シリーズ彼女の生き様|草笛光子 #5

人生を豊かに、楽しくする お金と人との付き合い方

人生を豊かに、楽しくする お金と人との付き合い方

公開日:2024年06月01日

50代以上の女性に寄り添う
記事・動画が盛りだくさん!

お金に恵まれない人生、でも悔いはありません

――草笛さんは、これまでの自身の道のりを振り返って、「本当にお金に恵まれない人生だったわね」と語ります。

前にもお話ししたように、私は舞台に自分のお金をつぎ込んで、貯金通帳がすっからかんになるという経験を2回もしてきました。1回目は離婚直後の20代後半。2回目は40代後半。どちらもスポンサーなし、出演料も会場費も持ち出しで舞台をやって、2回目のときは借金まで抱えてしまいました。

実はその当時、我が家のすぐそばの空き地が売りに出ていて、不動産屋さんから「買いませんか?」と声をかけられたの。だけど、お金を全部使ってしまった後だったから、とても手が出ませんでした。

今では建物が建っていますが、その土地の前を通るときにふと“あのとき買っておけば、きっと値上がりしただろうから、今頃は売ったり貸したりして私も左団扇だったかもしれない”なんて思ったりします。とはいえ、自分が情熱を注ぎ込んだ舞台にお金を使ったわけですから、悔いはありません。そんなバカな女優がいたっていいじゃない(笑)

おしゃれよりも体づくりにお金をかける

――舞台の他に、草笛さんがお金を使ってきたのは「やっぱり体づくり」と言います。

おしゃれにはお金をかけないけど、食べるものにはお金をかけてきました。だって体にいいもの、おいしいものをたくさん食べたいでしょう。私は朝ごはんを食べながら「今日の夜は何を食べようかしら」と考えるくらい、食べることが好き。筋肉を保つために欠かせないお肉も大好物で、朝からステーキをいただくこともあるんですよ。

それから、50歳になる直前に、自宅に稽古場が欲しくなって、思い切って借金をして家を建て直しました。「50歳で今さら稽古場?」という人もいましたが、自分の体と向き合って“これから”を生きるために必要だと思ったんです。

そのとき、誰よりも喜んでくれたのが、私が演劇界の母と慕っていた舞台美術家の朝倉摂先生でした。「高価な宝石や毛皮を買った...

HALMEK up編集部
HALMEK up編集部

「今日も明日も、楽しみになる」大人女性がそんな毎日を過ごせるように、役立つ情報を記事・動画・イベントでお届けします。