除脂肪体重・筋肉量って何?知っておきたい基礎知識

体脂肪率やBMIの計算方法を知って肥満度チェック!

小林広和
監修者
株式会社アウトライン 代表 NSCA-CPT認定パーソナルトレーナー
小林広和

公開日:2022.07.08

更新日:2024.10.17

計算してダイエット&減量に活かそう!4つの数値

ダイエットや減量を行うときに気になる「体脂肪率」ですが、その他にも健康管理や体型維持のために知っておくと便利な数値があります。

以下の4つの数値を知っておけば、よりダイエットを効果的に行いやすくなるでしょう。

  • BMI:身長と体重のバランスから肥満度を算出した数値
  • 体脂肪率:体に占める脂肪の割合をパーセンテージで表示した数値
  • 除脂肪体重:体重から脂肪の重さを引いた数値
  • 筋肉量:体重から脂肪・骨・水分の重さを引いた数値

なお、計算によって算出できるのはいずれの数値の場合も目安であり、正確な数値ではありません。正確な数値が知りたい場合は、病院など専門的な設備のある機関で計測しましょう。

BMI:身長と体重のバランスから肥満度を算出した数値

BMI:身長と体重のバランスから肥満度を算出した数値

BMI(Body Mass Index/ボディ・マス・インデックス)とは、疫学調査に基づいた国際的な指数で、体重と身長から肥満度を計算します。BMIは、体格指数とも呼ばれます。

BMIは成人にのみ用いられる指標で、子どもの場合、幼児はカウプ指数、学童にはローレル指数が使われます。

BMIの計算式は世界共通ですが、肥満の判定基準は国によって異なり、日本肥満学会が定める目安となるBMI指数は以下です。

【BMIの目安】

  • 〜18.5未満……低体重(痩せ型)
  • 18.5~25未満……普通体重
  • 25~30未満……肥満レベル1
  • 30~35未満……肥満レベル2
  • 35~40未満……肥満レベル3
  • 40以上〜……肥満レベル4

また、日本肥満学会では、BMI22を統計的に最も病気になりにくい適正体重(標準体重)としています。

BMIの計算方法

BMIは、以下の式で計算します。

【BMI値 = 体重(kg)÷(身長(m)× 身長(m))】

たとえば、身長が150cmで体重が45kgの場合、「45kg÷(1.5×1.5)=20」でBMIは20となり、日本肥満学会が定める基準では、普通体重となります。

BMI指数を活用した標準体重の計算方法

BMIの適正値とされる「22」という数値を利用して、標準体重を計算することも可能です。標準体重とは、痩せ過ぎでも太り過ぎでもなく、最も健康的に生活が送れることが統計的に認められた体重のことを指します。

以下が、標準体重の計算式です。

【標準体重 = 身長(m)× 身長(m)× 22】

たとえば、身長が150cmの人であれば、「1.5×1.5×22=49.5kg」が標準体重となります。なお、これはあくまで計算によって算出できる一つの目安です。筋肉の付き方や骨格によっても最適な体重は異なります。

体脂肪率:体に占める脂肪の割合を%で表示

体脂肪率:体に占める脂肪の割合を%で表示

体脂肪率とは、体重に占める体脂肪の割合をパーセンテージで表したものです。人間の体には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類の脂肪があり、「内臓脂肪+皮下脂肪=体脂肪」となります。

体脂肪率を測ることで、太り過ぎや痩せ過ぎを防ぐことにつながります。タニタが公開している体脂肪率判定表では、40代・50代・60代以上の男女の体脂肪率の平均値は以下となっています。

【女性の体脂肪率の平均値】

  • 40〜59歳の女性
  • 痩せ……21%以下
  • 標準(-)……22〜28%
  • 標準(+)……29〜35%
  • 軽度肥満……36〜40%
  • 肥満……41%以上
  • 60歳以上の女性
  • 痩せ……22%以下
  • 標準(-)……23〜29%
  • 標準(+)……30〜36%
  • 軽度肥満……37〜41%
  • 肥満……42〜45%

