「芸は身を助く」そんな結果を夢見ながら(8)

45年前同じ職場で過ごした同僚と年に一度の恒例の旅

公開日:2023.05.23

2023年4月中旬。2年間のコロナ禍による休止を経て去年復活した元同僚との1泊旅行が今年も実現しました。当時20~29歳だった私達も今や65~74歳。37年前子連れで始めたこの旅も、今は各々の生き方を語り合うお互いの励みの場となっています。

マキノピックランドでピッタリ集合

早朝に起きて、手早く身支度をすることが苦手な私のことを慮って、「終の棲家」から1時間以内で行ける所を集合場所に選んでくれた今年(2023年)の幹事さん。

障害者用駐車場に車を止めて、お手洗いを済ませて車に戻ると目の前に1台の車が駐車するところ。京都市内と宇治市から乗り合わせた4人の到着です。続けてもう1台が。遠路はるばる綾部市から夫婦での到着。

マキノのピックランドでピッタリ集合

乱れに乱れた今年の4月の天候。当日もあいにくの雨でした。見事な桜のトンネルの下を行くはずだった海津大崎のクルーズ船も早過ぎる葉桜でキャンセル。でもそんなことは大した問題ではありません。会うことがうれしいのです。語り合えば盛り上がれるのです。

「1冊の本との出合いから」を改定して朗読会

予定を変更して、早めに宿泊施設に入りました。男性部屋、女性部屋にそれぞれ3人ずつ。夫の支援なしには動きのままならない私と夫だけは夫婦部屋。みんなと一緒にとはいかないことにちょっぴり寂しさを感じるものの、幹事さんの配慮に感謝。

入浴や散策、おしゃべりなど気ままに過ごした後、6時レストラン集合。アドベリー(安曇川の特産品)の食前酒、海のない県なのになぜか新鮮でおいしい鯛と鮪の刺身、鮎の塩焼き、茶碗蒸し、近江牛のステーキ、特産の赤こんにゃく等々。どれもおいしくリーズナブル。

「他のお客さんがお部屋に帰られたら、ダイニングは自由に使って下さいね。カラオケも無料です」と、オーナー。その場をお借りして、事前に幹事さんから頼まれていた「1冊の本との出合いから」の朗読をしました。

今年の幹事さんは、2011年3.11以降20回もフクシマを訪れ、そこで見聞きしたことをパワーポイントにまとめて、小学校で授業したり、さまざまな集まりで講演したりしてきた人です。後期高齢者になるのを機に、今年でその活動を最後にしたいとのこと。

そんな経過もあって、フクシマから大津市に避難して来た青田惠子さんの布絵と詩に突き動かされて書いたエッセーの朗読を頼まれたのでした。

エッセーを書き始めてから1年余りの間に、原発の再稼働や復興予算を軍事費に当てる事等が岸田首相によって明言されるようになり、それを支持する人が増え始めました。まるでフクシマのことを忘れてしまったかのような動きに私は危機感を覚えるのです。それ故、初めての15分間朗読で読んだ「1冊の本との出合いから」の内容を一部改訂して旧友の前で読んだのでした。

「1冊の本との出合から」を改定して朗読会

「フクシマ」を忘れてはいけない、あの時フクシマでどんなことが起こったのかもっともっと知らせていかなければと、参加者全員が青田さんの本を注文しました。

イングリッシュガーデン「ローザンベリー」へ

旅行2日目も小雨模様で始まりました。桜も終わってしまっていたし、カタクリの花にはまだ少し早いしで、朝の散策は止めにして、参加者の内の晴れ男(実は我が夫)のパワーを信じて、早速第二の目的地米原市の「ローザンベリー」に向かいました。

ここでも幹事さんの素晴らしい配慮。園内はローザン鉄道「ミルキーウェイ」で回る計画。入り口で車椅子を借りて、そのまま乗り込めました。おかげで全行程みんなと一緒に回ることができました。

イングリッシュガーデン「ローザンベリー」へ
イングリッシュガーデン・湖水地方を彷彿させるコーナー・羊と遊び、電車に手を振るのはなぜか大人のみなさん

晴れ男の本領発揮。青空の下、来年(2024年)の幹事さんへの引き継ぎを経て解散となりました。自然の中で旧交を温め、元気をいっぱいもらった春の2日間でした。

■もっと知りたい■

harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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