70代の達人に学ぶ!元気になれる食べ方
食べ方のひと工夫で脳も体も元気に(1)ラクに作る工夫で食事を楽しむ
食べ方のひと工夫で脳も体も元気に(1)ラクに作る工夫で食事を楽しむ
公開日:2025年08月18日
教えてくれた人:料理家・スーパー主婦 足立洋子(あだち・ひろこ)さん
1951(昭和26)年、北海道生まれ。雑誌「婦人之友」の読者が集う「全国友の会」で料理講師を40年以上務める。NHK「あさイチ」にスーパー主婦として出演。『さあ、なに食べよう? 70代の台所』(扶桑社刊)など著書多数。
53歳で夫を亡くし、料理ができない時期を経験して

北海道に住む料理家の足立洋子さん。子どもが独立した53歳の頃、夫が倒れて急逝し、料理が全く作れなくなった時期がありました。
「当時は食べたいものが思い浮かばず、包丁も持てなくなって。夜に体が冷たくなってきて、朝から何も食べていなかったと気付くような日々でしたね。私は家族のためにごはんを作っていたんだと実感しました」
“自分をもてなそう”と感じるように

その頃、「日曜日に一人で家にいるのはつらい」と思った足立さんは、教会に通うようになりました。
「その教会のアメリカ人の神父様が私の様子を心配し、『ケーキを焼いたから食べにいらっしゃい』などとよく声を掛けてくれるようになって。ご自宅に伺うと、アメリカの文化なのでしょう、照明や音楽、料理の盛り付けなどが素敵で感激しました。こんなふうに自分におもてなしをしたいと感じて、徐々に元気を取り戻していきました」
以来、気に入ったランチョンマットや箸置きなどをそろえ、一人で食事をするときも必ず使って食事を楽しむことが習慣になりました。
緑、黄、赤、黒、茶を意識すると自然と栄養がとれる

栄養を計算しようと難しく考えず、緑、黄、赤は野菜類、黒は豆や海藻類、茶は肉類など5色を食事に取り入れています。「1食で全部とるのは難しいので1日単位で、まだ食べていなかった緑の野菜を足そう、などゆるやかに続けています」
“70代の壁”を越え、元気でいるために

「私はいつも明日は何を食べようとわくわくしながら眠るほど、食いしん坊です。そんな私が70歳を超えた頃、疲れやすさを感じ、つまずくことが増えるなど体調の変化を感じるようになりました。周囲の同年代もそうで、70代の壁ってあるのかもしれません」と足立さん。
だからこそ、無理せず料理ができる工夫をしています。「ラクにおいしいものを食べたい私は、食事作りは頭で考えることが7割、手を動かすことは3割と思い、まとめて作るなど負担のない方法を続けています。この先の毎日も存分に楽しむため、簡単料理を続けていきます」
“ベース菜”を常備して、栄養を無理なくとれるように

タマネギのドレッシング漬けは薄切りにしたタマネギ1個を軽く水に漬け、水を切り、酢大さじ2、サラダ油1/4カップ、塩小さじ1と混ぜ、容器に入れて冷蔵保存(約1か月)。サバ缶にのせるなど展開自在。なます、キャベツやミョウガの酢漬けも常備。
野菜、肉料理などまとめて調理・冷凍で、食事作りをラクに
4食分の分量をまとめて調理し、1食を当日食べ、3食分は小分けにして冷蔵・冷凍保存。ゆでた小松菜、切ったパプリカ、炒めたセロリに、ハンバーグ、ミートソースなどの肉料理も。
胃もたれしないよう、ご飯は自分に合う量で、小分けして冷凍

若い頃と同じ量のご飯を食べていたら、胃がもたれるように。今は週に1度、4合炊いたご飯を150gずつに小分けして冷凍。
取材・文=野田有香(ハルメク編集部)、撮影=原田直樹
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年1月号を再編集しています。




