みなみ信州を巡る

紙漉きから春の訪れを告げるはだか祭へ

公開日:2023.04.10

古くから手漉き和紙で知られる、長野県・飯田市下久堅(しもひさかた)で紙漉き体験をしてきました。紙漉きは寒い季節の仕事です。そして、【時又 初午 はだか祭】が4年ぶりに通常開催されました。天竜川への、きおい込みは見物(みもの)です。

紙漉きから春の訪れを告げるはだか祭へ
水温むというけれど。飯田市「時又 初午 はだか祭」いざ天竜川へ

初めての紙漉き(かみすき)体験

シニア大学の仲間で行きました。

和紙の材料は、楮(こうぞ)とトロロアオイです。紙漉きの準備は、楮の刈り取り(11月末までに)から始め、3~4時間も蒸したり、熱いうちに黒皮を剥いだり、干したり、さらしたり、煮たり、たたいたり……など、幾通りもの工程があるそうです。

初めての紙漉き(かみすき)体験
楮(こうぞ)​​​​
初めての紙漉き(かみすき)体験
楮・線維が細かくなっている
初めての紙漉き(かみすき)体験
紙漉きの準備が整って
初めての紙漉き(かみすき)体験
紙漉きの道具・細かい目のスケタ
初めての紙漉き(かみすき)体験
最初にすくい取る時の角度を習う

材料が用意されていました。私たちは、『紙漉き』の方法を教えてもらってから、一人ずつやってみました。

初めての紙漉き(かみすき)体験
一番初めの水分を捨てる角度を習う

初めての紙漉き(かみすき)体験

何回も説明を聞いているのに、なかなか思ったようにはいきません。繊維を均一にするのは、とても難しかったです。

下久堅小学校の卒業式では、生徒が自ら漉いた和紙の卒業証書です。深く思い出に残りますね。

この和紙の特徴は、丈夫なことです。縦・横に動かし繊維を絡ませるため、丈夫な紙ができるのだと聞きましたが、技術的に熟練が必要と感じました。

乾かし出来上がった和紙をもらいましたが、両手で思いっきり引っ張っても、破れませんでした。

この和紙があったからこそ、『飯田元結』が考えだされ、飯田元結の拡販に務めた桜井文七は、『文七元結』としてその名を高めました。人情噺『文七元結』は、歌舞伎や落語で楽しまれています。

現在飯田では、元結の技術が【水引】に活かされています(元結は力士の髪に使われています)。

春の訪れを告げる、時又 初午(はつうま) はだか祭

春の訪れを告げる、時又 初午(はつうま) はだか祭
早い時間、人は少ない

「時又 初午 はだか祭」は、長野県飯田市・時又(ときまた)で鎌倉時代から続く神事、伝統的な祭です。3月12日、私は祭のクライマックス、天竜川へのきおい込みを楽しみに出かけました。

幼い頃、母に連れられて飯田駅から時又駅まで電車で来ました。それは大変寒い日で、小雪まじりであったような気がします。

この日は気温が割と高く、少し安心な気持ちで待っていました。

ここ天竜舟下り・時又港周辺は、夏には灯篭流しのメイン会場にもなります。

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

太鼓のリズミカルな音!

神輿を担ぐ掛け声は『ワッショイ』ではありません。『御水 御水』です。神輿が集まり、会場は盛り上がりました。

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

神聖な雰囲気の中、厄年の男性が天竜の水で身を清めます。そして、次々と水温5~6度の天竜川へ。

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

何回も行ったり来たり。

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

水量は、それほど多くないようでしたが、互いに水を掛け合ったり、全身が濡れています。ちょうどその頃には、風が出てきましたので、早く温まって欲しいと思いました。

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

裸でこの時期に水に入るなんてと心配しましたが、無事に終了しました。この祭りが終わると、桜の季節!

いざ天竜川へ『御水 おんすい』

■もっと知りたい■

渡来夢

美しいものに触れたいとの思いから美術館に行ったり、植物を育てたり、きものリフォームなどの手芸を楽しんでいます。元気でいられるように、ピアノの練習やパンを焼くことにも挑戦しています。『やってみよう!』の精神で。日常こそ大切、工夫して、お金をかけずに楽しむこころ豊かな暮らしを目指しています。

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