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- タンスの肥やしを活用!少ない服で着回す60代コーデ
ハルメク読者の手持ち服をファッションデザイナーの横森美奈子さんが素敵に復活させる「タンスの肥やし活用法」特集。後編のテーマは「少ない服で着回す60代コーデ」です。今ある服だけでできる、おしゃれな着回し方を紹介します。
50代・60代からは少ない服で着回すのがおすすめ
「もったいないから服を捨てられない!タンスの肥やしで収納がパンパン」と悩んでいる人は多いものです。でも、「今の自分が素敵に見えない服は必要ありません。今は物がない時代ではないので、必要以上に洋服をため込まないことが大切」と横森さん。
前編では衣替えでタンスの肥やしを生かす&手放すポイントを紹介しましたが、後編では少ない服で着回すコーディネート術を解説します。
コーディネートの幅を広げて手持ち服を生かす方法がわかれば「いつも似たような服を買ってしまう」、「服を片付ける場所がない」というお悩みもなくなるはずです。
【お悩み】着回しできずコーデがワンパターンになりがち
相談者:山田恵理(やまだ・えり)さん (60歳)
山田さんの悩みは、新しい服を買っても、着回しできないこと。手持ちの服を上手に生かす方法を知りたいそうです。
「夏は風通しがよくシンプルな服を着たいので、ゆったりしたワンピースやシャツ、パンツを選ぶことが多いです」という山田さん。
しかし、「山田さんは大柄なので、シンプルな服をそのまま着ると、メリハリがなく威圧感が出ることもある」という横森さん。ちょっと重ね着を工夫することで見違えると言います。
「ロングシャツやブラウスは1枚で着るより、前を開けてインナーを着る方が風通しよく、汗も吸収されますよ」
着回しポイント1:ワンピースやシャツは羽織るのもアリ
色が気に入って買ったワンピースですが、「そのまま1枚で着る、シンプルなコーディネートしかできていません」と山田さん(写真左)。
■横森さんがアドバイス!少ない服で着回すワザ
「分量の多いワンピをそのまま着ると体が大きく見えます。前を開け、キレイ色のインナーでメリハリを。柄パンツもこのくらいの見え方だと、いいアクセントになります」(写真右)
着回しポイント2:シンプルな服は色でメリハリをつける
ゆったりした白のロングシャツとエスニック柄のパンツ。「ラクだけど、何だか素敵に見えなくて……」と山田さん(写真左)。
■横森さんがアドバイス!タンスの肥やし活用ワザ
「白のロングシャツは素っ気なくなりがちなので、メリハリをつけることが大事。濃い色のインナーやアクセサリーで爽やかに。カラーの細めパンツで引き締めて」(写真右)
着回しポイント3:定番コーデは思い込みを捨てること
ニットとパンツはセットアップではないものの、いつも定番コーデで着ていたため、飽きてしまったそう。「この上下もワンパターンの組み合わせでしか着られず、今はタンスの肥やし化してしまっています」と山田さん(写真左)。
■横森さんがアドバイス!タンスの肥やし活用ワザ
「夏らしく着たいなら、ベージュのニットは白のパンツと合わせましょう。手持ちのパンツを足首が見える丈に直すとスッキリします(写真中央)。茶色のパンツも軽い素材なので、夏から着てOK。爽やかな明るい色のトップスを合わせると、おしゃれ感が出ます(写真右)」
捨てられない思い出の服はリメイクするのもおすすめ
今回紹介した通り、思い込みを捨てて組み合わせ方を変えるだけで、タンスの肥やしは蘇ることが多いものです。でも、中にはどうしても今の自分に似合わない服が出てきてしまいます。
この花柄のノースリーブは、山田さんが新婚旅行で買った大切な服なのだそう。
手放さず手元に置いておきたいという山田さんに「形や柄が古く、今着るのはさすがに難しいので、思い出として大切にしまっておくか、思い切ってポーチなどにリメイクしてみるのも手です」と横森さん。
こうして捨てる・捨てないの二者択一ではなく、柔軟な発想でおしゃれに「生かす」方法を考えてみるのも、ファッションの楽しみ方の一つですね。みなさんもぜひ、タンスの肥やしを見直してみてください。思わぬ「宝の山」かもしれません。
教えてくれた人:横森美奈子さん
よこもり・みなこ 1949(昭和24)年生まれ。BIGIで「MELROSE」等のチーフデザイナーを歴任。2002年「smart pink」ブランドディレクター、13年にはショップチャンネルで「MINAKO★YOKOMORI」を開始。おしゃれに関する本も多数出版。
取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) 撮影=日高奈々子 ヘアメイク=木村三喜
※この記事は雑誌「ハルメク」2020年8月号に掲載された内容を再編集しています。
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