大人女性の“ととのう”温泉グルメ紀行Vol.8前編
【朝ドラ聖地×美肌の神湯】松江「ばけばけ」舞台と界 玉造で癒やしの大人旅
【朝ドラ聖地×美肌の神湯】松江「ばけばけ」舞台と界 玉造で癒やしの大人旅
更新日:2025年11月23日
公開日:2025年11月20日
聖地巡礼!NHKの朝ドラ「ばけばけ」の舞台・松江へ
宍道湖に光が差し、風が頬を撫でる朝。松江の街を歩けば、朝ドラ「ばけばけ」の名場面がそこかしこに。まるで八雲とセツの物語の中に迷い込んだような“知的な大人旅”が始まります。
物語の舞台は島根県松江市。作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と妻セツをモデルにしたドラマです。
松江の街には、今も二人の面影が残っています。幼いセツが涙を流した橋のたもと、八雲が蛇から蛙を助けた旧居の庭──。そして、怪談に登場するお寺の門には今も“手の跡”が残り、静かな街並みに物語の余韻が漂います。
そんな“ばけばけ聖地”を効率よく巡りたいなら、「界 玉造」宿泊者限定の人力車ツアーがおすすめ。
地元出身の車夫さんが夫妻の旧居やゆかりの地を巡りながら、ドラマや八雲の著書「怪談」にまつわるエピソードを軽妙に語ってくれます。

「この神社は八雲さんが足しげく通った神社です」
「セツの生家はこちら、養女として育てられた家はここ」
車輪の音に合わせて、街の情景が物語と溶け合っていくよう。観光というより、“物語を体でたどる”感覚。50代の大人女性にこそ似合う、知的で心潤うさんぽ旅です。
滞在は1300年の歴史を誇る“神湯”・玉造温泉へ
松江から車で約30分。山あいに湯けむりが立ちのぼる玉造温泉は、日本でも最古級の温泉地。1300年前にはすでに“美肌の湯”として評判を得ていたといいます。
さらに、古くから「一度洗えばお肌キラキラ、二度入れば病も治る。その効き目がなかったという話は聞いたことがない」という言い伝えもあるのだそう。
その長い歴史と美肌効果から「神話の時代から湧き出る温泉」=「神湯」と呼ばれています。湯はとろみがあり、肌を包み込むようなやさしさ。湯上がりは驚くほどしっとりすると評判です。
湯面に映る灯りがゆらめき、肌に湯のとろみが残る——まるで“肌で物語を読む”ような時間です。
雨に包まれた「界 玉造」はしっぽり大人の宿でした

