新時代を幸せに!プロが教える「やめ方・始め方」♯2
コロナ禍で大流行の「断捨離」どうしたら成功する?
コロナ禍で大流行の「断捨離」どうしたら成功する?
更新日:2022年11月16日
公開日:2021年05月29日
新時代を幸せに!プロが教える「やめ方・始め方」
新型コロナウイルスによって生活様式が大きく変わった1年間。ハルメクWEBでは読者のみなさんの「やめたこと・始めたこと」に注目! 断捨離・貯金や保険の見直し・人付き合い・家族など、新しい時代を生きるための情報を手に入れられる全5回の特集です。
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「断捨離」は「整理・片付け」ではない!?

ハルメクWEBで行ったアンケートの結果、多くの読者が「家の中を見直して模様替えをした」「断捨離をした」と回答。また、「これからやりたいこと」として断捨離を挙げた人も多く見られました。
やましたひでこさん(以下、やましたさん)
「そのこと自体はとても良いことなんですが、気を付けていただきたいのは、断捨離=お片付けではない、ということなんです」
――えっ? 「断捨離」と言えば、無駄な物を減らしてすっきり暮らすことなのでは……と思っていたのですが?どうやらそこにはもっと深い意味がこめられていて、そこを理解しないと「一時的な成功体験」で終わってしまうようです。一体、どういうことでしょう?
「断捨離とは『居場所づくり』。そこを理解しないと、気持ちのいい家にはなりません」
やましたさんによれば、この1年の間に、人々の『居場所』は大きな影響を受けたと言います。
「コロナ以前、通勤通学をしている人にとっては会社や学校が昼間の居場所で、家は夜の居場所でした。その人たちが昼間も家に居るようになった。これは大きな変化です。
主な居場所が会社から家に変わった人たちは、家に物が多いと『散らかってるなあ。居心地悪いなあ』と感じてしまう。リモートワークをしようとしても、家が気になって落ち着かない。一方、それまで家に居た人にとっては、昼間も家族が居るので『私の居場所が変わってしまった』と感じる。やっぱり居心地が悪い。
そこで、はたと『家が居心地のいい場所じゃなくなってしまった』、『物に乗っ取られている!』と気が付いて、『断捨離せねば!』と物を捨て始めるわけです」
でも、ここに落とし穴が一つ。
「断捨離の本当の目的は『居心地よく暮らす』ことであって、捨てることは手段にすぎません。ただ物を減らせばいいと考えると、断捨離は失敗しやすいんです」
断捨離の失敗とは、どういうこと?

「目の前から物が減った。家の中がすっきりした。それで目標達成、じゃないんです。
断捨離とは『終わりのない、一生続く居場所づくり』だと心得ましょう。
人は一生、変わり続けるものですよね。子育て中には必要だったものも、育児が終われば不要になる。断捨離とは『刹那』なもの。その瞬間瞬間に、必要なものだけを見極めて、新陳代謝を繰り返す。だから、昨日は必要だったものでも今日不要になったなら手放す。この繰り返しなんです」
確かに、その通りだとは思います。しかし、物が捨てられない、捨てるのがつらい、そんな気持ちとどう向き合ったらよいのでしょう?
「それは『物』を軸に考えているから。あなたの『人生の主役』は誰ですか? あなたの家も頭も『物』に支配されていませんか?
体は『命を入れる入れ物』。心地よく命を維持するためには、入れ物が健康でなきゃいけません。そして家は、体を入れる入れ物です。つまり、家が健康でなければ、あなたの命がおびやかされます。不要な物に占領されて、家が機能不全を起こしているとしたら、それは脂肪に乗っ取られて成人病になりかかっている体と同じなんです。
『まだ使えるから』と、いつまでも使わないものを維持しているのは不健康のもと。物があるゆえに時間も手間もとられてストレスになるくらいなら、早く手放して! もっと『自分軸』で考えなくちゃ」
やましたさんのいう『自分軸』とは、
・自分の心に、この家は「快適か・不快か」を問いかけること
・今の状態が「不快である」と率直に認めること
・もういらないのに捨てられないものを「いらない」と自覚すること
・必要か・不必要かを自分の意思で判断し行動する(捨てる)こと
・自分で判断・行動して快適な住空間を作る=命を守ること
だと言います。
物も人生も「新陳代謝」が大事!

