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- 衣替えで服を捨てる基準は?服の片付け・収納のコツ
やましたひでこさんが提唱する断捨離や、必要最小限の物だけで暮らすミニマリストの人気もあり、服を手放す人が増えています。服が捨てられない人のために、スタイリスト・大沢早苗さんに、衣替えで服を捨てる基準と服の片付けのコツを聞きました。
服の片付けに読者が挑戦!手放すべき服の選び方
「自分に似合う服がわからなくなってきた」「毎日、服を選ぶのが面倒」……その理由はクローゼットの中に、手放すべき服と今着る服が混ざっているから、とスタイリストの大沢早苗さんは言います。
そこで実際に、読者・Mさん(65歳)の自宅でクローゼットをチェックしながら、手放すべき服・今の自分に似合う服の選び方を教わりました。
30年以上、服をほぼ捨てたことがないというMさん。自宅のタンスやクローゼットには、隙間なく服が詰め込まれています。
クローゼットには、クリーニング後の服もそのまま掛けられていて、すでにパンパン! なのに「大半はまったく着ていない服なんです」というMさんに、大沢さんもびっくり。
タンスには1mmの隙間もなく服がびっしり。でも普段着る服は手前のほんの一部だけ。探すだけでなく、シワを取るのにも手間がかかり、面倒な作業が倍増してしまいます。
買った服をたんすにしまい込んで忘れ「値札をつけたまま放置したり、似たような服を買い足したりしてしまうこともある」というMさん。着ないまま傷んだ服も見つかりました。
似合う服は変化して当たり前!思い込みは捨てること
クローゼットやタンスにたくさん服はあるのに「着たい服がなくていつも同じ服の悪循環」だというMさん。
「おしゃれも買い物も大好きですが、最近は似たような服装ばかりで、いまいち自信が持てません。でも、またいつか着ると思うと、どうしても服を捨てられないの」
そんなMさんに「着たくない服の中から服を選ぶ……毎日その繰り返しだと疲れますよね」という大沢さん。
「お気に入りの服の中から選べるようになれば、おしゃれへの向き合い方も前向きに変わっていくはず! 加齢で体形や肌色が変われば、似合う服も変わります。おしゃれの思い込みを捨てて、服のラインナップを更新しましょう」
大切なのは、毎日使うクローゼットやたんすには、今の自分に似合う服だけを残すこと。自分の体形や肌の色をきれいに見せて、着まわしやすい服を選びましょう。
服の片付け・衣替えのコツ1:「老け見え服」を手放す!
50代以上の女性がまず手放すべきは、体形や肌の色の変化を強調する「老けて見えてしまう服(老け見え服)」。
昔は似合っていても、今はどうですか?「似合う」の思い込みを更新するには、着てみて、鏡の前で見るのが一番です。
大切なのは、服を着る“今の私”がどう見えるか、です。衣替えで服を捨てる基準と残すべき「今の自分に似合う服」をチェックしていきましょう。
服を捨てる基準1:シワがつきやすい素材
すぐシワになる綿素材の服は、だらしなく疲れた印象になりがち。シルク混の素材など、シワになりにくいなめらかな素材のものだけを残しましょう。質のよさは、清潔感や上品さにつながります。
大人女性に似合う服は、「光沢やハリのある素材の服」です
ツヤ感やハリ感のある素材は上品な印象に見えるので、50代以上の女性におすすめです。
服を捨てる基準2:体のラインが出る服
ぴったりしたラインの服の場合、ぽっちゃりさんは背中や二の腕など気付きにくい部分を、ほっそりさんはぽっこりお腹など、気になる部分を悪目立ちさせるだけ。姿勢も悪く見えますよ。
大人女性に似合う服は、「シンプルでゆとりがある服」です
体のラインを程よく隠すサイズ感がGOOD。装飾がないデザインの方が着まわせます。
服を捨てる基準3:あいまいな中間色
年を重ねた肌にとって、グレーやベージュ、ブラウンなどの中間色は、くすみを強調してしまうことも。肌の色や顔立ちにもよるので、実際に着て、鏡の前で肌映りをチェックして。
大人女性に似合う服は、「肌映りがいい明るい色の服」です
肌のくすみやほうれい線が目立ちにくい色を選びましょう。肌を明るく見せる薄いピンクや白は、おしゃれに見せる鉄板アイテムです!
服を捨てる基準4:カジュアル過ぎるパンツ
若者向けのパンツは低価格で使い勝手はいいですが、50代以上の女性が履くと、普段着というより、もはや作業着。サイズが合っても、シルエットや素材が年相応ではありません。
大人女性に似合う服は、「白やカーキのパンツ」です
品よくカジュアルダウンするなら、この2色がおすすめ。ただし、老け見えしないよう、上質な素材のものを選びましょう。
服を捨てる基準5:ひざが出るスカート
ひざが出るスカート、ふんわり広がるスカートは“若々しい”というより“若作り”。ひざの黒ずみも目立ちます。実年齢より若過ぎるデザインの服は、老け見えの原因です。
大人女性に似合う服は、「ロング丈のタイトスカート」です
重視すべきは、生地の厚み。体のラインを拾いすぎない、厚手の素材を選びましょう。
大人女性が避けるべき「老け見え」デザインとは?
