自分に、うろたえています。(東京都、64歳)
医師・鎌田 實さんの回答:今が踏ん張りどき
これは医師の私が答えましょう。免疫力の低下、つまり自律神経が乱れると、胃潰瘍、高血圧などさまざまな病気を引き起こします。免疫力を上げるには、朝のお日様に当たる、朝ごはんを食べる、腸を元気にすることの3つです。
今世界中でwithコロナの時代が長引き、「フレイル」という虚弱、認知機能の低下、コロナうつなども起きています。これらを防ぐには、まず体を動かしながら脳活をすること。
それに家に閉じこもらないで、気を付けながら人と交流することです。今のままの生活をしていると、数年後にコロナには打ち勝ったけど、介護保険のお世話に……ということも。これまで以上に、意識的にきちんとした生活をしていってくださいね。
心のモヤモヤが日々たまってしまう方のために、心理カウンセラーの下園壮太さんに、どんな悩みでも解決へ導く最初の対策を2つも教えてもらいました。
取材・文=井口桂介(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年1月号を再編集しています。
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