- ハルメク365トップ
- 美と健康
- 健康
- お金のプロのがん体験談!お金以上に大切だったこと
初期の乳がんを克服したファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんの体験談を紹介します。がんになったときの備えには、お金以上に大切なものがあることに気付かされたそうです。
初期の乳がんを克服してわかった、お金以上に大切な備え
深田晶恵さん (53歳)
ファイナンシャルプランナー。生活設計塾クルー取締役。1967(昭和42)年生まれ。24年間で約4000件の相談を受ける。『定年までにやるべき「お金」のこと』(ダイヤモンド社刊)など。
これまで患者側からお金の相談を受ける立場だったファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんが、乳がんと診断されたのは2015年のこと。実際に患者の立場となって、がんになったときの備えには、お金以上に大切なものがあることに気付かされたそうです。
私が初期の乳がんと診断されたのは、2015年の秋。診断を聞いて正直ショックではありましたが、「乳がんは再発・転移をしない限り、すぐに死には至らない」という知識はあったので、悲嘆に暮れることはありませんでした。
高額療養費も利用して治療費を準備
まず考えたのはやはり、治療費のこと。最初の診断確定と手術前検査の通院にかかるお金は約5万円。入院・手術費は10日ほどの入院で仮に100万円近くかかったとしても、高額療養費を使えば、現役世代の私の場合、食事代の自己負担額(当時1食360円、現在は460円)を合わせて月に約10万円。
加入していたがん保険をあてにしつつも、給付金を受け取れるのは退院から数か月後なので、当座、これらの費用は貯蓄から支払うことに。これまで相談者に高額療養費の存在をお伝えしてきましたが、自分が大病をして、あらためて制度のありがたみを実感しました。
私の場合、手術を終えてからも長い治療が続きました。この術後の治療費の工面こそ重要。再発予防のための抗がん剤投与に1回約2万円、放射線治療は約20万円かかり、1年2か月でトータル70万円近くの医療費がかかりました。とはいえ、治療の種類や期間によりますが、がんの治療費に数百万円もかかるということはほぼありません。保険の利かない個室での入院を希望するなら、治療費+個室代を心積もりしておくといいでしょう。
「看護師さん」ではなく名前で呼んでみる
がんになってみて、お金と同様に、もしくはそれ以上に大事だと気付いたのが「コミュニケーション力」でした。病気に関する知識量で主治医との間にギャップを感じた私は、それを埋めるべく病気のことをとにかく調べ、外来の前後には予習復習。これほど勉強したのは、生まれて初めてでした。命に関わることとなると必死になるものですね。
外来ではノートを用意し、前もって質問をメモ。自分がわからないことを伝えることで医師との信頼関係が深まり、依存せずに治療に向き合えました。
看護師との関係性も大事。「看護師さん」ではなく、名前で呼ぶと私のことも覚えてもらえるようになり、具合が悪かったり、困ったりしたときに、スムーズに助けてもらえました。
治療のつらさから誰かに当たりたくなることもあるでしょうが、人との間に壁をつくってもいいことはありません。「納得できる医療を受けたい」という姿勢を見せることも、患者として大事なことではないでしょうか。
心の支えになった家族
最も心の支えになったのが、やはり家族です。私は、夫と義理の両親との4人家族。夫には診断を受けたその直後、病気のことを正直に伝えましたが、高齢の両親には、夫婦で今後のことを話し合った後に打ち明けました。
私の場合は抗がん剤治療が続いたので、家族が一丸となってサポートしてくれました。普段からお互いによく話をする一家だったからこそ、こうして支え合うことができたように思います。
がんは周囲の協力なしには一人では治せない病です。今日から備えられることがあるとすれば、家族や友人など身近な人たちと積極的にコミュニケーションをとっておくこと。そんな基本的なことではないかと感じています。
がんとわかってから今に至る、5年間の経緯
■2015年春
自分で胸にしこりを見つけたが、かかりつけの婦人科医に「脂肪だから大丈夫」と言われる。
■11月
診断・告知。乳がんだった義母の主治医に検診を勧められ、乳がんが見つかる。
■12月
がん専門病院へ転院。リンパ節への転移が見つかる。診断は「ステージⅡ」。
■2016年1月
乳房温存の部分切除手術を受け、11日間入院。
■2月
病理検査の結果により、再発予防のための抗がん剤と放射線治療が決定。
■3月
通院での抗がん剤投与が始まる。
■10月
抗がん剤治療終了。1か月に1度の放射線治療開始。
■12月
放射線治療が終わり、3か月に1度のホルモン治療のみに。
■2020年現在
ホルモン剤の服用継続中。再発も見られず、定期検診は年に1度。
取材・文=小林美香(ハルメク編集部)・清水麻子
※この記事は2018年10月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。
「がんへの備え」についてもっと知る
【インタビュー集】がんとの向き合い方
乳がんや肺がん、多発性骨髄腫…。雑誌「ハルメク」では、さまざまながんサバイバーの生きざまに
