足指の変形を予防・改善する特効セルフケア
2023.10.302024年11月18日
足トラブルを自分で改善・予防#1
女性の「足トラブル」原因は?症状チェックリストも
足は体を支える大切な部位ですが、ケアを怠りがちです。特に50代以上の女性の9割が「足のトラブル」を抱えています。外反母趾や巻き爪の症状がある方はもちろん、痛みを感じない方も要注意。簡単な足のケアで健康な足を保ち、姿勢も美しく改善しましょう。
教えてくれた人:高山かおる(たかやま・かおる)さん
済生会川口総合病院皮膚科部長。一般社団法人「足育研究会」代表。医学博士。1995年、山形大学医学部卒業。足トラブルの治療法、セルフケア法を多くのメディアで発信。近著に『外反母趾、巻き爪、たこ・うおの目を自力で治す』(扶桑社刊)などがある。
足トラブルの兆候はこんな症状から
- 靴底がかかとの内側、または左右非対称にすり減っている。
- 靴の横幅がきつくなってきた。
- 足先をギュッと丸めたとき、足指の付け根に骨が浮き出ない。
- 爪が厚くなってきた。
- 爪の一部が白や緑に変色している。
- 足裏の皮膚に硬くなっているところがある。
“3つのアーチの崩れ”が足トラブルを引き起こす
50代以上の女性なら、9割が何らかの足トラブルを抱えています。足トラブルの症状はさまざまですが、「最も大きな元凶は足のアーチの崩れ」と話すのは、皮膚科医で足トラブルの専門家の高山かおるさん。
「足は、両足合わせて56個もの細かな骨で形成され、それが腱や靭帯(じんたい)、筋肉と緻密に組み合わさり、3つのアーチ構造を保っています。しかし、加齢や運動不足で筋肉・腱などがゆるむと、このアーチが崩れ、全身のバランスをとる力や、歩く際の衝撃を吸収する力が衰えます。結果、足にかかる重みが偏るなどして、骨の変形や爪・皮膚の異常を引き起こすのです」
健康な足は3つのアーチ構造が保たれています
内側の縦アーチ
土踏まずを形成するアーチ。歩く・走る際のバネの役割を果たし、衝撃を吸収する。崩れると扁平足などに。
前側の横アーチ
親指の付け根から小指の付け根までを結ぶ。足指で地面をとらえバランスをとる。崩れると開張足や外反母趾などに。
外側の縦アーチ
小指の付け根からかかとまでを結ぶ。効率よく体重を支え、歩く際の重心の移動をスムーズにする。崩れるとO脚などに。
女性はじん帯がゆるみやすいからリスクが高い
特に女性は靭帯がゆるみやすく高リスク。
「特に多いのが、足の前側の横アーチが崩れてベタッと広がってしまう“開張足”。放置するとタコやうおのめ、外反母趾の発症にもつながります。最近靴の横幅がきつくなってきた方や、足の指でグーをしたとき、MP関節という指の付け根部分の骨が浮き出ない方は要注意です」
「それでも痛まないうちは大丈夫」という考えに、高山さんは警鐘を鳴らします。...