50代からの恋愛物語2
恋か?友情か?53歳ジュンコが揺れた!もう一度初恋に触れた夜
恋か?友情か?53歳ジュンコが揺れた!もう一度初恋に触れた夜
公開日:2025年07月12日
高校時代の元カレと…秘密の関係に

53歳になったジュンコは、家事と仕事の合間にスマホを開くたび、ある名前に視線が留まる。その相手は、高校時代に付き合っていた元カレのダイスケ。
ジュンコの胸にあるのは、ただ「彼が好き」という単純で深い感情だけだ。流行の言葉で “セカンドパートナー” と呼ぶつもりはない。恋をしているひとりの女性として、彼の存在をまっすぐ確かめたい──それが今の本音だ。
4年前、同窓会でよみがえった初恋
4年前、地元開催の同窓会。会場のホテルロビーで目が合った瞬間、ダイスケは当時と同じ穏やかな笑顔で近寄ってきた。
「あの頃のキミが、今も忘れられないんだ」
その一言に、甘くほろ苦い初恋の記憶が一気に押し寄せた。
大学受験が忙しくなり自然消滅してしまった二人。若さゆえ互いを思いやる余裕もなく、不器用なまま別れてしまった日の空気まで思い出す。
「もう二度と人生が交錯することはないだろう」——そう思い込んでいた未来が、思いがけず重なり合った。
1年前、再び近づく距離

再会から3年後、ダイスケは転勤で東京へやってきた。
「僕の人生には欠けた部分がある。それを埋めてくれるのはキミだ」
キザなはずの台詞に滲む真剣さ。LINE通知のたび胸が高鳴り、心の奥に眠っていた感情がそっと目覚める。
猛アプローチを受けても、二人はあくまでプラトニックな関係を続けた。月に数回の食事、映画、美術館巡り。肩が触れるだけで十分満たされる……そう言い聞かせていたが、やがて小さな渇きが残り始める。
心と体の間で揺れる葛藤
食事や映画の帰り道、駅までの短い距離でジュンコは自問する。
「友情なら終わらない。でも体を重ねたら違う関係になってしまう?」
一線を越えれば、もしかして壊れてしまうかもしれない怖さ。それでも胸を満たすのは肉体よりも心。本当に欲しいのは、目に見えない部分でつながる深い安心感だった。
秘密のまま成熟する“今”を大切に

この関係を知っているのは、世界でジュンコとダイスケだけ。
将来何が起こるかはわからない。それでも、二人で過ごす静かな時間は日常をやわらかく照らすランプになる。かつての甘酸っぱい恋は、年月を経て熟成されたワインのように深い色合いを帯びた。
ダイスケと深く、静かに付き合っていこう。この関係を私たちはどう育むのだろうか?
——それは時間が教えてくれる。
そう心に刻みながら、ジュンコはスマホ越しに届く彼からのメッセージを、丁寧に、まるで大事な手紙のように読み返すのだった。
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