落語自由自在27

オンライン落語会を初体験~第1回文蔵組落語会~

公開日:2020.05.14

落語が大好きなさいとうさんの落語体験記。落語を聞いて笑うことが、さいとうさんにとって元気の源なのだそう。今回は新型コロナウイルスの影響で、インターネットでのライブ配信となった寄席を体験しました。

@misuteriasu15 twitterより
@misuteriasu15 twitterより

2000円を払ってオンラインの寄席を体験!

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ついに都内の寄席は、5月6日まで全館休館となりました。ホール落語も中止や延期の憂き目にあっております。

そんな折、Twitterに『有料オンライン:第1回文蔵組落語会』の告知がありました。組員限定のイベントですが、時節柄オンライン無観客落語会です。「組員は無料、文蔵組のPRも兼ねてシャバの方は2000円で配信、あなたも構成員になりませんか?」というお誘いもありました。

こんなときにどさくさに紛れて構成員になり、ちゃっかり無料で観るのはあんまりだと思い、〔チケットを申し込む〕をクリックし、購入しました。

ゲストは三遊亭兼好師匠。4月4日に【兼好一番・三遊亭兼好独演会】に行く予定でしたが、中止になってしまいましたので、オンラインで視聴できるのはありがたいと思いました。

 

橘家文蔵師匠は、どんな人?

@misuteriasu15 twitterより
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開演まで少しお時間がありますので、ここで組長?橘家文蔵師匠のご紹介を致します。

1986年に二代目橘家文蔵に入門、前座名はかな文で90年二つ目に昇進、文吾と改名し2001年真打昇進。文左衛門と改名し、2004年彩の国落語大賞殊勲賞受賞、2016年三代目橘家文蔵を襲名する。

がっしりとした体格とドスの効いた威勢の良い口調で、豪快な乱暴者キャラを見事に演じます。2003年から「BS笑点」に出演、強面キャラを発揮し、楽屋の模範囚として人気を集めました。入船亭扇辰・柳家小せんと「三K辰文舎(さんけいしんぶんしゃ)」というユニットを結成し、落語&音楽ライブで活躍しています。

ちなみに翌日は、特別企画【三K辰文舎in渋谷らくご】有料オンライン生配信がありますので、その模様はまた詳しくレポート致します。

19:00 いよいよ開演です。今夜はスマホで視聴しますので、映像と音声に不安がありますが、配信する方も初めてなので「なんなりと仰ってください」とのことですので、終演後なんなりと言おうと思っています(笑)

 

オープニングトーク

@misuteriasu15 twitterより
@misuteriasu15 twitterより

スカジャンにお面をかぶった文蔵組長登場、兼好師匠は普段から和服なので今夜も着流しです。

案の定、活舌の良い噺家二人をもってしても、インターネットの通信の関係で、声が聞き取りにくいです。これ失敗かも? 2000円払ってこれはいただけないと思いつつも、耳を澄まします。

「ドン・キホーテでマスクを売っていると言うので、買いに行ったらこれでした」と文蔵師がお面を外して見せます。「これ被ったら、みんな近づかないので、コロナ対策に持ってこい」と言っています。
どうやらマイクの位置が悪いようです。このまま落語になったら嫌だなと思いつつもじっと我慢し、聞き入りました。終演後に、聞きづらかったと報告しましょう。

 

「からぬけ」 橘家文太

開口一番は、文蔵師匠のお弟子さんで、2月に二ツ目に昇進した文太さんでした。声がしっかり聞こえます。これまで見ていたYouTube等の映像と違ってきれいです。これなら納得です。

「からぬけ」は本来は「穴子でからぬけ」ですが、略して「からぬけ」と言うこともあります。与太郎をバカだと思っていると、足元をすくわれるという話です。源さんが与太郎にからかわれる部分に笑いが起きます。スマホの小さな画面に、もう釘付けでした。

 

「崇徳院」 三遊亭兼好

@misuteriasu15 twitterより
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「コロナで仕事が飛んでしまい、今日は久々の落語です」と、いつもの兼好節が始まりました。「見事に全部仕事はなくなりまして」と聞くと、チケット代を払って、少しでもお役に立ててよかったとしみじみ思いました。それにしてもこの高座がある狭い空間は一体どこ?と考える間もなく、画面に引き込まれていきます。

「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の 割れても末に逢わんとぞ思ふ」の崇徳院の歌を手掛かりに、若旦那のために江戸中を歩き廻る熊さんの奮闘ぶりを、面白おかしく描きます。熊さんとおかみさんのやり取りに大笑いし、ついに床屋で尋ね人に出合います。

そしてお互いの店に来いと、もみ合っているうちに、床屋の鏡を割ってしまいます。「どうしてくれるんだい」と言う床屋に「なに心配いらねえ、割れても末に買わんとぞ思う」お馴染のサゲに、思わず拍手をしてしまいました。

 

「子別れ(下)」 橘家文蔵

文蔵師匠の「子別れ」(別名「子は鎹」)を聞くのは初めてです。今夜の演目は「転宅」とか「寝床」と勝手に予想していましたので、意外でした。文蔵師匠演ずる熊五郎は、そのイカツイキャラにぴったりで、ひたすらカッコいいです。子どもの亀吉はどこまでも素直でかわいいし、別れた女房のお徳(亀吉の母)の、真面目な働き者ぶりを見事に演じ分けていました。途中なぜか、じわっと涙が滲みました。

オープニングトークは聞こえにくかったですが、落語の部分は充分楽しめましたので、その旨を伝えようとTwitterを開いたら、もうすでにそう発言している方々がいました。私だけでなくみなさんそうだったのですね。

これからの落語は、平時で観客入りでも、有料生配信になる予感がしました。


 

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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