気持ち悪いときの対処法とは？症状・原因・治療法・よくある質問【医師監修】

公開日：2025年10月22日

気持ち悪さでお悩みの50代・60代の女性のみなさんへ。この記事では、内科医の鳥越勝行先生の監修のもと、気持ち悪いときの対処法について分かりやすくお伝えいたします。

監修者

鳥越勝行

監修者鳥越勝行健康塾クリニック

#1 気持ち悪いときの対処法は？
#2 気持ち悪さを引き起こす原因とメカニズム
#3 診断方法と受診について
#4 気持ち悪さに対する治療法
#5 予防法と日常生活での注意点
#6 よくある質問（FAQ）
#7 まとめ

この記事3行まとめ

✓気持ち悪さの原因は消化器の不調やストレス、更年期などさまざまです
✓50代・60代は複数の要因が重なりやすいため、症状を正しく知ることが大切
✓安静にして消化の良い食事を心がけ、症状が続く場合は早めに受診しましょう

気持ち悪いときの対処法は？

「気持ち悪い」という感覚は、一般的に「吐き気」や「悪心（おしん）」とも呼ばれ、ムカムカして吐きそうになる不快な症状を指します。

50代・60代の女性の場合、この不快な症状は、単なる食べ過ぎや飲み過ぎだけでなく、加齢による消化機能の低下、更年期におけるホルモンバランスの乱れ、あるいは長年の生活習慣が影響している可能性があります。

また、ストレスや不安といった心の問題が体に現れているサインであることも少なくありません。ご自身の体の変化と向き合い、その原因を正しく理解することが、適切な対処への第一歩となります。

よく見られる身体的症状

気持ち悪さには、吐き気だけでなく、以下のようなさまざまな身体的症状が伴うことがあります。それぞれの症状がなぜ起こるのかを知ることで、ご自身の状態をより深く理解できます。

胃のむかつき、胃もたれ：胃の運動機能が低下し、食べたものがうまく消化されずに胃に留まることで起こります。
胸やけ、げっぷ：胃酸が食道へ逆流することで、胸が焼けるような不快感や、げっぷが出やすくなります。
めまい、ふらつき：自律神経の乱れや血圧の変動、あるいは耳の三半規管の問題が関係していることがあります。吐き気と同時に起こりやすい症状です。
冷や汗が出る：自律神経のうち、体を緊張させる交感神経が過剰に働くことで、体温調節がうまくいかなくなり、冷や汗が出ることがあります。
顔色が悪くなる：吐き気によって末梢の血管が収縮し、血の気が引いて顔色が悪く見えることがあります。
頭痛：ストレスや自律神経の乱れが原因で起こる緊張型頭痛や、片頭痛の前兆として吐き気が現れることもあります。
腹痛や下痢：ウイルスや細菌感染による胃腸炎や、ストレスによる過敏性腸症候群（IBS）などで見られる症状です。

これらの症状は、一つだけ現れることもあれば、複数が同時に現れることもあります。特に50代・60代の女性は、更年期の影響で自律神経が乱れやすく、これまで経験したことのないような多様な症状を同時に感じることがあります。

心理的な変化

体の不調は、心の状態にも影響を与えます。気持ち悪さが続くと、気分が落ち込んだり、何事にもやる気が起きなくなったりすることがあります。また、「また気持ち悪くなったらどうしよう」という予期不安を感じ、外出や人との交流を避けるようになるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。

特に、社会や家庭で多くの役割を担ってきた50代・60代の女性にとって、心身の不調は大きなストレスとなり得ます。

統計データ（厚生労働省調査より）

厚生労働省の国民生活基礎調査では、女性が訴える症状の中で「気分がわるい・吐き気がする」は常に上位に含まれています。特に中高年層においては、具体的な病名がつくものだけでなく、原因がはっきりしない「不定愁訴」として現れることも多いのが特徴です。

これは、更年期や加齢に伴う身体の変化、ストレスなどが複雑に絡み合っているためと考えられています。正確な統計データとして「気持ち悪さ」だけを抽出した大規模調査は多くありませんが、多くの女性が経験する一般的な症状であることは間違いありません。

気持ち悪さを引き起こす原因とメカニズム

主な原因

気持ち悪さを引き起こす原因は、一つだけとは限りません。複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。

