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更新日:2025年07月03日 公開日:2025年06月12日
内なるチャイルドと会話したことある?
子どもが持っている、愛されたい、理解されたいなどの「中核的感情欲求」。実は大人にも当てはまると臨床心理士の伊藤さん。本当はやりたくないこと、世間の目を気にして無理している人も多いはず。そんなときは、自分の中の内なるチャイルドと会話してみませんか?
いとう・えみ 東京都生まれ。公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士。洗足ストレスコーピング・サポートオフィス所長。慶應義塾大学文学部人間関係学科心理学専攻卒業。同大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。専門は臨床心理学、ストレス心理学、認知行動療法、スキーマ療法。著者に『自分にやさしくする生き方』(筑摩書房 刊)など多数。
前回は、自分にやさしくなるための「簡単5ステップ」をご紹介しました。今回は、自分ファーストで生き、どうやって欲求を叶えるかがテーマです。
中核的感情欲求とは「すべての子どもにおいて、満たされて当然の感情的な欲求」のことを言います。
「すべての子どもにおいて」と書きましたが、私たち大人であっても、「内なるチャイルド」がいるわけですから、そういう意味では「すべての子どもと大人(の「チャイルド」)にとって、満たされて当然の感情的な欲求」と言い換えてもよいでしょう。
大前提となる「内なるチャイルド」について簡単にご説明します。
私が学んだ心理療法「スキーマ療法」では、自分を生きづらくさせる「心の根っこ」(スキーマ)を知り、その根っこから自分を解放することを目指します。
そのために「自分で自分を観察する」における2つの「自分」のうち、前者を「ヘルシーな大人のモード」、後者を「内なるチャイルドモード」というように分けて捉えます。
そして前者の「ヘルシーさん」が後者の「チャイルド」と対話をすることによって、「チャイルド」の感じているストレス反応に気付きを向ける、ということをします。
チャイルドが感情的に満たされれば、私たちの心は穏やかになり幸せを感じますし、逆に満たされなければ、私たちの心は傷つき、自らを不幸せだと感じます。
「自分にやさしくする生き方」とは、「自分自身のチャイルドの欲求を満たす生き方」なのだと思います。
今回は「中核的感情欲求」で提唱されている5つの中から、とくに2つを解説していきます(私自身の心理学や心理療法の学びをベースに、独自の解釈を加えている点をここにお断りしておきます)
まず一つ目は
~有能な人間になりたい。いろんなことがうまくできるようになりたい。自信を持ちたい~
こんな欲求を持つ方も多いのではないでしょうか。
「無駄にがんばり過ぎる」ことは推奨しませんが、その人が「やってみたい」と思う対象があり、それに対して適度にがんばること、そしてそのがんばりに対して「よくやったね」と声をかけること自体は、「自分にやさしくする」生き方に含まれると考えます。
その際に重要なのは、結果をすぐに求めないということです。結果の良し悪しにかかわらず、チャレンジしたこと、がんばっていること自体を褒めるようにします。そしてチャレンジする課題については、小さく分解して、スモールステップで取り組めるよう、具体的な計画を立ててあげましょう。
例えば私は2019年頃から将棋を学び始めました。なかなか上達しないので、時には嫌になって投げ出したくなることがあります。
そういうときが「ヘルシーさん」の出番です。
「毎日将棋のお稽古していて偉いね」「上達も大事だけど、将棋というゲームそのものを楽しめばいいんじゃない?」などと声をかけ、「えみちゃん」がくじけないようにサポートします。
がんばってもうまくいかないことは誰にだってあります。そのようなときに「チャイルド」の残念な気持ちを受け止め、また新たな気持ちでチャレンジできるよう、あえてその課題から離れてみることを促すのも一つの手です。
~自分の感情や思いを自由に表現したい。自分自身の価値や意志を大事にしたい~
これは「自分ファースト」でいたい、という欲求です。
満たすためには、他人の気持ちをおもんぱかって、他人の世話をしたり他人の言いなりになったりする(他人ファースト)ではなく、出発点をまず「自分」に置き、「自分はどう思うのか」「自分は何をしたいのか」ということをまず自分に問い、可能な限り、それらの思いや感情や意志や価値を実現する方向で行動を起こしましょう、ということになります。
こんなふうに書くと非常に抽象的な感じがするかもしれませんが、これらを実践するとしたら、まずは小さなことからです。
「ヘルシーさん」はコーヒーを飲みたい、「えみちゃん」はみかんジュースが飲みたいというときは、相談して決めます。例えば午後からの仕事がハードでコーヒーを飲んで気合いを入れたいときなどは、「えみちゃん、ごめんね。今は仕事のためにもコーヒーを飲みたいんだけれど、いい? 仕事が終わったらみかんジュースを買って帰って、家で一緒に飲むことにしない?」と交渉することもあります。
すべて「チャイルド」の言いなりになる必要はないのです。可能であれば「チャイルド」の欲求を叶えますが、そうもいかないときは、前述の私の例のように「ごめんね」と言って、それが今すぐ叶えられない理由をきちんと説明し、交渉します。
この欲求は、日々の服装や食べ物・飲み物や活動のチョイスだけでなく、もっと大きな進路選択や、人付き合いや、生き方のチョイスにも関わってきます。
世間が「よし」とする生き方に沿うのではなく、自分自身(「チャイルド」と「ヘルシーさん」)の価値に沿った生き方を選ぶことで、欲求が満たされ、ひいてはそれが「自分にやさしくする生き方」につながります。
「自分ファースト」について、最後に大事なことをもう一つ。
私たちは、社会に適応するために、友達に仲間外れにされないように、「いい人」だと思われるために、自分の内なる「イヤだ」「ノー」という声を無視して、感じよく振る舞ったり、頼まれ事を快諾したり、気が向かないイベントにさも楽しそうに参加したり、といったことをしがちです。
ですがそこでは「チャイルド」の「本当はイヤなんだ!」「行きたくない!」「会いたくない!」という声が無視されています。
やむを得ない場合もあるかもしれませんが、「イヤだ」「ノー」という声が聞こえてきたら、できる限り尊重するべきです。
私自身、「えみちゃん」の「イヤだ」「ノー」の声が聞こえるようになってから、仕事の仕方や人付き合いの仕方が劇的に変わりました。無理して仕事を受けたり、気が進まない社交の場に出掛けたりすることがぐんと減ったのです。「断る」ということができるようになりました。
そういう意味では、社会的には若干「イヤな人」「社交的でない人」になったかもしれません。実際にそう思われることもあるでしょう。それでもいいのです。
「イヤだ」を尊重されると「えみちゃん」はとてもホッとします。「えみちゃん」がホッ
としたのを私の「ヘルシーさん」が感じ取ると、「ヘルシーさん」自身もホッとします。
みなさんもぜひ、「チャイルド」の「イヤだ」「ノー」の声に対しても、「自分ファースト」で対応するようにしてください。
次回の記事では、「更年期・どん底の自分をいたわる3つのルール」を紹介していきます。
※本記事は、書籍『自分にやさしくする生き方』より一部抜粋して構成しています。
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