とはいえ、物を捨てるときには罪悪感がつきまといがち。物を代謝させるには、どう考えたらよいのでしょうか。
取材をしていて、はっとさせられた一言がありました。
「物は生産された瞬間から、ごみへと向かうんですよ。
コロナ禍で断捨離する人が増え、ごみ処理が追い付かなくて自治体が困っている。だから断捨離はちょっと控えて、というニュースがありました。私に言わせればナンセンスな話。どんなものも『生まれた瞬間からごみへと向かう』んですよ。家の中にあるうちは誰かの所有物。外に出したとたん『ごみ』。それって変な話ですよね。地球上、どこにあっても物は物ですから」
本来の意味の断捨離を身につけて『要・不要』のふるいにかける作業が上手になれば、誰もがやがて、不要な物は買わなくなる、とやましたさんは言います。
「断捨離を続ければ、必要な物だけを購入し、手元に残す習慣が身につきます。不要な物を人が買わない=物が売れなくなれば、メーカーも作らなくなります。そうすれば、世の中から無駄な買い物によって生まれるごみは減りますよね」
処理場の負担を減らしたいなら「捨てるな!」じゃなくて「どんどん捨てて、もう買わない」。消費者がもっと賢くなれば、社会も変わる。断捨離は社会につながってるのですね
「家にある物」はあなたの価値観を映す鏡

クローゼットにあるハンガーの数だけ、服を持つ。それが、やましたさんが自分に課している「持つべき服の量」だとか。でも、なかなか守れない、と笑います。
「だって、おしゃれはしたいじゃないですか。着たい服はその日の気分で違うし、減らし過ぎると『つまらない』。着ない服はお友達に差し上げたりもします。でも、私より似合っている姿を見て『あれ。惜しかったかな?』って思う。いじましいでしょ?(笑)でも、その『いじましい自分』を直視するのも、自らを省みる上では大切なことです」
物が捨てられない。捨てるのがつらい。その背景にあるのは「もったいない」「粗末にしているようで嫌」という価値観です。
「ちょっと待って。その『もったいない』は本物かしら?昔、日本が貧しかった時代、物を大切にすることはとても大事な価値観でした。いえ、今も『物を大切に』『物を粗末にするのはもったいない』という絶対的な意味は変わりません。
では、クローゼットに押し込まれて出番がない服は、もったいなくはないですか?いつか使う、と思ってためこんでいるものも、使わないなら『ないも同然』なのでは? それは『大切にしている』ことになるでしょうか」
確かに! 親からしつけられた「もったいない」「大事にしなさい」は、今の時代、意味が違うのかも。
「物は使うためにあるもの。大切にするということは、活用してこそ。それにね、自分が親の立場だったらどうかしら? 自分が遺したものを、子や孫がさっさと捨てたとして、それで恨みに思ったりしますか?親が子に願うのは『元気に、幸せに生きてほしい』ということ。自分が遺したものが子孫を悩ませていると知ったら、むしろ悲しむんじゃないかしら?」
家にあふれる物たちは、あなたの価値観を映しだす鏡。断捨離を行う上で大切なのは「他人や物にとって」ではなく「自分にとって」、その状況が居心地いいかどうか、自分の心に率直に向き合うこと。そのためには「今の私に必要なのか」「物として生かせているか」を考えることが必要なのだと、やましたさんのお話でわかりました。
断捨離をしたいけれど、できていない人へアドバイス

最後に「やりたいけれど、できていない」という人に、やましたさんからアドバイス。
「いきなり家じゅうを断捨離しようとしないこと。一か所でいいので、家の中に『余白』を作るところからスタートしてみてください。そこから新陳代謝が始まってゆとりが生まれます。すると、自分の人生にとって何が必要か・何が不要か、考えられるようになるはずです」
家の中も人生も風通しよく。新陳代謝させて若々しく!そのために、まずは自分の心に素直に向き合うことから始めるのが良いようです。
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やました ひでこさんのプロフィール
一般財団法人「断捨離 Ⓡ」代表。学生時代に出合ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片付け」に落とし込み、応用・提唱。誰もが実践可能な「自己探求メソッド」を構築。断捨離は人生を有機的に機能させる「行動哲学」と位置づけ、空間を新陳代謝させながら、新たな思考と行動を促すその提案は、年齢、性別、職業を問わず、広く支持されている。
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