ミッドライフクライシスからの脱出法
「なんとなくモヤモヤ不安」の正体は何?人生がこのまま終わるのは悲しい…
「なんとなくモヤモヤ不安」の正体は何?人生がこのまま終わるのは悲しい…
公開日:2025年08月13日
洗面所でふっと湧いた不安「なんとなくモヤモヤ」

朝、洗面台のライトをつけた瞬間から、今日もなんだか気が重い。子どものお弁当、会社の資料チェック……今日やるべきことは頭に入っているのに、なんだか胸の真ん中がモヤモヤする。そういえば、先週もずっとこんな気分だったような。
「私、この先の将来、どう生きたいんだろう?」
筆者もよく感じるこの焦燥感。その小さなざわめきこそ、ミッドライフクライシスの入り口かもしれません。
このモヤモヤ…「ミッドライフクライシス」かも!?

■言葉の意味
「ミッドライフクライシス(ミドルエイジクライシス)」 は中年の危機ともよばれますが、35〜65歳頃に一部の人が経験するとされる「人生の再点検期」でもあります。正式な病名ではなく、心理学上の一般概念です。
■起こる理由
更年期のホルモン変動、子どもの独立、親の介護、キャリアの停滞、老後資金の不安……こうした変化が、この年代では同時に押し寄せるため、心と体が追いつかず「私は誰? これから何をすべき?」というモヤモヤが生まれやすくなります。
「なんとなく不安」は何が不安? 具体的にしてみる

■老化・健康不安
シミや白髪や老眼……老けていく自分が悲しく、更年期症状で眠りが浅くなり情緒は不安定。健康診断で不調も目立ち「この体であと何年働けるの?」と不安になります。
■家族関係の変化
子どもが巣立ち、親が老いていく。「家族の世話が一段落したと思ったのに、落ち着かない」と感じます。
■仕事のゴールが見えてくる
昇進や転職のチャンスが減り、若手にポジションを譲る場面が増え、「私はもう必要とされていないのでは?」と戸惑います。

■お金が足りない!?
老後資金・住宅ローン・親の介護費用。計算するとお金が足りない気がして、夜中に不安で目が覚めることもあります。
■自分らしさ迷子
美容・ファッション・恋愛……「いくつになっても私らしくいたい」と思う一方、「私らしさ」がわからなかったり、がんばって「無理してる」と言われたりするのは怖い。
■自己肯定感が下がる
日々、成長している気がしない。夢中になれる趣味がない。そんな私に価値はあるの?と落ち込んでしまいます。
これらがいくつか重なり合ったとき、人は“理由の見えない不安”……つまりなんとなくのモヤモヤを抱えやすくなります。
【診断チェック】こんなモヤモヤサインが出ていませんか?

- 朝起きて最初に感じるのがワクワクではなく空白感
- 昔は胸が高鳴ったことも、今は手を伸ばす気力が湧かない
- 「私は何のために存在しているのだろう」とふと思う
- SNSで同世代の充実投稿を見ると、「置いていかれた気分」になる
- 「本当にやりたいこと」がない
- 将来どんな自分でいたいかを聞かれると、答えに詰まる
3つ以上当てはまったら、もしかすると「ミッドライフクライシス」の可能性も!?心が小さなSOSを出している合図かもしれません。
スキマ時間で試せる!「モヤモヤ解消」3つのアイデア

■スマホメモ術
日々のスキマ時間で、自分のスマートフォンに「不安な気持ち」「望む気持ち」「できる一手」を書き出します。目安時間は3分。たとえ「できる一手」が書けなくても大丈夫!不安な気持ちを整理できるだけでも成功です。
文字にすると脳が問題を「処理可能」と判断し、安心しやすくなります。「3分だけ」と時間を決めてしまえば、書くハードルが下がり実行しやすくなりますよ。
■朝の太陽&プチ散歩
朝、カーテンを開けて深呼吸しながら自然光を浴びます。体内時計がリセットされ、気分が前向きになりやすくなります。
また、食後はゆっくり10分ほど歩きます。血糖の乱高下が抑えられ、午後のだるさを予防できます。結果、昼間はシャキッと、夜はスッと眠りやすくなります。
■口に出して自分を褒める
夜に鏡を見たとき「今日の私はここまでで十分がんばった」と声に出して褒めてあげましょう。自分を責めるクセをやわらげ、自己肯定感を底上げする効果があります!
最強のモヤモヤ解決策!「誰かのためになる予定」を作る

心理学者E・H・エリクソンは「心理社会的発達理論」の8つの発達段階について、中年期のテーマを 「生殖性」と定義しました。彼が言う「生殖性」は、セックスや出産などの意味ではなく「次の世代や社会に何かを手渡す」こと。
要するに 「自分の経験や思いやりを、誰かの役に立てる時間をつくろう」 ということです。
- 例えば、こんな小さな事でもOK
- 後輩に仕事のコツを一つ伝える
- 家族に人気のレシピをノートに書き残す
- 数か月に一度、ボランティアに参加する
ポイントは、やる気がある日に探すのではなく “先に予定を入れておく” こと。「誰かのためになる予定」がカレンダーにあるだけで、脳の喜びホルモンが動き出し、長引くモヤモヤが 「役立てる喜び」 に変わりやすくなるんだとか。「誰かのため」の予定が一つあるだけで、心の温度がほんのり上がりますよ!
【まとめ】モヤモヤ解消は、できることから始めよう!

いま感じているモヤモヤ…あなただけの物ではありません!人生に向き合って、真面目に生きているからこそ、起きているとも言えるのです。
いきなり人生を作り替える必要はありませんし、突然ミッドライフクライシスは解決しないかもしれません。
スキマ時間で試せる「モヤモヤ解消アイデア」や、「誰かのためになる予定」をぜひ試してみてください!漠然とした不安は未来への道しるべに変わり、明日の景色がほんの少し明るくなるはずですよ。
取材・文=鳥居史(HALMEK up 編集部
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