がん闘病中のお金の不安を減らす#2
治療費が高額になったときに知っておきたい6つのこと
治療費が高額になったときに知っておきたい6つのこと
公開日:2023年02月08日
黒田尚子さんのプロフィール

黒田尚子(くろだ・なおこ)
FP(ファイナンシャルプランナー)。2009年末に乳がん告知を受け、翌年に右乳房の全摘出手術を受ける。その後、乳がん体験者コーディネーターの資格を取得。
病気や介護に対するお金の備えの重要性を訴える活動を行う。著書に『がんとお金の本』(ビーケーシー刊)。

〇〇があれば高額を立て替えずに済む
「限度額適用認定証」を発行すると、高額を立て替えずに済むことがあります。
高額療養費制度は事後申請なので、いったんはお金を立て替えなければなりませんが、「限度額適用認定証」を事前に申請しておけば、窓口で支払うのは自己負担限度額のみでよくなるのです。
各健康保険組合や地域の国民健康保険課窓口で申請が可能です。
負担が大きいとお金が戻ってくる制度とは?

介護費と医療費を合算して負担が大きいと、お金が戻ってくることがあります。
同一世帯で年間に支払った医療費と介護費の自己負担額の合算が一定額を超えた場合、「高額医療・高額介護合算療養費制度」を利用すれば、一部お金が戻ってくることがあります。
自分が該当しているかは、厚生労働省のホームページか地域の国民健康保険課・介護福祉課窓口で確認してください。

病状によっては年金制度の見直しも
がんでも一定要件を満たせば、公的年金制度の障害年金を受給できます。
ただし、初診から1年半以上症状が固定化し、それ以上の治療の効果が期待できない場合のみなど要件は非常に厳しいです。可能性があるということだけでも覚えておきましょう。

治療費の相談はここへ!
がんの治療費やさまざまな助成制度の相談をしたいときは、相談支援センターや各医療機関のソーシャルワーカーが頼りになります。本人に限らず家族も相談ができます。
日本対がん協会の「がん相談ホットライン:☎03‐3541‐7830」など電話で相談できる窓口もあります。

医療費控除の還付金を多くするコツ
医療費控除は、同一世帯の収入が高い方が適用を受けると還付金が多くなることがあります。
この制度は、年間の医療費が10万円を超えると所得控除が受けられるというもので、「控除対象額×所得税率」で計算するので収入が高い方が適用を受けるのがおトクです。
ただし、所得が200万円未満の場合は10万円以下でも控除を受けられるのでケースバイケースです。

できる?がん告知しないで保険適用
「指定代理請求制度」なら本人以外が保険金を申請できます。
がん保険など給付金の受取人は被保険者が基本ですが、がん告知を希望せず本人が保険金を請求できない場合などの事情があるときに活用できる制度です。
事前に本人の同意のもと登録しておけば代わりに請求できるので、いざというときに困りません。
次回は、がん保険はどう選ぶ?先進医療は受けるべき?など、多く寄せられる保険と治療についての質問に、がん経験ありの私がズバリ本音でお答えします。
取材・文=塚本由香(編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2020年12月号を再編集し、掲載しています。
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