老け・疲れ見えの原因!ひどいクマを改善するには?

目の下のクマの種類別原因&治し方!カバーメイク法も

佐藤卓士
監修者
アヴェニュー表参道クリニック 院長
佐藤卓士

公開日:2024.01.18

更新日:2024.02.13

実年齢より老けて見えたり、疲れて見えたり……悩みにつながりやすい「クマ」の種類別に原因や治し方、予防法を詳しく解説!クマができる原因は種類ごとにさまざまです。自分のクマについて知り、適切なケアを行いましょう。簡単セルフチェックもご紹介!

目の下のクマの種類・原因

目の下のクマの種類・原因

目の下にクマがあると「最近老けたように感じる」「人から疲れて見えるといわれた」といった悩みにつながってしまいがちです。

クマというと寝不足でできるイメージがあるかもしれませんが、できる原因はクマの種類によっても異なります。

ここからは、目の下にできるクマの種類と原因を見ていきましょう。

青クマ

青クマは、血行不良が原因となって引き起こされるクマです。

目の下の血流が滞って酸素不足になると、血液が黒っぽく変化。血行不良になった状態の毛細血管が透けることで青っぽい色に見えます。

青クマは色白の人や、生まれつき目の下の皮膚が薄い人にできやすい傾向にあります。長時間のデスクワークなどによる目の酷使、睡眠不足、冷え、ストレス、喫煙なども青クマの原因です。

赤クマ

赤クマは、目の下にある表情筋の「眼輪筋」が透けて見えている状態です。

眼窩脂肪を包んでいる膜が緩むことで眼窩脂肪が突出し、眼輪筋を圧迫することで筋肉が透けて見える「赤クマ」につながっていると考えられています。毛細血管の拡張によって赤クマにつながることもあります。

赤クマも、色白の人や、生まれつき目の下の皮膚が薄い人は目立ちやすいといわれているクマです。

茶クマ

茶クマは、主にメラニンによる色素沈着によって引き起こされます。目の皮膚はとても薄いため、少しの刺激でも色素沈着を起こしてしまいます。

アトピー性皮膚炎や花粉症でかゆみがあり、目をこする癖があると、茶クマができやすいです。

また、アイメイクを落とすときの摩擦や紫外線による刺激も茶クマの原因になります。

黒クマ

黒クマは、加齢や骨格が原因となって起こるクマで、たるみクマや影クマと呼ばれることも。

加齢によって目元の筋力が衰えると、眼窩脂肪を支えきれなくなって前にせり出し、膨らみができますが、これが影をつくることで黒クマになります。

また、頬の脂肪の下垂、顔の骨の萎縮が起こると黒クマが目立ちやすくなります。

骨格も関係しており、アジア人は頬よりも眼球の方が前にある人が多く、このような骨格は目袋(目の下のふくらみ)が前に出やすい傾向にあります。若いうちから黒クマがある人は、骨格が原因と考えられるでしょう。

目の下のクマの種類の見分け方って?セルフチェック方法

自分のクマの種類は、以下の簡単なポイントを確認する方法でセルフチェックできます。

  • 青クマ
    下まぶたを優しく引っ張ったときに薄くなる場合は、青クマの可能性がある
  • 赤クマ
    目の下の眼輪筋が透けることでできるクマ。頬骨あたりを優しく下に引っ張ったときに赤みが増す場合は、赤クマの可能性がある
  • 茶クマ
    クマの色が茶色っぽく、クマ部分を優しく引っ張ったときに皮膚と一緒に動き色の変化が少ない場合は茶クマの可能性がある。また、アトピー性皮膚炎や花粉症などで目をこすりがちな人も茶クマができやすい
  • 黒クマ
    天井を見上げた状態で、顔の正面の位置で鏡をみたときにクマが薄くなっていた場合は、黒クマの可能性がある

ただし、クマは混在していることも多く、自分ではっきりと見分けるのは難しいケースも。治療を考えている場合や、自分のクマについて詳しく把握したい場合は、医師の診察を受けるといいでしょう。