【男性の体脂肪率の平均値】

  • 40〜59歳の男性
  • 痩せ……11%以下
  • 標準(-)……12〜17%
  • 標準(+)……18〜22%
  • 軽度肥満……23〜27%
  • 肥満……28%
  • 60歳以上の男性
  • 痩せ……13%以下
  • 標準(-)……14〜19%
  • 標準(+)……20〜24%
  • 軽度肥満……25〜29%
  • 肥満……30%

体脂肪率の計算方法

体脂肪率の計算の仕方は、一般的には「体脂肪率(%)=体脂肪量(kg)÷ 体重(kg)× 100」の式が使われます。しかし、自分の体脂肪量を知っている人はなかなかいないでしょう。

現在は、家庭でも簡単に体脂肪率を測定可能な体組成計や体重計が比較的安価で販売されているので、それを使って測るのがおすすめです。

除脂肪体重:体重から脂肪の重さを引いたもの

除脂肪体重:体重から脂肪の重さを引いたもの

除脂肪体重はLBM(Lean Body Mass)とも呼ばれ、体重から脂肪組織の重さを引いた数値のことを指します。除脂肪体重には筋肉や骨格、皮膚、臓器、水分などが含まれます。

成人した人間の臓器の重さは一生を通じてほぼ変わらないといわれており、骨密度は加齢によって減少するものの、除脂肪体重の増減に大きな影響を与えることはありません。

そのため、除脂肪体重に影響するのは体内の筋肉量と水分量です。除脂肪体重は基礎代謝に関係していることがわかっており、筋トレを行う際、筋肉の増加の確認の目安としても使われます。

除脂肪体重の計算方法

除脂肪体重は、以下の式で計算します。

【除脂肪体重(kg) = 体重(kg) ×(100−体脂肪率(%))÷ 100】

たとえば、身長150cm、体重45kg、体脂肪率25%の人であれば「45×(100−25)÷100=33.7で、除脂肪体重は33.7kgとなります。

筋肉量:体重から脂肪・骨・水分の重さを引いたもの

筋肉量:体重から脂肪・骨・水分の重さを引いたもの

筋肉量とは、体重のうち脂肪・骨・水分の重さを引いた数値のことを指します。筋肉量を計算すれば、代謝の高さや筋力の高さがわかります。

ダイエットや減量では、筋肉量も大切です。肥満にはさまざまな理由がありますが、食べ過ぎや飲み過ぎなど摂取エネルギー過多以外にも、筋肉量の減少も太る原因となります。

筋肉は体を支え、体温を作り出しています。基礎代謝(何もせずじっとしているだけでも消費する、生命維持のために最低限必要なカロリーのこと)の中でも最も多くエネルギーを消費しているのが、筋肉なのです。

筋肉が減ると代謝が落ち、これまでのように体温を維持することができなくなります。そこで体は熱を逃さないように筋肉の減少分を脂肪で埋めようとし、肥満へとつながっていきます。

筋肉量を計算すれば、トレーニングや運動の結果の筋肉量の変化もわかるため、ダイエットや減量、筋トレのモチベーション向上・維持にもなるでしょう。

筋肉量の平均値は、性別とBMI指数によって変わります。

【男女別の全身筋肉量の平均値】

◆女性

  • BMI値24.9以下:全身14.0kg
  • BMI値25.0以上:全身17.0kg

◆男性

  • BMI値24.9以下:全身22.0kg
  • BMI値25.0以上:全身24.0kg

筋肉量の計算方法

一般的な筋肉量の計算方法は、以下です。

【筋肉量(kg) = 除脂肪体重(kg)÷ 2】

たとえば、身長150cm、体重45kg、体脂肪率25%の人であれば除脂肪体重は33.7kgとなるため、「33.7kg÷2=16.8kg」で16.8が筋肉量となります。

BMIと体脂肪率で体型タイプを診断!

