落語会体験記

落語自由自在 ~落語協会・新作台本まつり~

公開日:2019.04.20

更新日:2019.04.17

落語が大好きなさいとうさんの落語体験記をお届けします。古き良き日本文化である落語を聴いて楽しく笑うことで、身も心も元気になりますよ。今回は、花冷えからお花見の予定を急遽変更して「新作台本まつり」に行ってきました。

寒い日は落語を見よう

2019年3月はお花見日和と思っていましたら、冬が戻ってきたような寒さで予定を変更し、寄席に行くことにしました。急に変更しても、予約なしですぐ行けるのが寄席の良い所です。

さて本日の主任(トリ)は? と思った途端、そういえば昨夜Twitterで、小ゑん師匠が「池袋演芸場昼席は新作台本まつりをやっています」と、呼びかけていたことを思い出しました。

この演芸場には、昨年お亡くなりになった桂歌丸師匠が「体調不良のため寄席を辞めます」と宣言された時、もはや見納めかと慌てて駆けつけ、手を伸ばせば届きそうな間近な席で「小間物屋政談」を聞いた想い出があります。その後、周囲の説得で師匠は最後まで噺家を全うされましたが。そんな思いに浸っているうちに、そろそろ開演時間です。

プログラムを見ると、今日の出演者は、前座さんを入れて11名ですので、今回は3席に絞ってレポートいたします。
新作落語会

「妻の旅行」 柳家はん治

「はん治と言っても、裁判所から来たわけではありません」といつもの自己紹介で始まり、まくらはなしで噺に入ります。桂文枝作の「妻の旅行」と分かりました。大阪のおばちゃんの話なのですが、今回は関西弁ではないので、ちょっと趣が違います。

卵お一人様1パックと言うので、スーパーに連れて行かれ、2人で2パック買い、妻だけもう一回並んで3パック。そんなに買ってどうするんだと思ったら、毎日卵ばっかり食べさせられたと、ぼやきます。そんな「あるあるネタ」で笑いを誘うベテランの語り口に、引き込まれました。

「ガーコン」柳家小せん

「今日は新作の日ですが、普段やる古典落語でさえ、現代人にわかるようにしないと、と言われますが、じゃあ現代って何だと言うと、よく分らないのが現代です」の下りで、すぐに演目が「ガーコン」だと分かりました。何度か聞いてはいますが、この会場で聞くのは初めてです。会場のキャパは93名で、こじんまりとしていますので、マイクなしです。この演目は歌を歌うのが特徴なので、期待が高まります。

先頃NHK大河ドラマ「いだてん」にも出演された師匠です。噺の途中で、円生師匠の声色を使って、笑いを誘います。

藤原義江の「出船の港」をオペラ歌手風に歌い上げ、フランク永井の「君恋し」では低音の魅力を発揮、果ては二村英二の高音まで、自在に歌いわけて噺は進みます。師匠の声が素晴らしくて、聞き入ってしまいます。昭和初期の二大愚歌も高らかに歌い上げ、もっと聞きたいなと思ったところで、お時間です。無情にもお仲入り(休憩時間)となりました。

「聖なる我が家」三遊亭圓丈

主任は一般公募の優秀作品を日替わりにて紹介しますが、圓丈師匠は「『聖なる我が家』このタイトル、面白くないので替えたいと言ったら、作者がそれだけは譲れないと言ったので、仕方なく中身を大幅に変えました」って、それでいいのでしょうか?

「上手くできたら奇跡です」と断ってから、噺に入ります。家の前に林檎が山の様に置かれていたことから物語は始まり、やがて果物が食べきれない程置かれるので、ネット販売を始めて騒動となり、途中で「芝浜」(有名な古典落語)の場面になったりで、何だかよく分かりませんでした(笑)。

新作落語は馴染みがないので、余程想像力がないと噺にはついていけません。でも、やがては新作も古典になるのですから、これからも楽しみに聞き続けたいと思いました。

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事