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- 実家の断捨離 その3~パンドラの箱を開けてみた
母が長期入院している間に、軽い気持ちで始めた実家の断捨離。目に見えて結果が出ると「自分でもできる!」という達成感が得られることを、写真を片付けた時に実感しました。さあ次は何を片付けようか? そして最終的に自分で得た答えとは。
パンドラの箱はなくならない
キッチンや写真の整理が一段落ついて、さあ次は何を片付けようか?
クローゼットの扉に何度も手をかけてはみたものの、なかなかそこを開ける勇気と気力がありません。
それならば、一か所ずつ空っぽにしていこう。そういう視点で家の中を見てみると、いきなりクローゼットを開けなくても、引き出し一つ、棚一段……と最小単位の未開のパンドラの箱がたくさんあることに気が付きます。
今回は、そのうちのいくつかをご紹介します。
その1:本
この数年、もっぱら本は電子書籍で読んでいます。ですから今回処分するのはかなり古い本です。
古本屋さんに持っていくか、宅配で買い取りを行ってくれる業者へ送るか、地元の図書館に寄贈するなどの思いつく方法を調べてみましたが、ガソリン代を払って自力で運ぶ意味は見いだせず……。
そもそも古い本なので買取価格も雀の涙より少なそうだし、図書館はコロナ禍以降寄贈を受け付けていないということがわかり。
本が詰められた段ボールの山は部屋の隅に追いやられましたが、母が通院している大学病院に入院患者さん用の図書室があり、そこを尋ねてみると個人からの寄贈を受け付けてくださることがわかりました。
すでに段ボールに詰めたものは宅急便で送り、梱包していなかった分については、外来のたびに数冊ずつ図書室にお届けしています。
その2:テレフォンカード
引き出しの中から発掘されたものの中に、テレフォンカードの束がありました。
電話料金をテレフォンカードで支払うことができるとのことですが、基本料金には使えないし、1枚につき52.5円の手数料がかかるので、納得感を得ることができずにいたところ……。
新聞に買い取り業者の広告があり、そこにテレフォンカード買取キャンペーンの文字を見つけました。とりあえず50枚だけ持っていったところ、全て買い取ってもらうことができました。
その3:洋服
最大の難関はクローゼットです。
断捨離しなければ……と頭では考えていても、クローゼットを開けた瞬間、やはり私はあの母のDNAを引き継いでいるのだなとつくづく思います。
買ったときの値段が頭をよぎり、いつかは絶対に来ないとわかっていながら、私はいつかまた着る! と信じて捨てられない服・服・服。
一度も履いていない靴、リサイクルショップに持っていったのに、引き取ってもらえなかった服・服・服!
数枚ずつ可燃ごみに出しても、クローゼットには全然変化が見られません。このままではいつまでたっても服がなくならない。
一挙になくす方法はないものかと考え、以前から気になっていた“古着でワクチン”に申し込みました。
結果としてわかったことは、キット1袋分では我が家のクローゼットは変わらない。
でも“捨てる”という行為によって生み出される、物を無駄にしているという罪悪感は、わざわざキットを購入しているということと、服が再利用されるということがエクスキューズとなって、薄まることに気づきました。
処分すること≠捨てること
我が家の断捨離はまだ始まったばかりですが、始めてみてわかったことが一つあります。
それは「処分する」と「捨てる」は同じではないということを、自分の中で納得できるかという点です。
その品物に対する思いや持ち主にとっての価値を慮り、自分自身の中に落とし込んで納得した上で次のアクションに進むことは、ためらいなくごみ箱にポイッと投げ入れる(=捨てる)ことではないということです。
無駄にごみを出しているわけではなく、誰かのために使われる、自分のお小遣いとなって戻ってくるという、「次」があることが大切なのだと感じました。
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