絶景温泉と贅沢空間で50代の心と体をそっとリセット
「界 箱根」で“何もしない旅”をしてみた! 川の音にほどけるご褒美オトナ旅
「界 箱根」で“何もしない旅”をしてみた! 川の音にほどけるご褒美オトナ旅
公開日:2025年12月18日
「観光したい」じゃなくて「とにかく休みたい」日に
正直に言うと、今回の旅は「観光したい!」というワクワクよりも、 「一泊でいいから、心の底からゆっくりしたい」に近い気持ちでした。
仕事の課題、親の体調、子どもの進路……。楽しいことも多いけれど、気を抜くタイミングがなかなかない50代。
そんなときに選んだのが「界 箱根」。箱根湯本駅から車で約7分、須雲川の上流にひっそりとたたずむ温泉旅館です。
ガラス張りのロビーから見えるのは、川と山の緑だけ。 「今日の主役は観光じゃなくて、この景色なんだな」とすぐにわかる、静かな佇まい。
中庭の「さわ茶屋」で感じた“休んでもいい”の合図
チェックイン後に案内されたのは、中庭にある小さな茶屋「さわ茶屋」。
かつて箱根路を行き交う旅人が立ち寄った茶屋に着想を得たスペースで、スタッフの方が“茶屋の主人”になってお茶やお団子を振る舞ってくれます。夕方になると、ハーブティーやお酒も出るそう。
名前の「さわ」には、この3つの意味が込められているんだとか。
- 宿のそばを流れる“沢”
- 木々が揺れる“さわさわ”という音
- おしゃべりを楽しむ“茶話(さわ)”
体に温かいお茶がすっと入っていく感覚と、川と木の音だけが聞こえる静けさ。
「あ、今日はもう、がんばらなくていいんだ」と、やっと自分に言ってあげられた瞬間でした。
マイナスイオンもたっぷり浴びられる、このさわ茶屋、チェックイン直後・夕食後・大浴場利用後と、気付けば何度も通ってしまいました……。。居心地が良すぎて、立ち上がるタイミングを失いがちな“危険な場所”です(笑)!
約110平米のスイートは「一緒にいても疲れない距離感」
今回泊まったのは、一番広い2ベッドルームタイプの「箱根ごこちスイート」。約110平米というゆとりある造りで、「大人4人でも、互いに気を使いすぎずに過ごせるように」と考えられた間取りです。
リビングは、窓側に一段下がったソファスペース、その奥にデスク&チェアのエリアという二層構造。ソファでまったりくつろぐ人と、デスクで仕事や読書をする人がいても、お互いの気配を感じながら、でも邪魔にならない絶妙な距離感です。
こだわりを感じたのは、随所に散りばめられた「寄木細工」などの箱根らしさや、照明まわり。 間接照明中心なのでまぶしすぎず、寄木細工が作る優しい和の雰囲気。ホッとできる空間です。
そして何よりうれしいのが、寝室が2部屋きちんと分かれていること。 ドアで仕切られたベッドルームが2つあるので、
- 子ども家族+その両親(祖父母)という“2家族”での旅行
- 友人同士2人+それぞれの中高生の子ども、など
組み合わせ次第で、いろいろな「大人の集まり」に対応できます。
「同じ部屋だと、さすがに気を使って疲れちゃうよね」という心配が、ぐっと減る間取り。
リビングで一緒におしゃべりしつつ、眠るときはそれぞれの部屋に引き上げられるこの距離感は、50代にとってかなりストレスフリーでした!
部屋の露天風呂で味わう、プライベートな湯治時間
スイートのもう一つの特長は、客室に備え付けの露天風呂と、その隣にある坪庭付きの湯上がりスペース「石の間」。
湯船でしっかり温まったら、隣の石の間へ。飲み物を飲んで涼んでから、また湯船に戻る……この「温まる→冷ます」を、自分のペースで何度でも繰り返せます。
大浴場に行く元気がない夜も、部屋の中だけで“小さな湯治”が完結するのは、体力に自信がなくなってきた世代にはありがたいポイント。
“みんなで旅をしているのに、無理にテンションを合わせなくていい”というのは、オトナの旅には大きな救いだなと感じました!
