
足の爪が切りづらい方必見!
年齢とともに爪の形が変化し、「足の爪が切りづらい」「爪が巻いてきてどう切ればいいか分からない」と悩んでいませんか?トラブルを防ぐための正しい爪のケア方法を専門家に伺いました。
公開日:2025年06月19日
年齢を重ねても「元気に歩きたい!」ということは、誰もが抱く願いです。歩く力を保つには、脚の筋肉やひざなどの関節の強さも大事ですが、実はそれ以上に重要なのが、足指や足裏など「足」の健康です。そこで、正しい足ケア法や足トラブル対策を3回に分けて紹介します。
医療法人社団青泉会 下北沢病院 理事長・医師。
1993年獨協医科大学卒業。下北沢病院理事長・医師。ロート製薬最高医学責任者。2016年、日本初の足病医療の総合病院として下北沢病院を設立。下北沢病院では「足の見えるか検診」も実施。近著に同病院医師団との共著『“歩く力”を落とさない! 新しい「足」のトリセツ』(日経BP刊)がある。
日本初の足病医療の総合病院である下北沢病院・理事長の久道勝也さんによれば、「歩く力」こそ、私たちの寿命、つまり心身の健康を左右するカギなのだといいます。
「2021年に発表されたイギリスの論文(下参照)をはじめ数多くの研究で、『キビキビ歩ける』ことが寿命や健康寿命達成率(※)に優位に働くという結果が出ています。これは、『歩く』行為が単に移動手段となるだけではなく、全身の運動機能の維持や、血液の循環に大きな役割を果たしているためです。
さらに、歩く際は体のバランスを取ったり、地面の凹凸を感じ取って体勢を変えたりと、無意識のうちに脳の広範囲を使っています。できるだけ長く歩く力を保ち続けることが、体と脳を活性化させながらいきいきと過ごすための最善策といえます」
※健康寿命達成率=がんや糖尿病といった10種類の代表的な慢性疾患、メンタル(抑うつ)や認知症、運動障害等がなく健康でいられる確率。
イギリスの調査では、「筋力(握力)」「歩く速さ」「肥満度」で一番寿命に関連するのは「歩く速さ」との結果が。最も平均寿命が短いグループと比べ、「歩くのが速い」と自己申告したグループの平均寿命は、女性では約15年も長いことがわかりました。
約47万5000人を10年間調査した、2021年のイギリスの論文によると……
(平均 … 年齢58.2歳 BMI 26.7)
すべてのBMIの区分で、キビキビ歩きのグループが最も長寿だった!
一方、歩行速度が遅く、 平均寿命が最も短いグループは……
女性で約15歳、男性で約21歳も平均寿命の差があった
歩く力の低下は自覚しにくいものですが、「さまざまな兆候があります」と久道さん。
「時速3.6km(1秒で1m歩ける速さ)が歩行速度の一つの目安。これは青信号の長さの基準になっているため、『急がないと青信号のうちに横断歩道が渡れない』という方は要注意です。
また歩く力には、足指や足裏など『足』の健康状態が非常に重要です。入浴中などに足をよく観察したり、靴底の減り方を確認するのも、足力低下を防ぐ一つの手立てです(下のチェック項目参照)」
【正しい減り方】
両足で左右対称に、かかとの外側と親指の下が少し減っていれば良し。着地と蹴り出しの体重移動がうまく行えています。
【左右非対称に減っている場合】
姿勢の悪さなどで片方の足に重心が偏っていたり、足のアーチが崩れて足の形が左右で違っている可能性が。
【内側だけが減っている場合】
かかとが内側に傾き、「回内足」になっている可能性が。放置すると外反母趾など痛みを伴う足の不調を招く。
【かかと全体が減っている場合】
後ろ重心でかかとを擦りながら歩いている。歩くときの衝撃を腰で受けるため、腰痛につながりやすい。
【外側だけが減っている場合】
歩行時に、かかとから足の内側へ重心を移動できていない。ひざに負荷がかかり、変形性膝関節症の原因にも。
・爪は変色していない?
爪が変色し分厚くなっている場合、爪の水虫「爪白癬」かも。外傷や、足に合わない靴が原因のケースも。
・足の血流を感じる?
足の甲や内くるぶしの後ろを触って脈を感じない場合、足の血流悪化の疑いが。歩行時の足の痛みや冷えの原因に。
・足の裏に異常は?
タコや魚の目がある場合、歩く際に特定の場所が擦れたり、足裏の一部に負荷が集中している可能性あり。
・足の指は変形していない?
親指が外側に変形している場合、外反母趾かもしれません。親指を上に反らせない方は、強剛母趾の疑いも。
足は体の末端にあって血流が届きにくく、また歩くたびに1日何千回も地面に打ちつけられる過酷な状況にあるため、「体の不調や老化が真っ先に出る部位」だとも、久道さんは指摘します。
足力を磨く上で特に大切なのは、足や足へつながる筋肉・腱の柔軟性を上げつつ、強く頑丈にしていくこと。また外反母趾や巻き爪など、足の病気に対処することです。
「さまざまな研究結果や私自身の経験から言って、足が何の不調もなく使える耐用年数は『50年』。『今は元気に歩けている』という方でも安心はできません。正しいトレーニングや、足の不調を放置せずしっかりケアをすることで“足力”を保ち、足の健康寿命を延ばしましょう」(久道さん)
次回は「足力」を磨く簡単足トレを紹介します。
取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、イラストレーション=高橋マサエ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年11月号を再編集しています
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