『グレイッシュヘアのすべて』美容院の白髪染めの極意

プロ伝授!白髪を生かしたカラーリングで美しい髪型8

公開日:2020/12/21

更新日:2021/09/12

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白髪を生かしておしゃれな髪型になる白髪の染め方があります。ハイライトを使って、白髪の分量や生え方に合わせた色とデザインを、グレイヘアに向き合い続けて16年のプロがご紹介。美容院でオーダーするときのポイントも。

白髪を生かしたカラーリングで美しい髪型

白髪染めの頻度を減らすなら、白髪を生かしたカラーリングを

16年以上前からグレイヘアを提案し続けている美容院「タンガニーラ」の手束繭美(てつか・まゆみ)

「美容院で白髪染めをする頻度を減らしたいと思っているなら、美容師を味方につけて白髪を生かしたカラーリングとスタイルを一緒に考えるのが一番の近道です」と話すのは、16年以上前からグレイヘアを提案し続けている美容院「TANGA NILLA(タンガニーラ)」の手束繭美(てつか・まゆみ)さんと苫米地真弥(とまべち・まや)さん。

グレイヘアブームの立役者で、書籍『グレイッシュヘアのすべて』(株式会社髪書房刊)の著者でもあります。

白髪を生かしたカラーリングには、3つのコツがあるそう。まず、1色染めにしないで白髪を生かすこと。2つ目は顔まわりの白髪で、顔色まで明るくすること。3つ目は縦のラインを作り、白髪をツヤに見せることです。

また白髪の量や生え方によって、生かし方を変えるのはもちろん、白髪がちょっと伸びたときでも目立たず素敵に見せる方法は、美容院だからこそできる技だといいます。

読者の三浦恭子(みうら・きょうこ)さん(69歳)も、以前はきっちり白髪染めをしていた一人。「濃い色一色で染めるから、3週間後には生え際が目立って染め直し、の繰り返し。髪や頭皮が傷むし、染料で髪が重くなってボリュームがなくなるし……」と、白髪染めを続けることでお悩みでした。

そこで手束さんが提案したのが、次の方法です。

「白髪を隠すのではなく、白髪に地毛の色を寄せていく白髪を生かしたカラーリングを行いました。ポイントは白髪と地毛の境目を明るくぼかしていくこと。そうすれば、白髪が伸びても目立たなくなり、カラーリングの回数を減らしていけます」。

さらに白髪は扱い方次第で髪のツヤに見え、若々しく見える効果も。「髪や頭皮に負担をかけないから、髪が元気になってきたみたい」と三浦さんもうれしそう。

「白髪が増えると、クセやパサつきなど悪さをし始めます。カットやパーマも合わせてスタイルを作っていきましょう」と苫米地さん。

白髪と地毛の境目をぼかしていくヘアカラー

三浦さんが、白髪を生かしたカラーリングを始めて1年間で素敵に変身した様子をお伝えします。

※画像は複数あります。Yahooで閲覧している方は、画像をスライドして確認ください

白髪染めをやめて1か月

白髪染めをやめて1か月

自宅染めと美容院の白髪染め、両方していましたが、子育て、孫の世話も一段落し、「これからは、何にも縛られずに生きていきたい!」と白髪染め卒業を決意。生え際の白髪が目立って、気になります。

7か月後

白髪染めをやめて7か月後

白髪染めの染料が濃く残る髪は切って短く。白髪の生え際が目立たないよう明るく染めて、白髪との境目をぼかしてなじませました。

1年後

白髪染めをやめて1年後

明るめの白髪と暗めの地毛の中間色を細くカラーリングして、トーンアップ。白髪は染めず、毛先まで明るくして縦のラインを作り、ツヤに見せています。

1年3か月後

ふんわり、ツヤもある上品なグレイヘアに大満足!
ふんわり、ツヤもある上品なグレイヘアに大満足!

