佐藤愛子さん「苦労は不幸ではない」と語る理由
2022.12.132023年10月26日
離婚、借金…すべて書く糧に #1
佐藤愛子さん|呆れられても、書き残したいもの
92歳で出版したエッセー集『九十歳。何がめでたい』がミリオンセラーとなった作家の佐藤愛子さん。以来、あまりの忙しさに体調を崩し「死を身近に感じるようになった」と言います。そんな佐藤さんのこれまでの歩みと、95歳当時のインタビューです。
ミリオンセラー『九十歳。何がめでたい』は過去の話
※このインタビューは2019年1月に行われました。
東京・世田谷の静かな住宅街にあるご自宅。きもの姿の佐藤さんは「どうぞ、お口に合うかどうか。今日は私が煮たんです」と、リンゴのコンポートをすすめてくださいました。
佐藤さんといえば、エッセー集『九十歳。何がめでたい』(小学館刊)が2017年の年間ベストセラーになったことが記憶に新しいですが、ご本人は「あれはもう過去の話」ときっぱり。痛快でユーモラスな筆致は唯一無二で、世間からますますご意見番として求められているのでは?と問い掛けると、
「私は自分の思うことを好き勝手に書いているだけで、求められているから書いたってことはいっぺんもないんです。こういうことを心掛けよとか、こうするべきだとは言わない。『私はこう思う』と言うだけですよ。賛成してもらえるとうれしいし、そうでなければ、それでいいんです」と歯切れよく語ります。
とにかく力いっぱい、妥協せず、迷わず、思うままに生きて
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