大人の“ととのう”温泉グルメ紀行 Vol.7 後編

五感がひらく旅!界 ポロトの夜と「ウポポイ」で触れる文化体験

五感がひらく旅!界 ポロトの夜と「ウポポイ」で触れる文化体験

更新日:2025年10月25日

公開日:2025年10月16日

五感がひらく旅!界 ポロトの夜と「ウポポイ」で触れる文化体験

北海道・白老町の湖畔にたたずむ「界 ポロト」の一泊二日の一人旅。夕食の後の更けゆく時間は、ここならではの味わい深い魅力がたくさんありました。隣接「ウポポイ」の魅力もご案内します。

※記事末尾で、「界 ポロト」ペア宿泊券が当たるプレゼントをご案内しています。ぜひ最後までご覧ください。
滞在レポ前編はこちら

宵には焚火を囲んでほろ酔いのひととき

宵には焚火を囲んでほろ酔いのひととき

夕食を終え、一息ついたら「コタンの宵の集い」へ!

コタンとは、アイヌ語で「集落(村)」の意味。火のカムイ(神)を囲んで、アイヌ民族の精神性について教えてもらいながら、静かな夜の時間を過ごせるバータイムです。

スタッフの方が北海道産のお酒を一つ一つ紹介し、心を込めた一杯を作ってくれる

スタッフの方が北海道産のお酒を一つ一つ紹介し、心を込めた一杯を作ってくれます。

筆者がいただいたのは「マルスウイスキー岳樺(だけかんば)」。北海道の老舗企業・国分北海道と、鹿児島の本坊酒造が共同開発したウイスキーです。岳樺とは、北海道に生息する木の名前なのだそうです。

口に含むと、まさにウッディな印象。その後、フルーツやはちみつを思わせる甘みが続きます。北海道の美しい自然を感じさせる、豊かな味わいでした。

宵の集いではアイヌ語で「ヒンナ(感謝)」という言葉を教えてもらいました。お酒を造った人、白老という場所、そしてこの素晴らしい時間を過ごせることへの感謝を胸に過ごす静かな時間は、忘れがたいものとなりました。

ゆらゆら揺れるスインググラスでいただく「岳樺」。ソーダで飲んでしまいましたが、トワイスアップがおすすめだそう
ゆらゆら揺れるスインググラスでいただく「岳樺」。ソーダで飲んでしまいましたが、トワイスアップがおすすめだそう
おいしさが忘れられず帰りの新千歳空港で購入!スモーキーな味わいが、どこか「ボウモア」を思わせます(個人の感想です)
おいしさが忘れられず帰りの新千歳空港で購入!スモーキーな味わいが、どこか「ボウモア」を思わせます(個人の感想です)

もう一度温泉へ…洞窟の中のような「〇湯」

もう一度温泉へ…洞窟の中のような「〇湯」

酔いをしっかり覚ましたら、もう一つの大浴場「〇湯(まるのゆ)」へ。

△湯(※前編参照)が湖に開かれた「とんがり湯小屋」なのに対して、〇湯はまるで洞窟の中にいるかのような空間です。

天井がドーム型になっており、てっぺん部分の丸い穴から薄明りが差し込みます。

天井がドーム型になっており、てっぺん部分の丸い穴から薄明りが差し込みます。

水面に映る黄色い光は大きな月のよう。

開放的な△湯とは対照的に、〇湯は神秘的で静かな空間。湖や森と一体になる時間とはまた違って、自分と向き合う落ち着いた時間を過ごせました。

湖畔の朝…カワセミと一緒にいただく和定食

湖畔の朝…カワセミと一緒にいただく和定食

朝食は、界 ポロトならではの和食膳。

看板メニューは「鮭とじゃがいものすり流し鍋」。やさしい口当たりのスープに鮭つみれや野菜を加えて煮込み、味噌汁代わりにいただきます。体の内側からじんわりと温まっていきます。

窓の外には緑と湖が広がり、すがすがしい朝の景色。ふと目をやるとカワセミが枝に止まっていて、その一瞬の鮮やかさも旅の思い出になりました。

食事処、半個室の仕切り。小さな穴から朝日が差し込んでキラキラしていました
食事処、半個室の仕切り。小さな穴から朝日が差し込んでキラキラしていました

チェックアウトして、アイヌ文化発信の拠点「ウポポイ」へ

朝食を終え館内でしばし寛いだら、名残惜しい気持ちで界 ポロトをチェックアウト。初日から気になっていた、すぐ隣の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」へ向かいます。

「ウポポイ」とは、アイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」という意味。アイヌ文化の復興・創造等の拠点となる施設です。

かやぶきのチセ(家屋)が並ぶ「伝統的コタン」

「伝統的コタン」の中の様子

園内はとても広く、さまざまな体験型施設があります。その中でも、かやぶきのチセ(家屋)が並ぶ「伝統的コタン」は、かつての生活空間を肌で感じることができました。

ムックリ(口琴)の演奏

熊送りの踊り「イヨマンテ リㇺセ」

続いて屋外ステージで行われる「ウパㇱクマ」公演へ。ムックリ(口琴)の演奏や、熊の霊送りの踊り「イヨマンテ リㇺセ」などを見学。力強さと美しさを併せ持つ歌声に胸を揺さぶられ、思わず涙がこぼれます。界 ポロト滞在中に耳にした遠い歌声は、きっとこの響きだったのでしょう。

国立アイヌ民族博物館

さらに「国立アイヌ民族博物館」では、「ことば」「世界」「くらし」「歴史」「しごと」「交流」といったテーマを、アイヌ民族の視点で紹介する展示を見学。人類が日本列島に来て以降の歩みから、アイヌ民族の歴史や文化を包括的に学ぶことができました。

沖縄出身の筆者にとって、その歴史は特に胸に迫るものがありました。一方で、文化を未来へ語り継ごうとする人々の姿に、大きな勇気をもらう時間となりました。

「ウポポイ(民族共生象徴空間)」ステージ写真

五感を研ぎ澄ませたい大人のあなたにおすすめ

モール温泉のとろみ、雄大なポロト湖の眺め、焚き火の炎の揺らぎ、北海道の恵みを生かした料理、そして文化に触れる体験……すべてが感覚を研ぎ澄ませ、記憶に深く残る旅となりました。
ただ癒やされるだけでなく、旅先で自分の感覚を開きたい——そんな大人のあなたにおすすめのリトリートです。 

今回宿泊した温泉宿はこちら:界 ポロト

北海道にある「界 ポロト」は、湖にせり出したように設計されたとんがり屋根の湯小屋が特徴的な温泉宿。世界的にも珍しい「モール温泉」が楽しめます。

「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。より気軽に4泊の旅から始められる「冬限定 界の定期券」も発売中。

▼界 ポロト  住所:北海道白老郡白老町若草町1-1018-94

取材・文=島仲こすも(HALMEK up編集部)


「界 ポロト」ペア宿泊(1泊2食付き)1組2名様

「界 ポロト」ペア宿泊券(1泊2日)を、1組2名様にプレゼントします。(有効期限:2026年2月1日~2026年7月末日)※宿泊券の発送は2026年1月初旬になります。
>>詳しくはこちら

「界 ポロト」ってどんなところ?滞在レポ公開中

HALMEK up編集部
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