老後に必要なお金は?幸せ年金生活5つのコツ
2023.05.132023年01月30日
50代女性が今から仕事で給与アップを狙うには?
50代の平均年収って?中央値や給与アップのポイント
50代は全年代の中で最も収入が増える年代ですが、男女差もあります。50代の平均年収や、平均値と合わせてチェックしておきたい中央値、年収の差に影響する要素、50代が年収を上げるための方法などについて解説します。
50代の平均年収
転職・求人サイトの『doda(デューダ)』が発表したデータによれば、50代以上の平均年収は男女合計で596万円という結果が出ています。(dodaサービスに登録した約56万人のビジネスパーソンのデータが対象)
性別で分けて年収を見てみると、男性は「658万円」、女性は「424万円」であったため、男性と女性では約234万円の差があることがわかります。
年齢別の平均年収は以下のようになっています。
- 20代……【全体】342万円、【男性】365万円、【女性】319万円
- 30代……【全体】435万円、【男性】474万円、【女性】377万円
- 40代……【全体】495万円、【男性】562万円、【女性】400万円
- 50代以上……【全体】596万円、【男性】658万円、【女性】424万円
- 全年代……【全体】403万円、【男性】449万円、【女性】347万円
50代の1歳ごとの平均年収
50歳から59歳まで、1歳ごとの平均年収は以下です。(doda(デューダ)公表のデータより)
- 50歳……【全体】532万円、【男性】607万円、【女性】411万円
- 51歳……【全体】540万円、【男性】612万円、【女性】412万円
- 52歳……【全体】558万円、【男性】625万円、【女性】418万円
- 53歳……【全体】577万円、【男性】653万円 、【女性】423万円
- 54歳……【全体】586万円 、【男性】661万円、【女性】423万円
- 55歳……【全体】612万円、【男性】679万円、【女性】432万円
- 56歳……【全体】639万円、【男性】701万円、【女性】454万円
- 57歳……【全体】626万円、【男性】688万円、【女性】422万円
- 58歳……【全体】636万円、【男性】686万円、【女性】440万円
- 59歳……【全体】681万円、【男性】724万円、【女性】460万円
50代の男女の年収の違い
上記のデータでは、男性と女性では年収額に約234万円の差異がありましたが、国税庁長官官房企画課が公表した「令和3年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によれば、給与の上がり方も男女で異なることがわかっています。
上記の図では、男性の場合、60歳未満までは年齢が高くなるにつれて年々給与額が大きくなっていくのがわかります。20〜24歳の時点では287万円(女性は249万円)でしたが、55〜59歳では687万円になり、400万円アップ。全年代の中で最も大きい額となっています。
一方、女性の場合、年齢による収入額の変化の幅は大きくありません。20〜24歳では249万円で、もっとも年収が高くなる25〜29歳・45〜54歳では328万円となり、増加額は67万円にとどまります。
厚生労働省の「男女間の賃金格差問題に関する研究会報告(総論の概要)」によれば、男女の給与に格差が生まれる要因は「職階(部長、課長、係長などの役職)の違い」「勤続年数の違い」が要因ではないかと考えられています。
中でも女性管理職の少なさは男女間賃金格差の最大要因といわれており、政府は可能な限り早い段階で女性管理職の割合を30%ほどに増やしたいと考えています。
帝国データバンクが行った「女性登用に対する企業の意識調査(2022 年)」の調査によれば、管理職(課長相当職以上)の女性の割合は9.4%と過去最高を更新したものの、政府が目標とする30%には届かない低水準が続いている状況です。
平均値と合わせてチェックしたい「中央値」
年収の真ん中はどのくらいなのか知りたいとき「平均値」を知ろうとする人は多いでしょう。
しかし、平均値が必ずしも全体の真ん中を示すとは限りません。平均値は数値にばらつきが出やすいというデメリットがあるためです。
そこで、合わせてチェックしたいのが「中央値」です。まずは「平均値」と「中央値」の違いについてチェックしてみましょう。
「平均値」とは、すべての値を足し、それを個数で割った数値のことを指します。以下では、年収の異なるAさん〜Eさんの年収で平均値の例を解説します。
【平均値の例】
- Aさん……300万円
- Bさん……360万円
- Cさん……400万円
- Dさん……500万円
- Eさん……1000万円
上記の例の場合、A〜Dさんまでの4人で計算すると、4人の給与額の合計は1560万円となり、平均年収は「約390万円」になります。
しかし、ここに年収の高いEさんを計算に入れると、数値は大きく跳ね上がることになります。A〜Eさんの5人の給与額の合計は2560万円となり、これを5人で割ると「約512万円」に。
このように、平均値は極端に高い数値や低い数値に影響を受けるという特徴があります。