クマの種類別!治し方・セルフケア・予防対策

クマの種類別!治し方・セルフケア・予防対策

目元は顔の中でも皮膚がとても薄い部分です。また、他の部位に比べると皮脂腺や汗腺が少ないため、乾燥しがち。

しかし、目は物を見たり、まばたきなどの動きで常に負担がかかっているため、シワやたるみといった悩みが起こりやすいです。目の下のクマが気になる場合は、タイプに合わせたケアを行いましょう。

【青クマ】治し方・セルフケア・予防対策

血行不良が原因の青クマの治し方は、目のまわりの血行を改善するケアが基本です。

目を休める

スマートフォンやパソコンを長時間使用すると、目の負担になります。デスクワークの場合は1時間に1回ほどは休憩を取り、目を休めるようにしましょう。

血行の改善

目元の血行を改善するために、ホットタオルを使ったケアもおすすめ。目の周囲を温めることで血流を促せます。また、血行の滞りを良くする漢方薬も、青クマ改善効果が期待できるでしょう。

血行を促進できる漢方薬としては「桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)」がよく知られています。

「桂枝茯苓丸料加薏苡仁」は血や水の巡りを良くし、シミやニキビ、手足の荒れにも効果があります。

月経不順、血の道症(更年期など女性ホルモンバランスの変動によって起こる不安やイライラなどの精神症状や身体症状)の改善効果もあるため、更年期症状が気になる人にもおすすめです。

【赤クマ】治し方・セルフケア・予防対策

赤クマのケアにも、ホットタオルによる血行促進がおすすめです。また、目のまわりを優しくマッサージするのもいいでしょう。

ただし、加齢が原因の場合や、生まれつき眼窩脂肪が多いケースでは、セルフケアでの改善が難しいこともあります。

【茶クマ】治し方・セルフケア・予防対策

色素沈着が原因で起こる茶クマは、毎日のスキンケアや紫外線対策の見直しで対策しましょう。

紫外線対策

紫外線はシミやシワ、たるみなど多くの肌悩みの原因になります。皮膚の薄い目元は特に紫外線の影響を受けやすい部分であるため、一年中しっかり紫外線対策を行うことが大切です。

アイクリームや目元美容液を使ったケア

目元は乾燥が起こりやすい部分のため、スキンケアのときはしっかり保湿を行い、乾燥や刺激から肌を守りましょう。

目元用のアイクリームや目元美容液といった化粧品も、茶クマのケアにおすすめです。メラニンを生み出すチロシナーゼと呼ばれる酵素を抑制する「ハイドロキノン」は、色素沈着に効果が期待できます。

ただし、強い成分であるため市販品でハイドロキノンが含まれている化粧品を使う場合は、パッチテストを行ってから使用しましょう。

ハイドロキノンクリームの処方を行っている美容クリニックもあるため、医師の診断を受けるのも一つの方法です。

【黒クマ】治し方・セルフケア・予防対策

加齢によるたるみなどが原因で起こる黒クマには、表情筋トレーニングや頭皮マッサージがおすすめです。

表情筋トレーニング「ピクトレ」

目の下の筋肉は、使わないと衰えてたるみが起き、クマやシワなどにつながります。簡単にできる目元の表情筋トレーニング「ピクトレ」で、目元をケアしましょう。

  1. 指を軽く下まぶたに当てて、少しだけ上を見る
  2. そのままの状態でゆっくりと下まぶたを上下に動かす。このとき、まぶたに当てた指で下まぶたの動きを確認しながら行うのがポイント

頭皮マッサージ

顔の皮膚とつながっている頭皮をマッサージすることで、目元など顔の上半分のたるみ改善効果が期待できます。

頭皮マッサージは顔を摩擦することがないため、肌にダメージを与えにくいこともメリットです。目元の他にもフェイスラインがスッキリする効果やほうれい線が薄くなる効果も。

目の下のクマを目立たなくするカバーメイク方法

目の下のクマは、メイクによって目立たなくすることができます。クマの症状そのものを改善できるわけではありませんが、自宅にあるメイク用品を使って簡単にカバーできるので、ぜひ実践してみましょう。