品よく柔らかな色合いの、三浦さんの今を素敵に見せるグレイヘア。ボリュームがないのも悩みでしたが、染める回数を減らしてから、髪にハリとツヤが出始めました。「今は自分に手をかけるのが楽しくて。第三の人生が始まった気分です」

白髪の量と生え方別、白髪を生かしたカラーリング術

白髪の量によって、白髪の生かし方も変わります。

白髪率30〜60%の人は「ぼかし」

顔まわりの白髪は染めずに、白髪の生え際とつながるように毛先までブリーチして縦のラインを作って、目立たなく。さらに明るい色と暗い色のカラーを加えて全体をぼかします。

白髪率30〜60%の人は「ぼかし」

白髪率60〜80%の人は「生かす」

全体的に白髪が増えるので、明るい色みと暗い色みを効果的に入れながら、髪全体をトーンアップしていきます。顔まわりに増えた白髪は、生え方を生かして個性を出しても。

白髪率60〜80%の人は「生かす」

白髪率80%以上の人は「効かす」

ほとんど白髪になったら、老け見えさせないお手入れが肝。ツヤをキープして、ボリュームダウンはパーマでカバー。あえて白髪に暗い色を加えることで全体にメリハリが出ます。

白髪率80%以上の人は「効かす」

次からは、「ぼかし」「生かす」「効かす」で、それぞれどのようなカラーリングの仕上がりになるのか、またそれをどのように美容師にオーダーするかを見ていきましょう。

白髪率30%、顔まわりに白髪多い人の「白髪ぼかし」のワザ

白髪が気になり始めた白髪比率30~60%の方は、白髪を生かしたカラーリングで黒髪との差を自然に色で“ぼかし”を入れることで、悪目立ちせず素敵に仕上げることができます。

白髪染め卒業歴 約1年 柳澤尚美さん(56歳)
白髪染め卒業歴 約1年 柳澤尚美さん(56歳)

前髪やこめかみの“白髪のライン”をおしゃれに見せ、ストレスフリーに

約8年前からこめかみに白髪が目立ち始め、伸びると染めなくてはとストレスだった柳澤さん。苫米地さんは、「黒髪を明るくし、縦のハイライトを入れ、白髪とつなぎました。ちょっと生えてきても目立ちません」。柳澤さんは「白髪を抵抗なく楽しめます」と笑顔です。

全体を一色に染めず、白の塊をうまく生かしたデザインに。
全体を一色に染めず、白の塊をうまく生かしたデザインに。

白髪を生かしたカラーリングのオーダーのコツ

黒髪を明るくし、縦のハイライトを細かく入れて、こめかみの白髪になじませる

白髪率50%、顔まわりに白髪多い人の「白髪ぼかし」のワザ

顔まわりに白髪多い人の「白髪ぼかし」のワザ
白髪染め卒業歴約3年 門脇尊子さん(55歳)

耳のまわりの白髪を隠さず残すことで、顔色まで明るく

40代後半から顔まわりに白髪が目立ち始め、美容院と自宅で染めていた門脇さん。手束さんは、「白髪染めの代わりにカラートリートメントとメッシュを入れながら約1年で今の状態に。顔まわりに白髪が多いと分け目が割れがちなので、前髪を短くしパーマをかけ、明るい2色で白髪をなじませました」。門脇さんは、「白髪を隠さず耳にかけて楽しめるようになりました!」

白髪を毛先まで明るい色でつなぐと伸びても目立ちにくい。
白髪を毛先まで明るい色でつなぐと伸びても目立ちにくい。

白髪を生かしたカラーリングのオーダーのコツ

顔まわりの白髪は、染めずに、明るい色のメッシュを回りに入れて、目立ちにくくする

白髪率30%、全体的に白髪があるタイプの「白髪ぼかし」のワザ

全体的に白髪があるタイプの「白髪ぼかし」のワザ
白髪染め卒業歴 約2年 江田朋百香さん(64歳)

