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読んでから見るか、見てから読むか、それは問題か?
読んでから見た作品
これに関しては一長一短です。
自分の持っているイメージと、映像化されたイメージが似たようなものであるならば、結果オーライです。
ところが、シリーズとなっている小説が映像化されたものを見る場合、そのシリーズが終わっているならば問題はありませんが、シリーズの途中で見てしまうと……。
本を読んで想像していたイメージと、映像化された画像が異なっていた場合、自分の中で映像の画像が固定化され、良い方に転べばいいですが、悪い方に転んでしまったら、原作そのものものが面白くなくなってしまうかもしれません。
また、現在のアニメは原作の漫画と遜色のない絵柄が多く見ていても楽しめますが、昔のアニメ(特に少女漫画)は原作の画のうまさが生かしきれておらず、アニメを数回見たきりのものもあります(涙)。
スティーブン・キングの『グリーンマイル』。『シャイニング』をはじめとして、キング作品は数多く映像化されていますが、じっくりと見たのはこの『グリーンマイル』と『シャイニング』ぐらいかもしれません。数年に渡り読み続けた『ダークタワー』シリーズ。近年映像化されましたが、映画館には行ってません。
夢枕 獏さんの『陰陽師』シリーズ。小説が先で映像は後ですが、伊藤英明さんの源博雅の印象があります。
一方しか触れていないもの
数えだしたらきりがなく、思い出すのにも記憶を頼りにネットで調べなければなりませんが、思い出す代表的なものとして、古くは手塚治虫さん原作の『海のトリトン』。
このアニメを小学生の頃、毎週楽しみに見ておりました。トリトンが持つまばゆい光を放ち、持ち手のエネルギーを消費する「オリハルコン」という短剣。「オリハルコン」なるモノの存在を初めて知り、このオリハルコンについては太陽に憧れる「ヘプタポーダ」が登場する回はとても印象的でした。
(※前述の『百億の昼と千億の夜』にも「オリハルコン」が登場しますが、トリトンで知ったのが先だと思います)
アニメと原作のストーリーの相違があるそうで、いつかは原作を読みたいと思っています。
手塚作品の多くはアニメ化・実写化されていますが、小さい頃にテレビで見た『ワンダー3』『リボンの騎士』『ジャングル大帝』『バンパイヤ』『マグマ大使』『ミクロイドS』『どろろ』『ワンサくん』等等、原作をじっくり読んでいません。
『リボンの騎士』はカラーで見たアニメで、エンディング曲の印象が強く今でも歌えます。
「たらりらった りったらったた~」で始まる「リボンのマーチ」。この曲にのりサファイヤが剣を持ち踊っていたような気がします。登場人物や国名に、宝石や鉱物の名前がついていて、ゴールドランドやシルバーランド、ジュラルミン大公や愛馬はオパールなど。懐かしいです。
剣を持って戦うサファイヤも好きでしたが、ドレス姿のサファイヤをまねて絵を描いていました。あの特徴的な髪形をです。
この『どろろ』のアニメも姉が好きで一緒に見ていました。「とぼけちゃいけねえ、知ってるぜ~」のフレーズが印象的な主題歌も歌えます。
百鬼丸がカッコよくて、今回調べてみたら声優さんは、なんと「野沢那智」さんで声が若い若い!(蛇足ですが、野沢那智さんはジュリアーノ・ジェンマやデヴィッド・マッカラムが演じる『0011 ナポレオン・ソロ』のイリヤ・クレアキンの吹き替えもされています)。
現在、期間限定で手塚プロダクションより当時(1969年)のアニメが配信されています。【公式】どろろ 第1話『百鬼丸の巻・その一』懐かしく見ました。
小学校の時にブームとなった、『仮面ライダー』。同級生の男の子たちが真似して「トゥ!」と言ったり、「ライダーキック!」をしていたり。
『人造人間キカイダー』『イナズマン』『さるとびえっちゃん』など、石ノ森作品もアニメ化実写化されたものが多いですが、原作漫画はあまり読んでいません。『サイボーグ009』すらも、ブラックゴースト編のみでエッダ編は少ししか読んでいません。
手塚作品も石ノ森作品も、京都国際マンガミュージアムに行けばコーナーがあると思います(京都国際マンガミュージアムの所蔵資料を調べたところ、手塚作品は約1500件、石ノ森作品は約600件!)。全巻制覇は無理でも、有名どころは読んでおきたいと思っています。
『新八犬伝(NHKの人形劇)』の原作である南総里見八犬伝は壮大すぎて読めていませんが、ドラマを元にした『新八犬伝』という本があり面白そうなのでいつかは読もうと思っています。
『池袋ウエストゲートパーク』は主演俳優さんのイメージがありますが、ドラマは見ていません。
アニメ化された漫画も多くは原作を全巻読破していませんし、原作の漫画を読んでいてもアニメ化・映像化されたものを見ていないものたくさんあります。
私の好きな『うしおととら』や『からくりサーカス』は漫画のみでアニメは見ていません。
また、小説をドラマ化・映画化されたものも原作しか読んでいないものが数多くあって、思い出すのに時間がかかりますし、映像化されたかどうかも記憶が疑わしい場合が多くあります。
読んでから見るか、見てから読むか、それは問題か?
読んだばかりで印象が新しいものの映像化を見るのは、私の場合は難しいかもしれません。特に小説では、自分の持っていたイメージが塗り変えられてしまうのですから。
読んでから時間が経ち、主人公のイメージが曖昧になってきたものは、なんとなく見るかもしれません。
その反対に、見てから興味を持ち原作を読むのは大歓迎で、そこから新しく作家さんを開拓(?)していく楽しみがあります。
ところが年齢なのでしょうか、読んでから見る場合も、自分のイメージにかかわらず別物として楽しめば、それはそれで世界が広がっていくので、固持するのももったいないと考えるようになり、読んでから見ても、見てから読むのも、面白ければどちらでもいいかなと。
最近、興味深い文章に出会いました。「ブルボン小林」さん(作家の長嶋有さん)のコラムに
「多くの作がアニメ化、映画化で、そっちばかりが浸透している気がする。ページをめくってあげないと炭治郎は微笑まないし、アトムは飛ばない。読み手自身が世界を動かせる漫画という手段でどうぞヒーローたちと出会ってみてほしい。」
(日本経済新聞2022年6月29日夕刊「漫画ヒーロー像の変遷」より)
う~ん。いいですね。『読み手自身が世界を動かす』!これぞ漫画や小説の醍醐味でしょうか。
参考(原作)
・『グリーンマイル』スティーブン・キング 新潮社・小学館
・『シャイニング』スティーブン・キング 文藝春秋
・『ダークタワー』シリーズ スティーブン・キング 角川書店・新潮社
・『陰陽師』シリーズ 夢枕獏 文藝春秋
・『うしおととら』『からくりサーカス』藤田和日郎 小学館
・『新八犬伝』(起・承・転・結)石山透 角川書店
・『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ 石田衣良 文藝春秋
・『手塚治虫漫画全集』講談社
・『石ノ森章太郎萬画大全集』角川書店
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黄緑・緑・青緑
もともと自分のブログ「黄緑・緑・青緑の日々徒然」で、ファッションやアート、まちあるき、狂言、お酒、漫画、産業、等々。脈絡もなく時々の興味のある事や好きな事・モノについて拙い文章ではありますが、ぼちぼちと書いています。ハルメクWEBでも、好奇心の向くままに書いていきたいと思っています。インスタグラム
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