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公開日:2025年02月19日
ようこそ読書の森へ(17)
山本甲士(やまもとこうし)さんの、ひなたシリーズ第一弾『ひなた弁当』をご紹介致します。勤めていた住宅販売会社の業績悪化で、出向命令という名のリストラにあった芦溝良郎の物語です。
真面目に働いてきた課長補佐の良郎は50歳を目前にして、上司に騙されて突然の退社。会社が紹介したのは人材派遣会社で、再就職先とは名ばかり、きつい仕事で持病の腰痛が悪化。それでも家族には会社に行っているふりをしながら、毎日スーツ姿で夕刻まで彷徨っていました。
途方にくれている主人公の姿に、息が詰まりそうになる序盤、もしもこんな目に合ったら、私は果たして耐えられるだろうかと思いました。
そんな悲惨な状況に苦しんでいる主人公に、感情移入し胸が苦しくなりましたが、公園で目にしたどんぐりがヒントとなり、人生の逆転劇が始まります。
野草を摘んだり、川釣りをしたり、パッとしなかったサラリーマンが、実に楽しそうにイキイキとし始めるのです。サラリーマン生活が終わっても、人生が終わったわけではない。好きな事、得意な事をしているうちに、潜在能力が開花、物語が動き出します。
自分が拾い集めた野草や、釣った魚を料理し、家族に食べさせるシーンは、胸が熱くなりました。
やがて自分で調達した野草や魚で、弁当屋を始めたいと思うようになります。
自然な食材を集めて作ったお弁当、食べてみたくなりました。近くならきっと、私はここの常連になったと思います。
「人生捨てたもんじゃない」と思わせてくれる本でした。
1963年滋賀県大津市生まれ
1996年『ノーペイン、ノーゲイン』が第16回横溝正史ミステリ大賞優秀作受賞で作家デビュー
2004年山本ひろしの名で書いた『君だけの物語』で第13回小川未明文学賞優秀賞受賞
2005年『心理捜査』で第1回チュンソフト小説大賞金賞受賞
2014年『ひかりの魔女』
2019年『ひかりの魔女にゅうめんの巻』
2020年『光の魔女さっちゃんの巻』
2009年『ひなた弁当』
2018年『がんこスーパー』→2020年『ひなたストア』に改題
2022年『民宿ひなた屋』
2024年『ひなた商店街』
その他著書多数。
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