1. 生理学的要因

消化器系の疾患：急性胃炎、胃食道逆流症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、便秘、腸閉塞、胆石症などが原因となります。これらの病気は、胃酸の過剰分泌や食べ物の通過障害などを引き起こし、直接的に吐き気を誘発します。
更年期障害：50代前後の女性にとって、気持ち悪さの大きな原因となりうるのが更年期です。女性ホルモン（エストロゲン）は、脳の視床下部という場所でコントロールされていますが、ここは自律神経の中枢でもあります。閉経前後にエストロゲンが急激に減少すると、脳が混乱し、自律神経の調節がうまくいかなくなります。その結果、胃腸の働きが不安定になったり、血管の収縮・拡張のコントロールが乱れてめまいや頭痛が起きたりし、吐き気につながるのです。
自律神経の乱れ：更年期だけでなく、強いストレス、不規則な生活、睡眠不足なども自律神経のバランスを崩す原因です。交感神経（アクセル役）と副交感神経（ブレーキ役）の切り替えがスムーズにいかなくなると、胃腸は必要以上に働きすぎたり、逆に動きが鈍くなったりして、気持ち悪さを感じやすくなります。
その他の病気：メニエール病などの耳の病気（平衡感覚の異常が吐き気を誘発）、脳腫瘍や脳卒中などの脳の病気（脳圧の上昇が嘔吐中枢を刺激）、心筋梗塞、糖尿病なども、吐き気を引き起こすことがあります。見過ごされがちですが、注意が必要です。

2. 環境的要因

食事内容：脂っこい食事、香辛料の多い食事、食べ過ぎ、早食いは胃に大きな負担をかけ、消化不良や胃もたれ、気持ち悪さの原因となります。
アルコールの摂取：アルコールは胃の粘膜を直接刺激し、吐き気を誘発します。
薬の副作用：服用している薬によっては、副作用として吐き気が現れることがあります。特に、痛み止めや抗生物質の一部でよく見られます。

3. 心理社会的要因

50代・60代の女性は、子どもの独立による「空の巣症候群」の寂しさ、親の介護の負担、夫婦関係の変化、あるいは仕事上の責任の増大や退職といった、さまざまなライフイベントが重なる時期です。また、ご自身の体力の低下や健康への不安、老後への経済的な心配など、考えることも多くなります。

こうした大きな環境の変化や、言葉にならない不安・緊張といった精神的なストレスは、自律神経やホルモンバランスに直接影響を与えます。その結果、原因がはっきりしない心因性の吐き気や食欲不振、喉のつかえ感（ヒステリー球）といった身体症状として現れることがあるのです。

発症メカニズム

気持ち悪さ（吐き気）は、脳の延髄にある「嘔吐中枢」が刺激されることで起こります。この嘔吐中枢は、さまざまな場所から情報を受け取ります。

例えば、消化管からの「食べ過ぎた」「有害なものが入ってきた」という信号、内耳の前提からの「体が揺れている」という乗り物酔いの信号、そして大脳皮質からの「不安」「ストレス」といった精神的な信号などです。これらの信号が嘔吐中枢に伝わると、吐き気を催す指令が全身に出され、私たちは気持ち悪さを感じるのです。

リスク要因

以下のような方は、気持ち悪さを感じやすい傾向があります。

ストレスを溜め込みやすい方
食生活が不規則な方
睡眠不足が続いている方
乗り物酔いをしやすい方
更年期を迎えている女性
胃腸が弱い方

診断方法と受診について

次に、受診する場合の流れについて説明します。

いつ受診すべきか

以下のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

突然、激しい吐き気や腹痛、頭痛が始まった場合
吐き気とともに、胸の痛みや圧迫感、冷や汗がある場合（心筋梗塞の可能性）
ろれつが回らない、手足がしびれるなどの症状がある場合（脳卒中の可能性）
何度も嘔吐を繰り返し、水分が全く摂れない場合
市販薬を飲んでも症状が改善しない、または悪化する場合
体重が急に減ってきた場合

診断の流れ

1. 問診で確認すること

医師は、診断の手がかりを得るために、以下のような質問をします。

いつから症状がありますか？
どのような時に気持ち悪くなりますか？（食後、空腹時、朝方など）
吐き気以外にどんな症状がありますか？（腹痛、頭痛、めまいなど）
最後に食事をしたのはいつですか？何を食べましたか？
現在、治療中の病気や服用中の薬はありますか？
ストレスに感じていることはありますか？
月経の状況や更年期の症状はありますか？問診は診断の重要な手がかりです。できるだけ詳しく医師に伝えましょう。

