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- エッセー連作の5分間発表を経て、船旅の自主企画へ
2019年5月から、「脳出血からの再生」をテーマにエッセー連作への新たな一歩を踏み出した私。書き立ての自作エッセーを5分間発表会で順次聞いてもらっている内に、12月に出発する船旅の「自主企画」として発表するという新たな願いが湧いてきました。
湖畔はすっかり春の気配に包まれて
2023年4月。ヨシ焼きの真っ黒な灰に覆われていた湖畔は芽生えの緑にすっかり変わり、しみ出した雪解け水で湿地となりました。上昇気流に乗って空高く舞っていたトンビが、低く飛んでいるなとベランダから双眼鏡で見てみると……。
50~60cmはあろうかと思われる鯉が、飛び跳ねたり、追いかけ回したり……「ハタキ」(魚の産卵行動)です。ヨシ林は魚たちの絶好の産卵場所でもあったのです。
日曜日、色とりどりのヨットで琵琶湖は賑わっています。生きとし生けるもの全てが命を輝かせる春の訪れです。
心地良い朗読は「アクセント」と「間」から
2019年2月初めての5分間朗読会で読んだ「何の前触れもなく…」(2分間しか続かない読む力に合わせた短いエッセー)に継いで、5月の2回目参加に向けて「幸せな記憶だけが…」という題で5分間で読める長さのエッセーを書きました。
次に8月の3回目に向けては「失われた機能を取り戻しながら、私は私に戻っていく…」という題で書きました。これらを参加者のみなさんは熱心に聞いてくださり、発表後の交流会では「大変でしたね」「よく頑張ってこられましたね」と褒めてくださいました。
病気との向き合い方を見つめ直すために書き始めた「脳出血からの再生」シリーズです。そのことからすれば、十分なお褒めの言葉が頂けたわけです。が、何だか違う。私は純粋に朗読として聞いて頂きたくなっている自分に気付きました。
そのためには、5分間読み続けられるように練習を重ねるだけではなく、心地よい朗読にするために、「間」の取り方を考え、標準語のアクセントを意識して読めるようにしなければと、新たな課題が見つかりました。
自分の体験をそのまま書いたエッセーですから、その時々の状況や気持ちを思い起こしながら照れずに読めば、そこには適切な「間」が生まれます。難しいのはアクセント。四国で生まれ育ち、18歳からは関西で暮してきた私にとって、標準語のアクセントを身につけるのは至難の業です。
朗読教室の生徒さんは、『NHK日本語発音アクセント辞典』を引きながら勉強しておられます。右半身麻痺の私は、辞典を引くことはおろか、持ち運ぶことさえできません。先生が主催しておられる「アクセント教室」にも何回か参加してみましたが、メモも取れず覚えて帰る事もできず……。
テレビでニュースを見るとき、ネットで朗読を聞くとき、「アクセント」のアンテナを高く立て、関西弁と標準語の違いをキャッチして、自分のアクセントを直していくしかありません。
ピースボートでの船出
11月、4回目の自作エッセー朗読「これからのリハビリは、自宅でしたい!」~生命力溢れるものに惹かれながら~の発表後の交流会で、私は「12月下旬にピースボートの船旅に行く」「自主企画で『脳出血からの再生』の朗読をするつもり」であることを話しました。話が完結するように後2つのエッセーを書いているとも。
すると先生は、「じゃあ、出発前にもう一回5分間発表会を持って、一作は他の生徒さんに、最後の一作はharumatiさんに読んでもらうことにしましょう」と仰ってくださったのです。
こうして仕上げた「脳出血からの再生」6部作。バックミュージックを息子に付けてもらい、かつて自分が得意としていたことをどこまで取り戻せているかを試す、船出となったのです。
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