窓のない半露天風呂で味わう「モミジの眺め」
もちろん、大浴場も外せません!
ここのお風呂の大きな特長は、ガラス窓がない半露天スタイルだということ。湯船の前には大きなモミジの木が一本、どんと構えています。趣深い“借景”です。
窓越しに景色を眺めるのと違って、湯気の向こうに、モミジの枝ぶりと空がそのまま広がっていて、風が吹くと葉擦れが心地よく伝わってきます。
モミジがキャンバスのように季節を映し出し、それを湯船の中から眺める感覚です。新緑、紅葉、雪景色…どの時期に来ても、違う絵を見せてくれそうでした。
お湯は箱根湯本温泉のナトリウム‐塩化物泉。肌の表面を塩分が包み込むので湯冷めしにくく、湯上がりの肌もしっとり。冷えや乾燥が気になる更年期世代には、心強い泉質です。
「窓がない」というと寒さが心配になるかもしれませんが、屋根や壁で風はある程度さえぎられているので、“外の気配を感じつつ、ちゃんと守られている”ちょうどいい塩梅でした。
半個室の「明治の牛鍋会席」で、お腹も幸せ!
夕食は半個室スタイルの食事処でいただきます。
最初に運ばれてきたのは、旅人が持ち物を運んだ「挟み箱」を模した木箱。蓋を開けると、箱根峠で親しまれた甘酒を使った冷製スープ「甘酒ヴィシソワーズ」と、小さな八寸が並んでいて、「旅の始まり」を物語で見せてくれるような一皿です。
メインは「明治の牛鍋」。厚切りの牛肉をお味噌で仕立てた、文明開化期の洋風文化をイメージした鍋料理です。
すき焼きほど甘ったるくなく、しゃぶしゃぶほど軽くもない、 “今日はちゃんとごちそうを食べたかった”という日にぴったりの逸品。
「たくさん食べられなくなってきたけれど、ちゃんと満足はしたい」そんなオトナの胃袋に、ちょうどいい塩梅でした!
寄木細工の「ずく引き」体験で「大人の自由研究」
この宿のお楽しみは、箱根らしさ満載なご当地楽「寄木細工のずく引き体験」!
複数の木を寄せて作った「種木」をカンナで薄く削ると、寄木細工特有の幾何学模様がすっと現れます。
木の香り、削るときの手ごたえ、手のひらに残る温もり。 頭ばかり使っていた日々から、久しぶりに“手を動かす感覚”を思い出させてくれました。
削り出した「ずく」はフォトフレームにして持ち帰ることができ、帰宅後もしばらくは、ふとした瞬間に眺めては「また行きたいな」と思い出しています。
大人になってからの自由研究のような、ささやかな達成感をくれる体験でした。
「がんばってきたね!」と、自分に言える場所
若い頃の箱根は、友達と騒いだ温泉旅行だったり、弾丸で観光地を巡る旅だったりしたかもしれません。
50代の今は、もう少し静かで、もう少し自分を大事にする箱根でもいい。
窓のない半露天風呂から眺めるモミジの借景、2ベッドルームの広い部屋で保たれる“ちょうどいい距離感”、寄木細工の手ざわり、中庭のさわ茶屋での一服。
その一つ一つが、「よくここまで、がんばってきたね」と、自分に言ってあげたくなるきっかけになりました。
そっと自分を癒やしてねぎらいたくなったとき。そのときの行き先リストに、「界 箱根」を加えておいてはいかがでしょうか?
※記事中の情報は2025年12月時点のものです。
今回宿泊した温泉宿はこちら「界 箱根」
箱根湯本の渓流沿いに佇む全室リバービューの温泉旅館「界 箱根」は、東海道の歴史に浸る、箱根ごこちの湯宿。「さわ茶屋」、「寄木細工のずく引き体験」などで、自然と伝統文化を味わえます。
「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。
■界 箱根
神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋230
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaihakone/
取材・文=鳥居史(HALMEK up編集部)
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