洋服の中でも、数が増えやすいのが、Tシャツやシャツ、チュニックなどのトップスです。
デザインによっては、老け見えの原因になるので「今の自分に似合う服」かどうかをチェックしましょう。
小花柄など細かい柄
年を取るとまぶたがたるんで輪郭がゆるみ、顔の印象がぼやけがち。細かい柄ものを合わせると、より全体的にぼやけて見え、存在感がなくなります。大柄の方が華やかで素敵です。
フリルやレースなど甘めのデザイン
肩や襟まわりの丸みがかったデザインや、フリルやレースなどの装飾は、50代以上の女性には、無理しているように見えがちなアイテム。着まわしにくいのも難点です。
メリハリのない素材・色のチュニック
チュニックは体形カバーの代名詞ですが、お尻全体を覆い隠す厚手の素材や、メリハリのない色は、むしろ膨張して見えて逆効果に。着るときは必ず後ろ姿もチェックすること。
まだある!秋の衣替えで捨てるべき冬物衣類
衣替えは今持っている洋服を見直すチャンス。東京では最低気温が18度を切る9月下旬から10月頃が、秋の衣替えのタイミングです。
セーターやコートなど、これから着る予定の冬物衣類の中から、捨てるべき服を選びましょう。特に大人女性が注意したい冬アイテムと、チェックポイントを紹介します。
タートルネック
痩せ型の人は首のシワが隠れる上、小顔効果も。ただし丸顔や顔のたるみは強調されます。50代以上の大人女性が選ぶなら首元にゆとりがあるオフタートルがベター。
厚手のセーター
コートを着ると着ぶくれするため、温度調節が難しい厚手のセーター。ヒートテックなど薄手のインナーを重ね着して温度調節するのが、おしゃれに見える賢い方法です。
ダウンコート
もこもこしているダウンコートは、お尻が隠れる丈だと、メリハリがなくなりいっそう着ぶくれます。ウエストがシェイプされているデザインなら安心です。
服の片付け・衣替えのコツ2:ゆとりをもって収納する
こうして服を捨てる基準に沿って整理すると、手元に残るのは、体形や肌の色をきれいに見せてくれて、着まわしやすい「今の自分に似合う服」だけに絞られます。
あとは、クローゼットやタンスに、使いやすく収納するだけでOK。服を減らすだけで、おしゃれがラクに楽しめるようになりました。
服の片付けのポイント1:アイテム別・色別に分ける
トップス、ワンピース、アウターとアイテム別に分け、濃淡で並べ替え。タンスの中は、仕切り用のケースを入れて、同じくアイテム別と色別でまとめました。
服の片付けのポイント2:出し入れしやすいゆとりを持つ
服が減り、ゆとりが生まれたクローゼットは、服が格段に出し入れしやすくなりました。
「服を探しやすいから、何を着ようかあれこれ迷うのも楽しくなりました」とMさん。
服の片付けのポイント3:服を増やさないルールを作る
出し入れしやすいゆとりをキープするには、服を手放すタイミングを見逃さないことが大切です。クローゼットのハンガーは同じものでそろえ、今ある量から増やさないルールに。
タンスにしまう服も、手の甲がすんなり入るくらいゆとりを持って入れます。年2回の衣替えはもちろん、ルールを守るのが難しく感じたときも、服を見直すタイミングです。
「今の自分に似合う服」を組み合わせておしゃれに変身!
最後に紹介するのは、今ある服を生かしてもっと素敵になる方法です。大沢さんがMさんに提案したのは、気になる下半身がすっきり見える、上品なスタイルでした。
シンプルコーデはスカーフで華やか&さらに細見え!
ゆったりしたセーターとクロップドパンツのコーデは、ヒールのない靴でもすらりと見えます。「黒×紺は、品よく見えて、スカーフの色柄を選ばない色合わせ」と大沢さん。
着まわすより手軽に印象が変えられるのが、スカーフ&ストール使いです。
柄入りのスカーフは、縦ラインを強調して、目線を上に向ける効果も。
大判のストールは、ゆったり巻けば小顔効果が期待でき、冬は防寒にもなります。
素材・色合わせで若見せ!品のあるカジュアルスタイルに
Mさんが普段は着ないという、光沢がある素材のカーディガンと白いパンツを組み合わせたら、旬のスタイルに!
気になるお腹まわりも「ウエストは隠さず、むしろ出した方が実は目立ちません」と大沢さん。パールのネックレスを普段着に合わせると、装いも振る舞いにも品が出ます。
下半身すっきり&メリハリも!大人の「引き算」コーデ
「下半身のボリュームやラインを隠して脚をすっきり見せるタイトスカートは、50代以上の女性にこそ活用してほしいアイテム」と大沢さん。
なるほど、ラメ入りのゆったりしたカットソーを合わせただけで、こんなに素敵になりました!
「手放す理由を頭では理解しているつもりでしたが、実際に着て、鏡で見て大いに納得。丈やシルエットは着てみないとわからないものですね。何年も前に買った服なのに、組み合わせ方で今風に生かせるんだと驚きました」とMさんもうれしそうです。
大人のおしゃれでこだわるのは量より質です
服を買うとき、装飾がついていないとちょっと損した気分になりませんか? それは大間違い。
こだわるべきは、素材の質のよさやシルエットの美しさ。この見えない部分のこだわりが、身に着けたとき品のよさとなってにじみでます。
選ぶときも、今後買い足すときも、このことを、どうぞお忘れなく!
■教えてくれた人
大沢早苗さん
おおさわ・さなえ スタイリスト。著書に『大人のわたしに似合う服』(大和書房刊)などがある。個人向けに手持ちの服の見直しや、買い物に同行する「おしゃれカウンセリング」が好評。
スタイリング=大沢早苗 取材・文=長倉志乃(ハルメク編集部) 撮影=菅井淳子 ヘアメイク=小島けさき
※この記事は、雑誌「ハルメク」2019年11月号に掲載された内容を再編集しています。
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