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- 小ぎれで作る貝の置物
ことさらに厳しい今年(2022年)の冬、決まって私の身の上に律儀に現れること。手足にひどいひび、あかぎれが年明けの1月中旬から始まります。そんな冬は家の中で暖かくなる日を待ちつつ、痛い手ながら針仕事をしています。
『ハルメク』の雑誌で見たはまぐりの置物は母の思い出
ひびやあかぎれは、だんだんとひどくなり3月まで続きます。手先を使う細かいことや歩く時の足の痛さは、ここ5年くらいの定番症状です。皮膚科の先生には、血液循環障害と言われています。
痛い手ながら針仕事をしていたそんな時、雑誌『ハルメク』の2021年12月号に「いろいろなサイズで作りたいはまぐりの置物」の記事を見つけました。作り方がイラストで、ていねいに書かれていました。
母は繕い物などのために小ぎれをためていて、その中から貝のくるみに合う布を見つけてはこの置物を作っていました。が、その完成品を見ても作り方は一度も母に聞いたことがありませんでした。聞けば得意になり、教えてくれたかもしれません。
母はいくつも作っていましたが、今私の手元にはたった3個しか残っていません。久しぶりに小箱にしまってあったものを取り出してみました。
繕い物がとても上手な母
母のみならず、昔の女性は着る物をとても大事にしていたためか、衣類にほころびや穴を見つけたら即座に繕い、永くていねいに着ていました。今や大量生産・大量消費の時代。今の人からは繕うって何って聞かれそうです。昔育ちの母にとって、衣類を捨てることは頭の隅にもなかったでしょう。
そんな時代の人なので、いつも針箱をそばにおき、繕い物をしていました。娘の私はほころびを見つけても数日はそのままの状態でしたが、いつの間にかきれいに繕ってあるという、今思えばありがたいことでした。
桑名のうどん店で頂いた大きい貝
そんな時友人から、三重県桑名市に本店のあるうどん店の老舗「歌行燈(うたあんどん)」に行こうと誘われ、小雨降る寒い日でしたが、車で我が家から1時間程度のお店にお出かけしました。
ランチメニューは白魚のかき揚げの卵とじが、うどんの上にかけてあるものでした。
その時、うどん屋さんではあるが、桑名名物のはまぐりを使ったものもあるはずと思い、「はまぐりの殻があったら頂けませんか?」とお店の方にお願いしました。
お店の方から、3組の大きい貝を頂きました。頭に描いていた小さいものではなかったのですが、私の何に使うかなどの説明がなかったため、大きい立派なものをと下さったのでしょう。
家に持ち帰り考えた末、大きめのペーパーウェイトならばいいかなと思い、この手のひびあかぎれと付き合いながら作ってみようと、小ぎれを探しています。
帰り道、東海道53次の桑名にある「七里の渡し(しちりのわたし)」は小雨にけむっていました。ここから海路で名古屋の熱田区にある宮宿までは渡し舟で七里あったことから、こう呼ばれていました。
一年間私の記事をお読みくださった方に、長い間ありがとうございました。少しでもお役に立てたことがあれば幸いです。
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