災い転じて福にする!生き方のヒント#1

横森美奈子さん「介護、乳がんも変化として捉える」

公開日:2022/02/09

更新日:2022/05/10

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日本のファッション業界の黎明期から現在まで、ファッションデザイナーとして活躍を続けている横森美奈子さん(72歳)。乳がんの闘病生活を送り、SNSでもその様子を発信しています。前向きな横森さんに、50代からの生き方のヒントを伺います。

横森美奈子さん「介護、乳がんも変化として捉える」

コロナ禍で乳がんが見つかって

雑誌「ハルメク」の連載でも活躍中で、大人の女性に向けた的確なファッションアドバイスが人気の横森美奈子さん。ショップチャンネルで自身のブランド「MINAKO★YOKOMORI」を手掛けるなど精力的に仕事に取り組んでいます。

そんな横森さんですが2020年7月に、乳がんのステージ1~2と診断されました。

「柔らかいしこりでしたが診断を受けたら、乳がんでした。20代の頃に急性肝炎で2か月入院した経験があるので、自分の体は丈夫ではなく、いつどんな病気になるかと過ごしてきたので、ああ来たか、とあまり驚きはしなかったです。ただ、入院前に仕事をどうやって片付けよう!とそっちでパニックにはなりました(笑)」

2週間の入院は「バカンス」!?SNSでは剃髪姿も披露

診断から、2か月後。仕事をひと段落させて臨んだ2週間の入院生活は、「入院バカンス」だったと茶目っ気のある例えをする横森さん。

「新型コロナウイルスの感染拡大で面会もできないですし、日常生活から隔離された2週間なんて。仕事も家事もしなくていい上に、上げ膳据え膳。趣味を堪能しようと、パソコンとスピーカーを持ち込んでYouTubeや映画を見て楽しんでいましたね。個人差があるようですが、全摘した外科手術の痛みも、規定量の痛み止めを飲むだけで抑えられたので、あまりつらくなくいい気分転換に思えたくらいです」

そんな横森さんの様子を知った友人からは、「あなたは、がんでも何でも楽しんでしまうのね!」と言われたそう。

「病気になると『何でこんなことに?』とつい自分を責めてしまいがちですが、なってしまった以上しょうがない。もちろん不安になることもありましたが、そんなときは自分で調べたり、経験者に聞いたりして解消しました。何かを調べる上でインターネットほど強力なものはないですから、私たち世代ほどパソコンは使えた方がいいですよね」

パソコンでのインターネット検索だけでなく、SNSも活用している横森さん。Facebookでは「Breast Cancer Days(乳がんの日々)」と銘打ち、乳がんの闘病生活のリアルを、当時から今も発信し続けています。

2020年12月31日には、使いやすくておしゃれな前髪ウィッグなどを含め、選び方について投稿
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2021年4月19日の投稿では、映画「エイリアン3」のシガ二―・ウィーバーのようなイメージになったと剃髪姿を披露
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「今や、乳がんは10人に1人がなる病気ですし、不安な人も現実を知ることで、どうすればいいのかということがわかると思います。私は幸い早期発見できましたが、情報が必要な人に届けたい、こんな例もあるよ、とリアルな情報を伝えることで必要な治療を怖がらないようになれたり、少しでもお役に立てればいいなと思って始めました」
 

人生に変化はつきものだから、楽しもうとする気持ちが大事!

横森美奈子さんの闘病記

入院や治療、食生活、健康状態、体型、髪型、ファッションなどを前向きに伝え続けて、今や「Breast Cancer Days」の更新回数は40回。乳がんによってもたらされた目まぐるしい変化すら「楽しんじゃおう」という姿勢が感じられます。

「ファッションデザイナーとして、私自身がリアルモデルでLLサイズを売りにしていたのに(笑)、5~6kg体重が落ちて1~2サイズダウン。髪もブリーチしてベリーショートにしたからすっかり別人になって、持っていた洋服も全然似合わなくなってしまいました。職業柄、妥協して服を着るなんて許せないから、クロ―ゼットの3分の2は取り替えることになったり。

でも生きていて別人になれるなんて、めったにないじゃないですか。戸惑いはありますが、今の自分に似合う洋服を考えるのが楽しくてしょうがありません。あと抗がん剤治療をした後は、くるくるとしたくせ毛になって面白かったり、今では健康的な毛髪がびっしり。剃髪効果かしら(笑)」

横森さんのように、劇的な変化を受け入れて楽しむ姿勢を持つことは、なかなかできないことではないでしょうか。

「私は、どちらかというと変化を好むタイプ。ファッションが仕事なので、常に新しいものが好きですし……。1995年に認知症の両親を、弟と姪と一緒に介護生活をするようになったときも、こんなにも生活が変わるんだ! と、大変な中にも面白さを感じていましたね。一人暮らしの生活から家族みんなで同居を始めることになって、仕事一筋から、突然主婦も、というような日々を送るようになりました。朝起きたら家族がいるという状況すら不思議で、ある意味現実感が持てないから楽しめたのかなと。突然、別世界にワープしたかのような気分でしたよ」

また「オーバーに聞こえるかもしれませんが、今やこの病気にかからなかった方がよかったとは思っていません」と語ります。

「病気に向き合って、自分の人生に対してより真剣になりましたし、仕事だったら何をやるべきか、もっと人の役に立ちたいとも考えるようになりました。思いがけずサイズダウンもしましたし(笑)、食事、運動と健康管理にも一層力を入れるようになったので、最近の健康診断の結果では人生で一番いい数値が出ました。まさに『一病息災』だと思っています」

同年代の友人になんと言われても「バカい」自分でいい


趣味を通じて出会った年下の友人と、時々は「夜遊び」も楽しんでいるという横森さん。年を重ねると交友関係も減りがちでは?と聞いてみたところ、「私、若いと言われるんですが、気が若いんです。というか『バカい』くらいなんですよ」と言います。

「自分がいくつだから何をしてはいけないとかは、一切考えていません。趣味と話が合えば友だちになっちゃうから、友人がひと回り以上若くても当たり前。ファッションをはじめパソコンや音楽……新しいもの好きなので、何かを知りたいときは、いつも年下の友人からになってしまうんですよね。同年代の友人からは『いつまでバカなことやってる?』と言われて傷ついたこともありましたが、人に迷惑を掛けなければ自分が何歳だからとか気にせず、余計なことにもこだわらず、思いっきり楽しめばいいのではないでしょうか」

次回は、闘病を機に一段と意識が高まったと話す「片付け」についてお伺いします。

横森美奈子さんのプロフィール

よこもり・みなこ 1949(昭和24)年生まれ。BIGI社で「MELROSE」「HALFMOON」等のチーフデザイナーを歴任。2002年「smart pink」ブランドディレクター、13年にはショップチャンネルで「MINAKO★YOKOMORI」を開始。『老けてる場合じゃないでしょ? 間違いだらけの大人のおしゃれ』 (ずっと美しい人BOOKS)などおしゃれに関する本も多数。

撮影=日高奈々子、取材・文=竹上久恵(ハルメクWEB編集部)

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ハルメクWEB編集部

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