クマの種類別のおすすめメイクアイテムは、以下です。

  • 青クマ……オレンジ系コンシーラー
  • 赤クマ……ベージュ系コンシーラー、イエロー系コンシーラー
  • 茶クマ……オレンジ系+ピンク系を混ぜたコンシーラー、パールなどツヤ感のあるアイシャドウ・ハイライト
  • 黒クマ……パールなどツヤ感のあるアイシャドウ・ハイライト

50代女性の場合、それぞれのクマ単体ではなく、いくつかのクマによる複合型クマになっているケースも多くあります。例えば、「血行不良による青クマ+色素沈着による茶クマ+たるみによる黒クマ」などです。

このような50代複合型クマの場合は、ツヤ感のあるオレンジ系コンシーラーを使うといいでしょう。

コンシーラーを使うときは、目の下にあるたるんで影になった部分にだけ乗せるのがポイント。

コンシーラーブラシや指を使って軽くなじませると、影が気にならなくなりツヤや血色感が出て、いきいきした目元になります。

目の下のクマのケアを行う際の注意点

目の下のクマのケアを行う際の注意点

ここでは、目の下のクマのケアを行う際の注意点をご紹介します。

マッサージやトレーニングのやり過ぎに注意する

目元はとてもデリケートな部分。目元のマッサージや表情筋トレーニングをやり過ぎると、逆効果になってしまう可能性があります。

マッサージや表情筋トレーニングなどを行うときは、こすらないように優しい力で行い、回数や頻度を守って行うことが大切です。

クマが病気に関係しているケースも

クマは多くの場合、直接病気とは関係ないものの、中には病気と関連したケースもあります。

ADM (後天性真皮メラノサイトーシス)とは真皮内にメラノサイトが増える病気のこと。グレーがかった褐色の色素沈着が頬や額の両側に現れることが多いですが、目の下にも現れることがあり、これによってクマのように見えます。

バセドウ病は、体の代謝などに関係する甲状腺ホルモンが過剰に分泌される甲状腺機能亢進症の一つです。バセドウ病の代表的な症状の一つに、眼球が出てくる「眼球突出」があります。

眼球突出が起こると、眼窩脂肪が押し出されて出っ張り、これが黒クマのような影に見えることも。

全国健康保険協会の「甲状腺疾患」についてのページによればバセドウ病の男女比は1:7~10 で圧倒的に女性(15~50歳頃)に多く見られるといいます。

バセドウ病の代表的な症状は、発汗増加、動悸や息切れ、疲れやすい、手指振戦、体重減少、筋力低下、精神的なイライラといった更年期症状や糖尿病、心臓病などの症状とも重なり、誤診されることがあるので注意が必要です。気になる場合は、病院を受診して甲状腺ホルモン検査(血液検査)を受けましょう。

目の下のクマを改善する美容医療の施術

目の下のクマは、セルフケアでの改善が難しいこともあります。特に、加齢や骨格が原因となって起こる黒クマは改善の難しいクマの一つです。

美容医療の施術でも、目の下のクマは改善できます。目の下のクマ治療として行われる施術としては、以下のようなものがあります。

  • 注入治療(ヒアルロン酸、脂肪注入、眼窩脂肪溶解注射、スネコス、グロースファクター、ベビーコラーゲンなど)
  • 照射治療(レーザー、超音波、高周波など)
  • 脱脂(経結膜脱脂法) など

クマの種類や症状によってどの施術が適しているかは異なり、いずれの方法でもダウンタイムや痛み、副作用やリスクがあります。

美容医療の施術を受けようと考えている場合は、信頼できる病院・クリニックなど医療機関で医師と相談し、慎重に決めることが大切です。

気になるクマは種類に合わせて対処しよう!

目の下にできるクマにはいくつかの種類があります。クマの種類によって適した治し方や予防法は異なるため、自分のクマに合った方法でケアしましょう。

目元は非常に皮膚が薄く、デリケートな部分。毎日の洗顔やクレンジングで摩擦の刺激を与えないことも大切です。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール

アヴェニュー表参道クリニック 院長佐藤 卓士(さとう・たかし)

アヴェニュー表参道クリニック 院長佐藤 卓士(さとう・たかし)
医学博士。日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験をもとに、わかりやすい説明を心がけ日々診療を行う。
アヴェニュークリニック WEBサイト

 

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