白髪をツヤに見せる決め手は、黒髪と白髪の間に“中間色”を入れること

60歳前後で白髪が気になり、ヘナで染めていた江田さん。手束さんは、「オレンジ色が強い状態からメッシュを入れてカットしながら半年かけて整えました。黒髪と白髪の間に中間色を入れ、白髪をツヤに見せています」。江田さんは「今はもっと白髪が増えてほしい!」

本来気になるはずのこめかみの白髪がアクセントに。
本来気になるはずのこめかみの白髪がアクセントに。

白髪を生かしたカラーリングのオーダーのコツ

黒髪と白髪の中間色を細い束で全体的に入れてなじませる

白髪率60%、全体的に白髪があるタイプの「白髪ぼかし」のワザ

白髪染め卒業歴約2年 大久保麻衣子さん(51歳)
白髪染め卒業歴約2年 大久保麻衣子さん(51歳)

明るい色と暗い色を入れてなじませ、白髪だからできる憧れの色を実現!

20代後半から白髪が目立ち、白髪染め期間が長かった大久保さん。今のような色に染めたくても昔は技術がなく断念していたそう。手束さんは、「白髪をべったり染めず2色の茶色で染めています。白髪の面積が増えると顔色もより明るく見えます」。大久保さんは「ずっと憧れていた、白髪だからこそできる髪色なので、毎日が楽しいです」。

前側と後ろ側で色の差が出ないよう、バランスよく色を入れてなじませる。
前側と後ろ側で色の差が出ないよう、バランスよく色を入れてなじませる。

白髪を生かしたカラーリングのオーダーのコツ

明るい色と暗い色の2色の茶色を入れて、白髪を全体的になじませる

白髪率70%の顔まわりに白髪が多いタイプの「生かし」ワザ

白髪が増えてきた白髪比率60~80%の方は、暗い色をバランスよく入れ、白髪をデザインにして“生かし”ましょう。

白髪染め卒業歴約2年 Rinkoさん(68歳)
白髪染め卒業歴約2年 Rinkoさん(68歳)

顔まわりの白髪をそのままハイライトとして活用して、パッと明るい印象に

約2年前、グレイヘアの書籍を見て、「この方のような髪型にしたい」とタンガニーラを訪れたRinkoさん。

手束さんは、「彼女の生え方の場合は顔まわりに白髪の束があるので大胆に生かすと素敵。顔まわりの白髪には色を入れずに、ハイライトとして活用しています。後頭部はまだ前側ほど白髪が多くないので、黒と茶色の繊細なグラデーションで前後差を目立たなくしています。前髪の割れやボリュームの問題は、くせ毛をいかしたパーマで解決。ふんわり華やかに魅せています」。

Rinkoさんは「先日、店頭で真っ赤なセーターを合わせたら『似合います。髪のせいでは?』と言われ、そうなのよ!とうれしくなりました。髪のアレンジも楽しいです」と言います。

Before 黒や栗色の一色染めをしていた頃。
Before/黒や栗色の一色染めをしていた頃。
黒と茶で繊細なグラデーションを作り、前側と後ろ側の差を目立たなくしています。
黒と茶で繊細なグラデーションを作り、前側と後ろ側の差を目立たなくしています。
あえて白髪には色を入れず、ダメージを抑えました。
あえて白髪には色を入れず、ダメージを抑えました。

白髪を生かしたカラーリングのオーダーのコツ

顔まわりに白髪が多い場合は色を入れずに、ハイライトとして大胆に利用する。

白髪率80%、全体的に白髪が多いタイプの「生かし」ワザ

白髪染め卒業歴約5年 安田敦子さん(60歳)
白髪染め卒業歴約5年 安田敦子さん(60歳)

“2色使い”で、白髪をパサつかせずつややかに見せて

白髪が多く、30歳頃から染め続けてきた安田さん。3週間に1度染めるのが習慣になり、タンガニーラで「頭皮が真っ赤」と言われたそう。手束さんは、「一色染めをやめて頭皮をしっかりケア。全体的に白髪が多いと乾燥でパサつきやすいので、ツヤが出るよう、暗い色を2色使って陰影を作りました」。安田さんは、「街を歩いていてもおしゃれね、と声をかけられます」。