BMIと体脂肪率から、自分の体型のタイプをある程度、予想できます。

  • 痩せ型……BMI・体脂肪率のいずれも低い
  • 標準型……BMI・体脂肪率のいずれも標準
  • ぽっちゃり型……BMI・体脂肪率のいずれもやや高め
  • 肥満型……BMI・体脂肪率のいずれも高い
  • 隠れ肥満型……BMIは標準だが、体脂肪率が高め
  • 筋肉太り型……BMIが高いが、体脂肪率が少ない

注意したいのが、BMIは標準であるものの、体脂肪率の高い「隠れ肥満」タイプです。

隠れ肥満タイプでは、筋肉量が減少し、内臓脂肪が多く蓄積している可能性があります。内臓脂肪が多過ぎると、生活習慣病のリスクが高まるため、注意しましょう。

計算以外の体脂肪率測定方法

計算以外の場合、以下のような方法で体脂肪率が測れます

  • 生体電気インピーダンス法
  • キャリパー法
  • DEXA法(二重エネルギーX線吸収法)
  • 水中体重秤量法(水中体重測定法)
  • 空気置換法

中でも簡単に測定できるのが、生体電気インピーダンス法によるものです。

生体電気インピーダンス法は家庭用の体脂肪計・体組成計・体重計などにも使われており、体に微弱な電流を流すことで体脂肪率を測定します。

体脂肪率を計算・測定するときの注意点

体脂肪率を計算・測定するときの注意点

ここからは、体脂肪率を計算・測定するときの注意点をご紹介します。

体脂肪率の計算で出せるのは予想値

体脂肪率を計算式を使って出す場合、算出される数値は予想値となります。あくまで目安であり、正確な数値ではないため、注意しましょう。

朝と夜で計測するとかなりの誤差が出ますし、体脂肪率の変動を気にしすぎるとダイエットのモチベーションも下がってしまうので、メンタルケアの為にも1日に何度も計測をすることは控えましょう。

正確な数値を知りたい場合は、測定のための専門的な機器がある施設で測定する必要があります。

食後や運動直後は避ける

家庭用の体組成計・体脂肪計を使うときは、正確な計測のコツを押さえて測ることが大切です。体内の水分量が変化すると結果に誤差が出るため、食後や運動直後は避けて計測するといいでしょう。

体組成計・体脂肪計は、タニタ、オムロン、パナソニック、エレコム、ドリテックなど多くのメーカーがさまざまな商品を発売しています。

体脂肪率の他にも、BMI、内臓脂肪レベル、筋肉量、推定骨量、体内年齢、体水分量なども測定可能です。

常に同じ条件で測定する

食後や運動直後は避けることと合わせて、常に同じ条件で測定するということも大切です。測定条件が変わると測定結果の誤差につながるため、朝なら朝、夜なら夜と、決めた時間に測定しましょう。

服を着て測定する場合は、毎日なるべく同じような服装で測定するといいですよ。

また、夜に計測する場合、その日に摂取したものによってかなりの誤差が出るのと、排便状況によっても誤差が出るので、朝に排便をした直後に計測するのがおすすめです。

より正確な数値変化を確認しましょう!

体脂肪率を計算してダイエットを効果的に!

体脂肪率やBMI、除脂肪体重、筋肉量などを知っておけば、ダイエットや減量、トレーニングに活用可能です。また、体脂肪率の測定は、目には見えない内臓脂肪の付き方を把握するなど、自分の健康管理にもつながります。

ただし、計算式によって算出した数値は、正確な数値ではないため、目安程度にするといいでしょう。現在は体脂肪率などが測定できる体組成計が比較的安価に販売されているので、これらを活用すると便利に体重管理、健康管理ができますよ。

監修者プロフィール:株式会社アウトライン代表 小林広和さん

小林広和さん

資格:NSCA-CPT認定パーソナルトレーナー
女性専用パーソナルジムOUTLINE(アウトライン)代表。東証マザーズ上場パーソナルジムで8店舗の立ち上げを担当後、現在女性専用パーソナルジムのアウトラインを全国26店舗経営、ダイエット特化チャンネルのYouTubeチャンネル「アウトラインジム」を運営中。

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