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- ローマ時代の遺跡がそのままに残る街、スプリット
いろいろな国へ旅するのが大好きで、2019年の年末にバルカン半島を巡る10日間のツアーに一人で参加した翠さん。今回は、古代と現代が混ざり合うクロアチアの街「スプリット」の旅のレポートです。この街の魅力とは何だったのでしょうか?
遺跡を訪れ、ローマ時代にタイムスリップしたかのよう
東ヨーロッパの南側、アドリア海に沿うように細長くリゾート地が点在するクロアチア。そのリゾート島への拠点となるのが、クロアチア第二の都市、スプリットです。今回は、2019年の年末に訪れたスプリットについてお伝えします。
スプリットは古代ローマ皇帝の宮殿跡に築かれた歴史ある街で、遺跡を保存しながら人々は暮らしており、「遺跡の中に人が暮らす街」とも呼ばれています。
対岸に夕日が沈みゆく頃、クリスマスマーケットの明りが輝き出しました。騒ぐことなく静かにクリスマスを楽しむ人々の姿を微笑ましく眺めました。
ゆっくり歩きながら海辺を離れて遺跡のゲートから街の中に入ると、もうそこにはローマ時代を彷彿とさせる光景が広がっていました。
辺りに見とれながら、夢見心地で、夢中になる私。実に弱いのだ、こんな時空を楽しめる空間に。ローマ時代に引きずり込まれたような気持ちになって歩き回りました。
上の写真の右端の石段に腰かけて約2時間、私は日が暮れる中をただただ座り続けました。もう心はローマ時代の市民のようでした。
日が暮れて辺りが真っ暗になり、ライトアップされた遺跡も色を変えてきました。その時間の移り変わりも、気温が下がってきたこともわかっていましたが、その場を離れることができませんでした。なんと素晴らしい歴史の流れの中にいられることかと、幸せを感じていました。だから旅はやめられない。見知らぬ街の魅力はこういうところにあるのです。
去りがたく、夜まで街を歩き回りました
スプリットの街はすべてが遺跡の中にあり、ローマ時代の石造りの遺跡を利用して住居にしています。この環境の中で住めることが何ともうらやましい。
さあ、そろそろ集合時間だ、急がなければ。歩き回っているうちにすっかり体が冷え切っていました。
何度も、何度も遺跡を振り返りながらバス停に向かいました。もう一度来ることができるだろうか……。どこか懐かしく、心が切なくなるような、必ずもう一度訪れたいと思うスプリットの街でした。
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