白髪に、暗い色を2色入れてツヤ感を出しています。
白髪に、暗い色を2色入れてツヤ感を出しています。

白髪を生かしたカラーリングのオーダーのコツ

暗い色の2色使いで陰影を出し、白髪をハイライトのように引き立てる。

白髪率90%、パーマやアクセントカラーを「効かす」ワザ

ありのままの白髪では、ぼんやりした印象で老けて見えます。パーマやアクセントカラーをきかせメリハリを出しましょう。

白髪染め卒業歴7年 三上甫左子さん(73歳)
白髪染め卒業歴7年 三上甫左子さん(73歳)

白髪にあえて濃い色を入れてパーマの動きを引き立たせ、地肌の透けも上品にカバー

母親のグレイヘアに憧れて、一度も白髪染めをしたことがないという三上さん。残すは襟足部分のみですが、なかなか白くなりません。そこで「襟足に近くなるにつれてカラーの割合を増やし、頭頂部との差がなじむようにしています」と手束さん。

さらに「白髪はパサつくし、クセが出やすいので、ありのままでは絶対ダメ。パーマやカットも活用しましょう」。三上さんも「毎朝、ヘアワックスをもみ込むくらいで髪型が決まるのですごくラク。後頭部の絶壁も目立ちません」とその効果を実感。ほんの少しのカラーで、顔も引き締まって若々しさが生まれました。

Before/襟足以外は白髪100%。そのままだと、表情までぼんやりした印象に。
Before/襟足以外は白髪100%。そのままだと、表情までぼんやりした印象に。
段をつけたカットとパーマで頭頂部にボリュームを出せば目隠し効果に。
白髪はつむじなど地肌が透けるのが目立ちやすい。段をつけたカットとパーマで頭頂部にボリュームを出せば目隠し効果に。

白髪を生かしたカラーリングのオーダーのコツ

全体にパーマをかける。黒や濃茶のカラーを、細め、太めの毛束を混ぜながら、ピンポイントで入れる。

グレイヘアでもロングヘアで素敵に!

白髪染め卒業歴約1年 鈴木すぎ代さん(65歳)
白髪染め卒業歴約1年 鈴木すぎ代さん(65歳)

白髪が増えるとケアが大変で、ショートカットにする方も多いのでは? 手束さんは、「ロングヘアを諦める必要はありません。白髪や頭皮をヘッドスパなどでケアをすれば、ツヤが出てうねりも予防でき、美しい毛流れになります。顔まわりが明るくなり、白髪だからこそできるロングヘアも楽しめます。美しいグレイヘアは一日にしてならず。毎日のケアに力を入れましょう」。

白髪の脇にあえて暗い色を入れると白髪が美しく引き立ちます。
白髪の脇にあえて暗い色を入れると白髪が美しく引き立ちます。

教えてくれた人

美容院TANGA NILLA(タンガニーラ)

美容院TANGA NILLA(タンガニーラ)

手束繭美(てつか・まゆみ)さん
苫米地真弥(とまべち・まや)さん

東京・二子玉川の美容院TANGA NILLAは、一人一人の魅力を生かしたグレイヘアを作るパイオニア的存在。著書『グレイッシュヘアのすべて』(髪書房刊)が好評発売中。

電話03-3707-1696
東京都世田谷区玉川3-12-6
カーサアレグレ1階
毎週火曜日と第1・3水曜日定休


取材・文=野田有香、長倉志乃(ともにハルメク編集部)、撮影=深谷義宣(auraY2) イラストレーション=フジマツミキ、写真提供=『グレイッシュヘアのすべて』(髪書房刊)

※この記事は2020年1月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。記事内の年齢は取材時点のものです。

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雑誌「ハルメク」2021年1月号

 

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