2. 身体検査

問診の後は、お腹の音を聞いたり、お腹を触って痛みや張りの場所を確認したりする腹部の診察（触診・聴診）が中心となります。その他、血圧測定や体温測定なども行います。プライバシーには十分に配慮して診察が行われますのでご安心ください。

3. 代表的な検査例

医師が必要と判断した場合、以下のような検査が行われることがあります。

血液検査：貧血や炎症の有無、肝臓や膵臓の機能などを調べます。
腹部超音波（エコー）検査：胆石や膵臓、肝臓などの状態を画像で確認します。
上部消化管内視鏡検査（胃カメラ）：食道、胃、十二指腸の粘膜を直接観察し、炎症や潰瘍、がんなどの有無を調べます。
心電図検査：胸の痛みを伴う場合など、心臓の病気が疑われる時に行います。

受診時の準備

受診する際は、以下のものを準備しておくと、限られた診察時間の中で医師に正確な情報を伝えることができ、スムーズな診断につながります。

健康保険証、お薬手帳（サプリメントや漢方薬を飲んでいる場合も忘れずに）
症状の詳細なメモ：可能であれば、以下のような点を記録しておくと非常に役立ちます。
いつから：症状が始まった具体的な日付
どんな症状が：気持ち悪さだけでなく、頭痛、腹痛、めまい、動悸など、伴う症状すべて
症状の程度：生活に支障がない程度か、横になりたいほどつらいか、など
どんな時に：食後、空腹時、朝、夜、特定の動作をした時など
きっかけ：ストレスを感じた、疲れている、特定の食べ物を食べたなど、思い当たること
食事内容：症状が出た日の食事内容（特に普段と違うものを食べたか）
睡眠時間：最近の睡眠の質や量
月経周期との関連（まだ閉経していない場合）

他の医療機関で受けた検査結果など日々の症状や気づいたことを簡単に記録しておくだけで、診断の大きな手がかりとなります。

受診すべき診療科

まずは、かかりつけの内科や消化器内科を受診するのが一般的です。更年期症状が疑われる場合は婦人科、強いストレスが原因と考えられる場合は心療内科が適切な場合もあります。

どこに相談すればよいか分からない場合は、まずはお近くのかかりつけ医に相談するか、自治体の保健所や相談窓口で情報を得ることをお勧めします。

気持ち悪さに対する治療法

治療方針の決定

治療は、原因となっている病気や状態に応じて行われます。医師は問診や検査の結果をもとに診断し、患者一人一人の状況に合わせて治療方針を決定します。

例えば、胃炎が原因であれば胃の炎症を抑える治療、更年期障害が原因であればホルモンバランスを整える治療、というように、根本的な原因にアプローチします。治療方針については、医師から十分な説明を受け、納得した上で治療を進めることが大切です。

薬物療法

気持ち悪さを和らげるため、また原因となっている病気を治療するために薬が処方されることがあります。

制吐薬（吐き気止め）：嘔吐中枢の働きを直接抑え、つらい吐き気を和らげます。
消化管運動機能改善薬：胃腸の動きを活発にし、食べ物の消化・排出を助けることで、胃もたれや吐き気を改善します。
胃酸分泌抑制薬：胃酸の分泌を抑え、胃の粘膜を保護します。胃食道逆流症や胃潰瘍が原因の場合に特に有効です。
漢方薬：体全体のバランスを整えることで、吐き気や胃の不快感を根本から改善するアプローチです。例えば、ストレスで気分がふさぎがちで、喉につかえ感があるような方には半夏厚朴湯（はんげこうぼくとう）、胃腸が弱く、食欲不振や疲れやすさを伴う方には六君子湯（りっくんしとう）などが処方されることがあります。
ホルモン補充療法（HRT）：血液検査などで更年期障害と診断され、症状が重い場合に検討されます。不足している女性ホルモンを補うことで、吐き気を含むさまざまな更年期症状の改善が期待できます。

薬の服用については、ご自身の判断で行わず、必ず医師の診断と指示に従ってください。副作用が心配な場合も、自己判断で中断せず、まずは医師や薬剤師に相談しましょう。

非薬物療法

薬を使わない治療法としては、生活習慣の改善が中心となります。また、ストレスが大きな原因である場合には、カウンセリングや認知行動療法といった心理療法が有効なこともあります。ご自身の判断で行わず、まずは医師に相談し、適切な指導を受けることが重要です。

