落語会体験記

落語自由自在14 ~板橋名人寄席~

さいとうひろこ
2019/10/02 3

落語が大好きなさいとうさんの落語体験記をお届けします。今回は、7月に開催された「板橋名人寄席」。今回も臨場感たっぷりのレポートです。

落語会体験記
【目次】
  1. 期待膨らむ4派の競演
  2. 「稲川」 桂 夏丸 (落語芸術協会)
  3. 「片棒・改」 立川談笑 (落語立川流)
  4. 「夏泥」 三遊亭兼好 (五代目圓楽一門会)
  5. 「品川心中」 柳家喬太郎 (落語協会)

期待膨らむ4派の競演

落語四派・元年夏のえりぬき落語会「板橋名人寄席」に行ってきました。東京には 落語協会・落語芸術協会・五代目圓楽一門会・落語立川流の4派があります。普段は中々そろう事はないのですが、たまに顔を合わせると、それぞれが意識して競い合いますので、ことさら楽しい会となります。今日もそれを期待して開演を待ちます。

「稲川」 桂 夏丸 (落語芸術協会)

「芸協の代表は僕でいいの?」といきなり笑わせます。

「よく歌丸師匠のお弟子さんですか? って聞かれますが、残念ながら違うんです。幸いの丸と書く幸丸(ゆきまる)の弟子です。その大師匠が桂米丸です。現在噺家は東西合わせて900名程いますが、4月12日に94才になり、何と最高齢です」。会場からため息がもれます。子どもの頃から聞いていた米丸師匠が、今もお元気でご活躍されていているのですから、皆さん驚くやら嬉しいやらです。

「お相撲が好きで両国に住んでいます」と言ってから相撲取りの噺「稲川」に入ります。

これは元力士だった歌武蔵師匠がお得意で、何度も聞いている噺ですが、途中近所に相撲部屋があり、大関と横綱と真打が住んでいます、とストーリーから外れて町内の話をしたり、突如歌を歌い出して会場を戸惑わせます。中々筋に戻らず、脱線ばかりの「稲川」でした。

「片棒・改」 立川談笑 (落語立川流)

「片棒・改」 立川談笑

「オリンピックのチケット当たった方います?」

場内を見渡すと、チラホラ手があがります。「いるんですねぇ。」ため息をついてから「私は見事に、全部外れました。」おもむろに腕を組み「あのやり方も、下手ですよね。利口な人の集まりだと思っていましたが、利口な人が集まると、バカになってしまうんでしょうか?  ねぇ」で大爆笑。

「赤西屋けちべい」と言ったので、「片棒」だと分かりました。「どのくらいケチかって? 立川談志くらい」と言ってさらに笑いをとります。いきなりミッキーマウスが登場したり、ハチャメチャな「片棒」でした。終演後の演目に「片棒・改」となっていたのもうなずけました。

「夏泥」 三遊亭兼好 (五代目圓楽一門会)

「前半をご覧になってお分かりですね。芸協は変な奴です。立川流は悪い奴」。わぁっと笑いが起きます。「圓楽一門と協会はまともです」に大拍手です。

「元スリだった人が、エステティシャンになると手先が器用なだけに、上手でしょうねぇ」「よかったわ。今までお願いした中で一番よ。また、指名させていただくわね」「ありがとうございます」「おいくらかしら?」「あっ、もう頂きました」

場内われんばかりの拍手と笑いが起きます。
 
「夏泥」は橘家文蔵師匠のものが迫力満点で楽しいのですが、兼好師匠の泥棒は、如何にも人が良くて、また違った味で面白かったです。戸をあけるシーンの描写が丁寧で、息詰まる感じがよく描かれていて、思わず泥棒の気持ちになってしまいました。

「品川心中」 柳家喬太郎 (落語協会)

「品川心中」 柳家喬太郎 

「梅雨らしい鬱陶しい毎日です。こんな時は、大勢の前で一席やろうなんて気には、とてもなれません」。笑いが弾けます。

「それにしても平成最後のって言葉、飽きる程聞きましたね。本来ならそんな事言えないはずですよ。昭和最後なんて言ったら、あの時はえらい事でした。天皇陛下が病で苦しんでいる最中でしたからね。つまり今回は生前贈与だから、明るく言えたんですよ。木久扇師匠が木久蔵の名を息子にあげましたね。あれと同じです」

場内、シーン。「あれ、例が悪かったかな? 皆さん納得していませんね。違いましたね。例が悪かったです」。師匠、静まり返った場内を見渡してから「品川心中」に入ります。喬太郎師匠が演ずるこの噺は3回目ですが、いつも前半で終わってしまい、最後まで聞いたことがありません。今日こそおしまいまでと思い時計を見たら、もうすでに持ち時間が15分を切っています。これは無理かな? 無理でした。3度目の正直はならず、またもや前半でお時間となりました。

四派四様、予想通り弾けて楽しい会でした。

さいとうひろこ

東京都 /69歳
東京都 /69歳

趣味は落語鑑賞・気功・テレビ体操・読書・トールペイント・美術館めぐり等。健康は食事からがモットーで「AGEフード・コーディネーター」の資格を取得、老化や病気の原因となるAGEを溜めない食事の仕方や調理の仕方をご紹介します。また、これから落語を楽しみたい方のためにその魅力もご案内します。

この記事が気に入ったら「いいね!」ボタンを押してください。 

編集部へのご意見はこちら

ハルメクWEBメールマガジンを受け取る

更新された記事や最新のプレゼント情報、50代以上の女性のための情報が手に入ります。

※メールの送信をもって、「個人情報保護について」に同意したとみなします。

※受信制限をしている人は、info@halmek.co.jpからのメールを受け取れるようにしてください。

ハルメク halmek

ページ先頭へ