松江観光を終えて宿に到着したのは夕暮れどき。大きな旅館が並ぶ温泉街の中で、「界 玉造」はひっそりとした佇まい。しとしとと雨が降り、濡れた葉は深い色合いに。灯籠の明かりで幻想的な雰囲気に包まれています。
足を踏み入れると、太鼓橋がかかる和庭に、雨音と木の香だけが満ちています。その静けさに包まれると、まるで“ばけばけ”の世界に迷い込んだよう。
ロビーには神の使い“出雲のうさぎ”が隠れ、太鼓橋を渡れば客室棟です。
「界 玉造」は全室、露天風呂付き。室内に入ると、藍染のベッドカバー、壁に施された湯町窯のタイル、たたら製鉄の鉄飾り、酒樽を模したテーブルなど、島根の伝統工芸がさりげなく息づいています。
落ち着いた雰囲気で、まさに大人のしっぽり宿の風情。心がゆるゆるほどけていきます。
全身しっとり!玉造温泉はデパコス化粧水と同じ保湿力⁉
さっそくひと風呂浴びに、大浴場へ!
鳥居を模した入り口の奥に広がる神秘的な空間。中央の小さな社から湯がこんこんと湧き出し、湯面には檜玉がぷかり。ぬるめの湯は肌にやさしく、長湯しても湯あたりしません。あああ……これが極楽というのもでしょうか。
温泉ソムリエのスタッフの説明によると、実はこの玉造温泉の湯は、1万円級のデパートコスメの化粧水と同じレベルの保湿力があるのだそう!「温泉につかるということは全身をデパコス化粧水でパックするようなイメージです」とのこと(笑)
なんという贅沢体験!さらに「温泉パック体験」もおすすめ。温泉水にフェイスマスクを浸し、顔や手にのせると、手荒れで皮むけがひどかった指先が別人のようにしっとり、ふっくら! これぞ“天然の美容液”です。
山陰の美食×地酒のマリアージュに酔いしれて
湯上がりの頬に夜風が心地よく、離れの茶室では松江伝統の“武家流茶道”体験も。一服の抹茶で心を鎮めたら、いよいよお楽しみの夕食の時間です。
界 玉造の夕餉は、山陰の旬をひと口ずつ楽しめる会席料理。少しずついろんな味を味わえるのは、大人の女性にうれしいスタイルです。
島根は古くから“酒どころ”。料理ごとに地酒を合わせる「日本酒マリアージュ」は、まさに“食でめぐる山陰”という表現がぴったり。
季節の野菜や旬の魚介、干し柿と胡桃の酪(らく)など、山陰の恵みが並ぶ、目にも楽しいひと皿が続きます。特に「宝楽盛り」は器の彩りや盛り付けの立体感も美しく、思わず写真に収めたくなるほど。
メインの「しじみ牛しゃぶしゃぶ」は、宍道湖産のしじみの旨味を引き出した滋味深い出汁に、牛肉をさっとくぐらせて。合わせたのは、ぬる燗の純米吟醸。米の甘味と出汁の深みがふわっと重なり、「もうひと口だけ」と箸が止まらなくなるおいしさです。
「島根では、しじみを冷凍して旨味を凝縮させるんですよ」そんなスタッフの豆知識も、旅の味わいをいっそう深くしてくれます。
湯上がりの心と体を満たしてくれる、五感が喜ぶ夜。一品ごとに“季節と土地”が香るこの食体験こそ、「界 玉造」ならではの贅沢だと感じました。
そして夜はさらに深まり、八雲の怪談と島根の伝統芸能が待つ「地酒と神楽の夜」へ——。旅はまだ、続きます。
静寂の中で聴く八雲ワールド“怪談茶室”の夜
夕食後は、小泉八雲が“和菓子とビールで晩酌を楽しんでいた”という逸話にちなんだ、人気の夜イベント「怪談茶室」へ。離れの茶室で、障子に映る光と影を背景に、『耳なし芳一』『雪女』などの怪談が朗読されます。
知っている話でも、語りで聴くとまったく違う緊張感。和菓子と日本酒を口に含みながら、八雲の幻想世界に浸っていきます。
思わず世界に入り込んでしまい、ちょっとした物音や灯りのゆらぎに怖がり始めた私たちに、スタッフが微笑みながら言いました。
「そんな日常の“怪”を味わっていただけるのも、“界”の魅力の一つでございます」
その言葉に場がやわらぎ、恐怖よりも“粋”を感じた夜でした。
美肌に効くご当地土産も!朝の玉造温泉街さんぽ

翌朝は快晴。少し早起きして露天風呂に浸かると、湯けむりの向こうに柔らかな光が射し込みます。湯上がりの肌はつるりと滑らか。まさに“神湯”の力を実感しました。
朝食は、のどぐろの塩焼きや赤天、酒粕たっぷりの杜氏鍋など、山陰の恵みが詰まった和膳。体の芯から温まり、前夜の疲れもすっかりリセットされます。
食後は玉湯川沿いをのんびりと散歩へ。
玉作湯神社の境内には“触れると願いが叶う”といわれる「願い石」があります。社務所で授与される「叶い石」セットには小さな天然石と願い札が入っており、御神水で石を清めて「願い石」に触れれば、お守りが完成。
さらに「薬師広場のたらい湯」では、“温泉ミスト”として持ち帰るのもおすすめ。隣の木箱には200円のミニスプレーボトルがあり、自分で汲んで持ち帰れます。家に帰っても“神湯の潤い”を実感できるのがうれしいですね。
神話の国・出雲らしい穏やかな祈りの風習に、心がすっと軽くなる。旅の締めくくりにふさわしい、静かな朝でした。
松江・玉造・出雲でーー50代の“感性が潤う旅”を
松江で小泉八雲夫妻の物語をたどり、玉造温泉の“神湯”で心と肌を癒やす。
そんな旅は、50代女性にこそふさわしい「感性のリトリート」
歴史、文化、美食、そして人の温かさ——。そのすべてが静かに調和する場所で、“物語のある温泉旅”をゆっくり味わってみませんか?
次回は、島根の夜に酔う「日本酒と文化のステイ」編をお届けします。
今回宿泊した温泉宿はこちら:界 玉造
島根県にある「界 玉造」は、日本最古の温泉の一つとされる玉造温泉に佇む全室露天風呂付きの温泉旅館。プライベート感あふれるご当地部屋で美肌の湯を心ゆくまで堪能できます。
「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。より気軽に4泊の旅から始められる「冬限定 界の定期券」も発売中。
▼界 玉造 住所:島根県松江市玉湯町玉造1237
※記事中の情報は2025年11月時点のものです。
取材・文 長倉志乃(HALMEK up編集部)
「界 玉造」ペア宿泊(1泊2食付き)1組2名様
「界 玉造」ペア宿泊券(1泊2日)を、1組2名様にプレゼントします。(有効期限:2026年3月1日~2026年8月末日)※宿泊券の発送は2026年2月初旬になります。
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