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- 手話で「さくら」を歌ってみたら…
2023年3月、手話講習会初級コースを無事修了しました。体力・気力の衰えを感じる年代には続けるだけでも大変。でも得られたものは小さくありませんでした。
働きながら学ぶために
50歳を過ぎて新しい学びとして始めた手話ですが、この春(2023年3月)、フル開催の初級コースを修了しました。
2022年5月より、毎週火曜の夜7時から2時間、全40回の課程を消化するのは思いの外大変でした。職場から開催場所までの時間を逆算すると、その日は定時退社がマスト。お陰でランチタイムもそこそこに、段取りよく仕事を片付ける習慣がつきました。
結果、全40回中欠席は3回のみ。皆勤こそ逃しましたが、我ながらよくがんばったと自分を褒めたいです(笑)。
修了式で手話歌を披露♪
初級コースの卒業=修了に向けて、成果発表として全員で手話歌を披露することになりました。皆で選んだ曲は森山直太朗さんの「さくら」。
「ぼ~くらは~、きっと~ま~ってる~、君と~また、会える、日々を~♪」 で始まるあの名曲です。まさかこの年で自分のために「さくら」を歌う日が来るなんて!
この歌詞に対応させる手話は、講師のアドバイスを受けながら決めていきました。結構難しい単語が使われているので、わかりやすい日本語に変換する必要があります。
例えば、「刹那に散りゆく」の「刹那(せつな)」。きわめて短い時間=「すぐに」という手話に置き換えます。「永遠にさんざめく光を浴びて」の「さんざめく」は、浮き浮きと騒ぎ立てる=「幸せな」と解釈しました。
ろう者独自の手話と言われる日本手話は、日本語対応手話と違い、一語一語を日本語の単語に対応させていくわけではありません。言葉の意味を柔軟に解釈し、わかりやすく相手に伝えます。こうして完成させた手話歌「さくら」ですが、かなり真剣に練習しました。
まず歌詞を覚え、全員で歌いながら手話をつけ、それを毎回ビデオに撮影します。その動画をLINEグループで共有しながら、自主練で少しずつタイミングを合わせていくのです。他のメンバーに迷惑をかけないようにと、結構必死でした(笑)。
その甲斐あって、修了式本番では、担当講師を始め事務局の方々にも「感激した」とのお褒めの言葉を頂きました。
オトナの学びで得たもの
漠然とした興味と半ば勢いで始めた手話。記憶力の低下に加え、復習する時間が十分に取れずに苦労しましたが、得たものは大きかったです。
まず、日々飛ぶように過ぎていく時間と折り合いをつけ、やり遂げたという自信。
もう一つは、大人になって出会った勉強仲間の存在。初級コースは全部で11人。年齢も職業もバラバラ、唯一の共通点は同じ区内に住んでいるということだけです。マスク着用のコロナ禍で出会い、なかなか上達しない悩みを共有しながら、少しずつ距離が縮まっていきました。
手話を学ぶことが楽しかったのはもちろんですが、彼らの存在も学習を続けるモチベーションになりました。だからこそ、「さくら」の歌詞
「挫けそうになりかけても~、頑張れる~、気が~した~よ~♪」
でウルっときたりして。
そうはいいつつ、この後中級コースに進むかどうか? 実はちょっと迷っていた矢先、2025年デフリンピック(ろう者による国際スポーツ大会)の東京開催が決定しました。さすがに手話通訳の役目は到底果たせそうにありませんが、微力ながらボランティアに関わってみたい……。
この先も学び続けるモチベーションが、また一つ増えました。
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