生活習慣による管理

気持ち悪さを管理し、改善するためには、日々の生活習慣を見直すことが非常に重要です。薬物療法と並行して、以下の点を意識してみましょう。

食事の工夫

消化の良いものを選択：おかゆ、よく煮込んだうどん、豆腐、鶏のささみ、白身魚、バナナなどを中心に。
避けるべき食品を理解する：脂っこい揚げ物、香辛料の強い料理、チョコレートなどの甘いもの、コーヒーなどのカフェイン飲料は胃酸の分泌を促すため控えめに。
食べ方を見直す：1日3食にこだわらず、消化の良いものを少量ずつ数回に分けて食べる「分食」も有効です。就寝前の2-3時間は食事を控えるようにしましょう。

休息のとり方

質の良い睡眠を確保：毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる習慣をつけ、体内リズムを整えましょう。寝室の環境（温度、湿度、光、音）を快適に保つことも大切です。
昼間のリラックスタイム：昼食後に15分程度の短い昼寝や、静かに目をつぶる時間を作るだけでも、心身のリフレッシュにつながります。

運動のすすめ

無理のない範囲で体を動かす：食後の軽いウォーキングは、胃腸の動きを助けます。週に数回、30分程度の散歩から始めてみましょう。
ストレッチやヨガ：深い呼吸を意識しながら行うストレッチやヨガは、心身の緊張をほぐし、自律神経のバランスを整えるのに効果的です。

ストレスとの上手な付き合い方

自分のストレスサインに気づく：「気持ち悪さ」がストレスのサインかもしれません。何がストレスになっているのかを一度紙に書き出してみるのも良いでしょう。
リラックス法を見つける：ゆっくりお風呂に浸かる、好きな音楽を聴く、親しい友人とおしゃべりする、ガーデニングに没頭するなど、自分が心から「楽しい」「心地よい」と感じる時間を持つことが何よりの薬になります。

治療期間と予後

原因によって大きく異なります。食べ過ぎなど一過性の場合は数日で改善しますが、胃潰瘍や逆流性食道炎などの場合は数週間から数か月の治療が必要です。更年期障害や自律神経の乱れが原因の場合は、症状が長引くこともありますが、適切な治療とセルフケアによって、多くはコントロール可能です。焦らず、じっくりと治療に取り組むことが大切です。

予防法と日常生活での注意点

一次予防（発症予防）

気持ち悪さを引き起こさないためには、日頃からの予防が大切です。

バランスの取れた食事：暴飲暴食を避け、決まった時間に食事をとる。
十分な睡眠：体のリズムを整え、自律神経を安定させる。
ストレスを溜めない：自分に合ったリフレッシュ方法を見つける。
適度な運動：血行を促進し、胃腸の働きを活発にする。

二次予防（早期発見・早期治療）

「いつもと違うな」と感じたら、我慢せずに早めに医療機関を受診することが二次予防につながります。特に、定期的な健康診断は、胃がんなどの重大な病気の早期発見に不可欠です。50歳を過ぎたら、自治体のがん検診などを積極的に利用しましょう。

日常生活の工夫

症状を和らげ、上手に付き合っていくための日常的な工夫をご紹介します。

衣服の調整：お腹まわりを締め付けるベルトや窮屈な下着は、腹圧を上げてしまい、吐き気を誘発することがあります。ウエストがゴムのスカートや、ゆったりとしたワンピースなどを選び、体を解放してあげましょう。
姿勢を意識する：食後すぐに横になると、胃酸が逆流しやすくなります。最低でも30分は座ったり立ったりして過ごしましょう。また、デスクワークなどで猫背になりがちな方は、背筋を伸ばすことを意識するだけで、胃への圧迫が軽減されます。
飲み物の選び方：吐き気があるときは、胃に負担をかけない常温の水や白湯、カフェインの入っていない麦茶やハーブティーなどを、少量ずつこまめに摂取しましょう。冷たい飲み物や炭酸飲料は、胃を刺激することがあるので避けた方が無難です。
吐き気に効くツボ押し：乗り物酔いの時などにも使われる、吐き気を和らげるツボがあります。覚えておくと、外出先でも手軽に試せます。
内関（ないかん）：手のひらを上に向けたときの手首のしわの中央から、指3本分ひじ側にあるツボです。反対の手の親指で、少し痛みを感じるくらいの強さで5秒ほどゆっくり押し、離す、という動作を数回繰り返します。

