おなじみ発酵食品の意外な発見!

地域別に解説!豆腐・味噌・しょうゆが違う!?

公開日:2021.12.01

豆腐や味噌、しょうゆは、私たちが日常的に口にする機会も多い発酵食品。ですが、関東・関西・九州など地域によって特徴が異なるものもたくさんあります。今回は、豆腐、味噌、しょうゆの主だった地域の違いを紹介します。

地域によって違う「豆腐」9種類

地域によって違う「豆腐」9種類

豆腐は、正確な起源は不明ですが、中国では唐の時代(618~907年)の中期には存在していたとされています。日本には奈良時代に伝わったといわれます。長い間日本でも親しまれてきた豆腐。地域によって異なる豆腐を紹介します。

  • 福島県:つと豆腐

細長く切った豆腐をわらで包み、塩を加え、熱湯で煮たもの。優しいわらの香りと風味が特徴。味が染みやすいため、煮しめ料理によく使われます。

  • 富山県:五箇山豆腐(ごかやまどうふ)

型箱に入れた豆乳に石を載せて、硬くなるまで水分が抜いた豆腐。「わらで十字に縛っても崩れない」といわれるほど型崩れせず、大豆の味も濃縮されています。堅豆腐の一つ。

  • 岐阜県:いぶり豆腐

豆腐を一昼夜みそ漬けにして、煙でいぶした豆腐の薫製。チーズのような風味が特徴。岩手県や秋田県などにもあるそう。

  • 京都府:南禅寺豆腐

酒田市の南禅寺屋が発祥で、つるっとしたドーム型の豆腐。江戸末期に南禅寺で養生していた庄内の主人が、近所の豆腐屋から製法を学んで持ち帰ったのが始まりといわれています。

  • 鳥取県:とうふちくわ

木綿豆腐7、魚のすり身が3という割合で江戸時代から受け継がれている作りの豆腐。魚がぜいたくだった当時、藩主の「魚の代わりに豆腐を食べるように」という命により誕生したのだそう。

  • 島根県・山口県:すぼ豆腐

豆腐をわらで包み、ゆでたり味付して煮たりなど、保存性を高めた豆腐。岡山では同じすぼ豆腐をす巻きで筒の形にしたものを「すまき豆腐」といいます。

  • 徳島県:岩豆腐

ボリューミーな豆腐で、石豆腐とも呼ばれています。失敗しないよう、にがりを多くしたら硬くなったのだそう。この豆腐を「餅」の代わりにしている雑煮も有名です。

  • 愛媛県:イギス豆腐

海藻の一種イギスを大豆の粉と固めた豆腐。根菜やエビ、キクラゲなどの具材を入れる場合も。お正月やお盆、法事でよく作られます。 

  • 宮崎県:菜豆腐(などうふ)

野菜をゆでて、細かく刻んだものを加えた豆腐。平家カブに代表される青菜の他、春は菜の花、初夏には藤の花などを入れ、彩り鮮やかな見た目にもおいしい豆腐。

地域によって違う「味噌」3種類

地域によって違う「味噌」3種類

大豆と麹と塩と言う原材料は同じなのに、白味噌や仙台味噌、津軽味噌など、たくさんの種類がある味噌。主なエリアで好まれている味噌を紹介します。

  • 関東甲信越エリアの味噌

主流なのは、赤味噌。大豆を高温で長時間蒸して作られています。発酵・熟成する過程で味噌のアミノ酸などによって赤くなります。熟成期間が長めなので、塩分濃度が高めです。

  • 関西エリアの味噌

京都を中心に関西で好まれているのが「西京味噌」に代表される白味噌。西京味噌は、麹の量が多いのに加え、水飴を入れることもあり、甘い風味が特徴です。

  • 中部エリアの味噌

関東甲信越同様に赤味噌が好まれていて、特に「八丁味噌」が有名。八丁味噌は、色が濃い茶褐色で、独特な渋味と旨味が凝縮された味噌です。糖分が少なく、甘味は控え目。

地域によって違う「しょうゆ」4種類

地域によって違う「しょうゆ」4種類

しょうゆは、日本農林規格(JAS)に基づいて「こいくち」「うすくち」「さいしこみ」「たまり」「しろ」の5つに分類されています。気候や風土などが関係したそれぞれの地域の特徴を紹介します。

  • 全国エリアで流通しているしょうゆ「こいくち」

出荷量の8割以上を占める全国的に流通しているのが、透明感のある明るい赤橙色の「こいくち」。大豆や小麦、食塩、蒸した大豆に加え、小麦粉に麹菌や食塩水を混ぜて約半年かけて発酵、熟成されています。

  • 関西エリアの主なしょうゆ「うすくち」

主に関西地方でなじみがあるのは「うすくち」。こいくちと比べると、1/3ほどの淡い色で、こいくちより塩分が多く、甘酒が使われているのが特徴です。

  • 山陰・九州エリアのしょうゆ「さいしこみ」

山口県で誕生した「さいしこみ」が好まれています。醸造を繰り返す製法(再仕込み)から名付けられ「甘露しょうゆ」とも呼ばれています。仕込みに食塩水の代わりにこいくちを使ったしょうゆ。黒みがかった色をしていて、濃厚な味と香りが特徴です。

  • 中部地方のしょうゆ「たまり」・「しろ」

黒みがかった濃い色が特徴の「たまり」が好まれ、高温多湿な愛知県で発祥したとされています。濃厚なうま味とトロリとした食感が特徴で、主な原料は大豆や食塩が使われています。

また、同様に愛知県で誕生したのが「しろ」。原料は、主に小麦で、大豆も少々使用されています。濃厚なたまりと異なり、色が薄く強い甘未と独特の香りが特徴です。

地域によってさまざまな発酵食品があるので、ご当地商品としてお土産などにもよさそうですね。

 

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ハルメク365編集部

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