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- 古いしきたりは卒業!人間関係が良くなる今どきマナー
50代からのちょうどいい人間関係を築くために、やめること・始めることを各専門家に伺う特集。今回は、生活の変化とともに、変わりつつあるマナーについて。昭和の古い「しきたり」を卒業して、今の暮らしに合った「新しいマナー」を身に付けましょう!
教えてくれたのは:西出ひろ子(にしで・ひろこ)さん
マナーコンサルタント。一般社団法人マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会代表理事。皇室関係者のマナー解説や、NHK大河ドラマなどのマナー指導多数。企業のマナー研修やマナーを通じた人材育成を行う。著書に『知らないと恥をかく 50歳からのマナー』(ワニブックス刊)他多数。公式サイトはこちら
昭和マナーはやめてもいい!今の暮らしに合った「新マナー」
マナーは人間関係を円滑にするためにとても大切ですが、マナー専門家の西出ひろ子さんによると、形だけにこだわると逆効果になることもあるそうです。「マナーとは、相手を思いやる気持ちを表すもの。その形は時代や環境に応じて変わっていくのが自然です」と西出さん。
例えばお通夜。「昔は喪服を着るのはマナー違反でした。当時は亡くなったらすぐお通夜を営む習慣があったので、“急だから喪服を用意しなくてもいいですよ”という喪主の思いやりがあったのです。
今はお通夜まで日にちが空くので、喪服でないと違和感がありますよね。 このように、“こうあるべき”と思い込んでいる形も絶対ではありません。形が変わっても大事なのは“気持ち”です」と西出さんは話します。
どんな気持ちを表したいのかを考え、それを率直に表現することで、今の暮らしに合った新しいマナーの形をつくっていきましょう。
やめてもいい!古い「しきたり」3選
「昔からこうだから」と理由がはっきりしない儀礼を続ける
マナーの源にある考え方や文化を継承するのは大切な一方、形だけを絶対ルールにしてしまうと、時代や環境に合わなくなったとき、ストレスの原因に。自分だけでなく、次の世代をラクにするためにも、伝統的な儀礼の形をあえて見直す視線を持ちたいもの。
自分のマナーを相手に強要する
自分なりのマナーに自信がある人ほど、「お礼ははがきか手紙がマナーなのに、LINEで送るなんて」「お墓参りにこんな服装なんて」など、相手の行動にモヤモヤしがち。自分のマナーや常識と思っていることを絶対と考えず、気にしなければラクになります。
贈り物やお返しの「相場」にこだわる
贈り物は、「元気づけたい」「お祝いしたい」などの気持ちを表すもの。無理せず自分の現状に合うだけのもので十分。お返しの“相場”を気にするのは、いただいたものの値踏みにつながることも。迷って遅くなるより、スピーディーに感謝を伝えることを優先して。
今から始めるべき!「今どき」マナー2選
贈り物は相手の希望を聞く。現金もアリ
相手の好みやライフスタイルに合わないと、せっかくの贈り物が自己満足になってしまうことも。お祝いでもお見舞いでも、聞ける相手なら率直に希望を聞くのがベストです。「昔はマナー違反とされた現金ですが、今はかえって喜ばれます」と西出さん。
「クッション言葉」を意識して使う
クッション言葉とは、「よろしければ」「お時間があったら」など、本題の前にはさむ言葉のこと。誰もが忙しい今の時代、頼み事や誘いの前に言葉のワンクッションを使って、相手の意思と時間を尊重していることを表すことが大切。メールやLINEでも同様です。
次回は、意外と知らない大人のLINEマナーについてです。スマホを使った、スマートなコミュニケーション方法について、スマホ活用アドバイザーの増田由紀さんに伺います。
取材・文=新井理紗、松尾肇子(ともにハルメク編集部) イラストレーション=谷山彩子
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年7月号を再編集し、掲載しています。
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