家族・周囲のサポート

ご本人にとって、ご家族や親しい友人の理解とサポートは、何よりの心の支えとなります。しかし、どのように接すればよいか戸惑うこともあるかもしれません。大切なのは、まず本人のつらさに共感し、話に耳を傾けることです。

安心できる言葉をかける：「つらそうだね」「何かできることはある？」といった、相手を気遣う一言が、孤独感を和らげます。「気の持ちようだ」などと安易に励ますのではなく、「大変だね」と気持ちを受け止めてあげることが大切です。
具体的な協力を申し出る：食事の準備や買い物、掃除など、具体的な家事を「代わろうか？」と提案してあげることで、本人は休息を取りやすくなります。
受診を勧める・付き添う：本人が医療機関の受診をためらっている場合は、「心配だから、一度お医者さんに相談してみない？」と優しく背中を押し、「よかったら一緒に行くよ」と付き添いを申し出ることも、大きな安心につながります。

よくある質問（FAQ）

Q1: ストレスを感じると気持ち悪くなるのはなぜですか？

A: 私たちの心と体は、自律神経というシステムで密接につながっています。強いストレスを感じると、体を活動的にする「交感神経」が過剰に働き、胃腸の動きをコントロールしているバランスが崩れてしまいます。

その結果、胃酸が過剰に分泌されて胃の粘膜を傷つけたり、逆に胃の動きが鈍くなって消化不良を起こしたりして、吐き気や胃の不快感を引き起こすのです。「気のせい」ではなく、実際に体の中で変化が起きているのです。

Q2: 気持ち悪いとき、何科を受診すればよいですか？

A: まずは、かかりつけの内科や、胃腸の専門家である消化器内科を受診するのが一般的です。もし、ほてりやのぼせ、気分の落ち込みといった更年期特有の症状も強い場合は、婦人科への相談も有効です。

また、めまいや耳鳴りを伴う場合は耳鼻咽喉科、強い不安感など精神的なつらさが主な原因と感じる場合は心療内科が適切な場合もあります。どこに行けばよいか迷う場合は、まずはかかりつけ医に相談し、適切な診療科を紹介してもらうのが良いでしょう。

Q3: 気持ち悪いときに考えられる病気は何ですか？

A: 最も多いのは、胃食道逆流症、急性胃炎、胃潰瘍といった消化器系の病気です。しかし、それ以外にもメニエール病（内耳の病気）、心筋梗塞や狭心症（心臓の病気）、脳梗塞や脳腫瘍（脳の病気）など、さまざまな病気のサインである可能性もあります。

特に50代・60代の女性では、これらの病気のリスクも高まるため、自己判断は禁物です。症状が続く場合は、必ず医師の診察を受けて原因を特定することが大切です。

Q4: すぐにできる応急処置はありますか？

A: まずは楽な姿勢で安静にすることが第一です。ベルトなど体を締め付けているものを緩め、窓を開けて新鮮な空気を吸い、ゆっくり深呼吸してリラックスしましょう。枕を高くして上半身を少し起こすと、胃酸の逆流が防げて楽になることがあります。

水分補給は大切ですが、一度にたくさん飲むと刺激になるので、常温の水や白湯をスプーン一杯ずつなど、ごく少量から試すのがおすすめです。

Q5: どんな食事を心がければよいですか？

A: 胃に負担をかけない、消化の良い食事が基本です。具体的には、よく煮込んだおかゆやうどん、すりおろしたリンゴ、豆腐、脂肪の少ない鶏のささみや白身魚などが良いでしょう。野菜は、カボチャやジャガイモなどを柔らかく煮たスープなどがおすすめです。

逆に、脂っこいもの、香辛料などの刺激物、食物繊維の多いごぼうやきのこ類、極端に熱いものや冷たいものは、症状が落ち着くまで避けましょう。

Q6: 吐き気止めの市販薬を飲んでも大丈夫ですか？

A: 一時的な食べ過ぎや乗り物酔いなど、原因がはっきりしている場合に短期的に使用するのは有効です。しかし、市販薬を2-3日服用しても症状が改善しない場合や、吐き気以外の症状（激しい腹痛、頭痛、発熱など）がある場合は、自己判断で続けないでください。重大な病気が隠れている可能性もあるため、速やかに医療機関を受診し、医師の診断を仰ぐことが重要です。