一方の「中央値」は、数値を小さい順や大きい順で並べたときに中央に位置する値のことを指します。先程の例でいえば、年収400万円(Cさん)が中央値となります。
中央値の場合、極端な数値に影響されることなく、全体の真ん中の数値を知れることが特徴です。
50代の年収の中央値は597万円
上記のデータをもとに計算すると、50代全体の年収の中央値は「597万円」、50代女性の年収の中央値は「429万円」ということになります。
なお、厚生労働省が公表した「2019年 国民生活基礎調査の概況」のデータでは、日本の1世帯あたりの所得の平均値は552万3000円、中央値は437万円という結果が出ています。
50代の年収の差に影響する要素
同じ50代でも、人によって年収は異なります。これは、以下のような要素が年収に影響しているためです。
- 学歴
- 企業規模
- 業種
- 地域差
学歴が高く、企業規模が大きいほど、賃金が高くなる傾向にあります。また、業種によっても給与水準が異なります。
地域も、年収に影響する要素です。dodaが行った「平均年収ランキング(47都道府県・地方別の年収情報)【最新版】」によれば、エリアごとの年収では関東が423万円でもっとも高いという結果になりました。
- 関東……423万円
- 東海……395万円
- 関西……384万円
- 中国・四国……376万円
- 北信越……374万円
- 北海道・東北……367万円
- 九州・沖縄……366万円
50代が年収を上げるための方法
ここからは、50代が年収を上げるために考えられる方法を見ていきましょう。
アルバイトや内職などの副業をする
勤務先にもよりますが、アルバイトや内職といった副業がOKな職場であれば、新しく副業を始めてみると、年収アップにつながります。
今はパソコンを使って自宅でできる仕事なども多くあるため、希望やライフスタイルに合わせて好みの副業を探すこともできるでしょう。
本業に生かせる仕事にしたり、逆に、本業とはまったく違う分野の副業を始めるという選択肢もあります。ストレス発散になったり、新しい学びを得られるかもしれません。ただし、無理なスケジュールを組んでしまうと体の負担になりかねないため、無理の少ないペースから始めるのがおすすめです。
投資をする
老後に備えた資産運用として、iDeCoやNISA、つみたてNISAなどの投資を行うのも一つの方法です。知識が少なくても低リスクで始められる少額投資であれば、気軽にトライできるでしょう。
投資には株式投資、FX、債券投資、不動産投資などさまざまな種類がありますが、初心者におすすめなのは、投資信託を使った「積立投資」です。積立投資の場合、金融や経済についての詳しい知識を持たない人でも、失敗するリスクを抑えて投資できます。
金融機関によっては、月々数百円という少額からの資産運用が可能なところもあるため、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
資格を取得する
資格の取得も、年収アップにつながります。年収アップのための資格取得は大きく「現在の職場の給与アップにつながる資格の取得」、「退職・転職後に独立や起業が目指せる資格の取得」、「転職のための資格の取得」の3パターンに分けられます。
「現在の職場の給与アップにつながる資格の取得」の場合、現在の業務に活かせる資格を取得することで給与アップにつなげられます。企業によっては資格取得などのスキルアップを後押ししてくれるところもあるようです。
今の仕事をやめて独立したり、起業をしたいと考えている場合は、独立や起業に関連する資格を取得するといいでしょう。
今の仕事をやめて新しい仕事に転職したいと考えている場合は、資格があると転職活動が有利になる可能性も。職を得やすい資格としては介護関連の資格、登録販売者などがあります。
キャリアを生かした転職をする
「仕事にやりがいを感じられない」「努力が評価されていない気がする」など「今の会社で働き続けていいのだろうか?」と悩んでいる場合、転職という選択肢もあります。
50代は、これまでの長いキャリアで培ってきた経験、知識、スキルという強みがあります。これを生かして、他の会社に転職するというのも一つの方法です。
求人サイトやハローワーク、人材紹介会社、転職サイト、転職エージェント、企業ホームページの採用情報、知人の紹介など転職先を探す方法はたくさんあります。これまで培ってきた自分の経験を生かせる仕事はないか、探してみてもいいかもしれません。
年収アップを第一に考えるのであれば、収益性や成長性が高い業界や給与水準の高い業界を狙うのも一つの手段でしょう。
50代の年収アップの手段はさまざま
「年収をアップさせたい!」というと転職を思い浮かべるかもしれませんが、転職の他にもさまざまな方法が考えられます。
更年期にさしかかる年齢ということもあり、50代の転職は体力面での不安もつきもの。給与アップだけを考えると、体力的に厳しい可能性もあります。今後のことも考え、どのように働いていきたいかや中長期的なマネープランを立てたうえで仕事について考えてみるといいでしょう。
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