つい てインタビューしてきました。年齢も性別もがんの種類も違う人たちが、前向きに生きる軌跡の7つのインタビューを集めました。がんと向き合う専門医からのアドバイスも。- 30年以上、5度のがん闘病。「がんと仲良く付き合う」方法
- 乳がんで「全摘」…それでも人生の変化と捉え楽しむ
- 多発性骨髄腫で余命3年…病気になって感じた「幸せ」
- 93歳で胆のうがんを摘出!瀬戸内寂聴さんの死生観
- 「命を使い切る」全身がんとともに生きた樹木希林さん
- 腫瘍精神科の医師に聞く「心を前に動かす」方法
- がん哲学外来の医師が考える「限りある時間の生き方」の伝え方
【特集】もし明日がんと診断されたら
- 読者体験談!私はこうしてがんの不安を乗り越えた
- お金のプロFPのがん体験記!お金以上に大切だったこと
- 疑問スッキリ!60代からのがんにかかるお金のQ&A
- 賢い患者になる!よい医療の見つけ方・付き合い方(2020年3月公開)
雑誌「ハルメク」
女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら
-
値上がりを実感したものは何ですか
最近、なんでもかんでも値上がりですねえ。皆さん、値上がりを実感したものは何ですか? 私は電気料金が去年より1.5倍ぐらいになっていて驚きました。あと、よく飲んでいるコーヒーも3割ぐらい値上がりしていて困りました・・・
締切済み ベストアンサー2023.02.22 -
がんとともに生きるの映画を見逃してしまいました。
がんと共に生きるの映画を見逃してしまいました。白内障と 緑内障で眼科に通っております。見れるうちに見ておきたいとおもいまして 投稿させて頂きました。がんサバイバーとして今後の参考にさせて頂ければ とおもいます。よろしくお願いいたします。
締切済み2022.12.24 -
室内での日焼け対策は本当に必要ですか
日焼け対策という観点から、在宅時にレースのカーテンを閉める必要は本当にありますか。 直射日光が入ってなくても、紫外線は入ってきます。 UVカット素材のレースのカーテンもあります。 閉めたほうが紫外線が室内に入る量が減り日焼け対策になります。 皮膚ガンの可能性が少しでも下がります。 他にもメリットはあるでしょう。 前提: ・防犯の観点、外から見える、鳥がぶつかる、などの、日焼け以外の理由は今回除去してください。5階以上で外からは見えません。 ・直射日光は当たりません。 ・日焼けの観点から、本当に必要かどうか、でお願いします。 開ける派は、「閉めると暗い、閉めて電灯を点けるのと自然光は違う、開いていたほうが開放的」というのがあると思います。 閉める派は、「日焼けする、少しでも日焼けを抑えられる」というのがあると思います。 「人間は日焼け対策のためいつもレースのカーテンを閉めておく必要があるのか」という点についてどうでしょうか。 しかし、わたし個人としては、少々(人によって何が少々かという判断は異なりますが)日焼けしても、そこまでしてレースのカーテンを閉めて部屋を暗くする必要なないと感じています。ずっと薄暗いほうが、電灯をつけていても、精神的にまいりそうです。 (こういうと、他の方法で気分転換しましょうとか、いろいろご意見もあると思いますが・・・) 何が何でも日焼けを抑える、日焼けがいやだ、という方もおられるでしょう。 みなさんはいかがですか。
締切済み ベストアンサー2022.05.26 -
切れ毛、頭皮に良いシャンプートリートメント
45歳、主婦です。5年前くらいから、髪の痛みが激しくて悩んでいます。それまでは、誰からも綺麗だねと言われるほどだったのですが…… カラー(3年前からは白髪染め)は2ヶ月に1度くらい美容院に行ってます。パーマは20年くらいかけてません。 特にひどいのは切れ毛です。 色々調べて、食生活を気をつけたり、集中ケアやインバス、アウトバストリートメントも何年も続けています。 ケラスターゼ、ミルボルン、ルベル、モゴプレミアム、NMF原液トリートメント、イオニート、アミノミックス、DHCなども過去に続けてみましたが、特に変わらず…今のところ、アウトバスのモロッカンオイルがまとまりやすいので続けてます。 現在イリュージョニストのシャンプートリートメントを使っていますが、手に入りにくく、かなり高価なので、他のものを探しています。 おすすめの集中ケア、シャンプー、トリートメント、を教えていただきたいです。 宜しくお願い致します。
締切済み2022.05.13
-
巻き爪を予防する靴選び
健康的な足を守るために「靴選び」はとても重要。巻き爪や足トラブルを防ぐ靴の選び方と履き方をシューフィッターに聞きました。 -
「朝の尿モレ」これで解決
どっと押し寄せる朝の尿意。そんなやっかいな「朝の尿モレ」に特化した吸水パッドをハルトモさんがお試し!はたして効果は? -
薬局の待ち時間を解消
薬局でのキツい待ち時間。仕方ないとあきらめていませんか?アイン薬局のアプリを使えば、実は待ち時間問題は解消できるんです! -
突然の出費はこれで解決!
住宅ローンや子の教育費などお金がかかる50~60代。一方で親は高齢となり、その金銭面の援助も不安。解決策を探ります。 -
老化を早める「体の酸化」
体の酸化度(サビ度)をチェック!「老けやすい生活」を送っていませんか? -
1回10分~の健康習慣♪
一流講師のレッスン100以上!本会員は無料で受け放題!日替わり「まいにちレッスン」の詳細はこちら★