大人の塗り絵で認知症予防!「マンダラ塗り絵」とは?
2021.12.14
公開日:2025年02月01日
土に触れる楽しみ方
認知症でも楽しめる!80代90代、世界に一つの手作り器のお手伝い
知人の紹介で、市内にある認知症の方が入居するグループホームで陶芸教室を開きました。大丈夫かなと心配する私の予想を遥かに越えた、楽しい時間が!
誰にでも優しい陶芸教室
陶芸というと、電動ろくろでグチャッと失敗する姿を思い浮かべる人が多いことでしょう。しかし、土を伸ばして型にはめるだけの簡単なやり方で、自分だけの世界にたった一つの器を作ることができます。
2024年10月、ある高齢者グループホームの館長さんから相談を受け、陶芸教室を開催しました。
丸い形に土を広げる
80代から90代までの男性2名、女性16名が生徒さん。皆さん認知症を患い、グループホームで生活をしています。
まん丸の土をハンバーグのように左右の手にパンパンと飛ばし平たくしたら、手ぬぐいの上に置き、伸ばし棒で伸ばします。
まん丸が少し歪な円になる人、見事な楕円に変わる人、花びらのようになる人とさまざま。
板を使って5mmまで延ばし、型に乗せ器のかたちに。底裏には自分の名前を彫って頂きました。少しだけ固くなったら、型から外して好きな花の型を押し、この日の作業は終了です。
自由に色を付ける
型を取ってから2週間後、素焼きした器を持って再びグループホームへ。
水で溶いた9色の陶芸用絵の具を小皿に出して、スポンジでトントンと色を付けていきます。
型取った花の形に色を付ける人、好きな色だけどんどん重ねていく人、縁や外側までこだわる人、ものすごく真剣な人。
「ピンクちょうだい!」「私は黄色が好き」「葉っぱもつけなくちゃ」などとおしゃべりしながら、それぞれ色を付けました。
皆さんの見ている前で、施釉を館長さんにお願いし、一枚一枚丁寧に釉薬を掛けた状態で預かりました。
作ったことを忘れていても
預かった器を1240度で本焼き。18枚すべて失敗なく無事完成です。
安全に使えるように、ヤスリをかけてザラつきを取り、ホームへとお届けに上がりました。
ひとりひとりに器を手渡すと「ステキ!」「きれいね!」「もらえるの?」と、既にご自身で作ったことは忘れています。それでも「自分で作ったんですよ、きれいでしょ」と伝えると、うれしそうに「そうなんだ、私すごいね」と。
後日、館長さんから連絡がありました。ある日曜日、ご自身で作った世界にたった一つの器にお刺身を盛り付け、お刺身パーティーをされたそうです。
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