菅沼薫さんに聞く、50代からのメイク術

コンシーラーの使い方~青クマ・赤み解決編~

公開日:2019.02.27

更新日:2023.09.21

前回の「シミ」に続き、今回のテーマは「青クマ」対策。年齢肌独特の青紫のクマが生じるメカニズムと、目立たなくするコンシーラーの色選びについて教えてもらいました。青クマをできにくくする簡単&速攻のお手入れの方法は、必読です!

年齢肌の「青グマ」にはオレンジのコンシーラーが効果的

色トラブルを解決するコンシーラーの役割と使い方について解説した前回の記事はこちら
(29)コンシーラーの使い方~基本&シミ消し編~」 

コンシーラーの色選び

年齢肌の色トラブルで多いのが、前回お話しした「茶色いシミ」。それと同じくらい多いのが、目の下の「青グマ」です。

もともと目元の皮膚は薄くて刺激に弱く、とてもデリケート。睡眠不足や目の酷使などの疲れで血液の流れが滞ると血管が暗い色になるので、皮膚表面からは青く見えます。
。これがいわゆる「青グマ」の正体。特に年齢を重ねるほど、皮膚メラニン量が増加し、単なる青ではなく青と茶の混ざった、くすんだ青紫のような色になります。

 

色トラブル

前回「コンシーラーの使い方~基本&シミ編~」でお話ししたように、「青の肌トラブル」の消し色はオレンジです。青グマがあると疲れて不健康な印象になるので、「目の下が青紫にくすんでいる」と感じるようなら、ファンデーションのあとにオレンジ色系のコンシーラーをのせてみてください。目元が明るくなって、顔も健康的な印象になるはずです。

ただし、目元の肌色だけが浮いてしまうとかえってクマが目立つので、色の偏りや濃さが違わないよう、クマにのせた時に全体の肌色になじむオレンジを選びましょう。人によって赤みの強いオレンジ、黄色に近いオレンジなど、合うオレンジが違うので、目の下で試して色を決めてください。また、塗るときは皮膚をこすらないよう、やさしく軽く、トントンおくようなイメージでのせてくださいね。

青みを消すオレンジコンシーラー
(左)血管部分が青く浮き出ている(右)オレンジ色のコンシーラーをのせた状態

 

 

ホット&クールタオルで目の下のクマを解消!

青クマ対策のホットタオル

そもそも、「青グマ」の原因は血流の滞りです。目の下の皮膚はもともと皮脂腺が少ないため、乾燥しやすく血液の流れが滞りやすいパーツ。血流を促した上で保湿ケアを行い、クマができないように心がけましょう。

簡単で即効性のあるのが、ホット&クールタオルの活用です。まずはホットタオルを目元にのせて30秒、次にクールタオルを10秒。最後にもう一度ホットタオルを30秒のせて、化粧水で保湿します。血行がよくなるので肌の色が明るくなり、透明感も出ます。また、肌がうるおううので、肌のくすみやクマが目立たなくなり、メイクのノリもよくなります。

ホットタオルの温かさは「ちょっと熱いけど気持ちいい」と思える程度にしましょう。熱すぎるとヤケドしてしまうので、我慢してのせることがないように(笑)。

ホットタオルは、タオルを濡らして軽く絞り、電子レンジで60秒程度を目安に温めます。タオルの含水量やレンジによって秒数が変わるので、何度か試して丁度よい絞り具合と秒数を見つけてください。クールタオルは、水道水の冷たさで大丈夫。冷蔵庫でキンキンに冷やす必要はありません。
 

ニキビ跡や傷跡の赤みもコンシーラーで目立たなくなる!

ニキビ跡を消すコンシーラー

茶色いシミ、青グマのほか、赤みのあるニキビ跡。若い頃に比べてニキビに悩んでいる人は少ないと思いますが、年齢肌はターンオーバーが悪く、毛穴が詰まってニキビができることもあります。このような赤みを隠すのにも、コンシーラーは効果的です。ファンデーションを塗っても赤みが気になるようなら、黄色や緑のコンシーラーをスポット的にのせてなじませてください。

ただし、赤みが炎症によるものの場合は、要注意。炎症がひどくて治療中など、ファンデーションをつけられないような箇所は、コンシーラーをつけるのも当然NGです。軽度の場合で、ファンデーションやコンシーラーをつけた場合は、1日の終わりにクレンジングでしっかり落とすこと。落とさずに寝てしまった…何てことがないよう気をつけてください。 

また、皮膚トラブルのある場所は、脂っぽくなく粉っぽい「のせやすく落としやすい」ものがベスト。触ってみて、べたつきを感じるタイプは控えましょう。皮脂と混ざってトラブルが起きるのを避けることができます。

ファンデーションだけで隠そうとして、その部分だけ厚塗りしてしまう人もいるようですが、厚塗りはヨレやすく、色の濃淡でむしろ目立ってしまうこともあります。

ファンデーションは厚塗りしないのが基本。それでも気になる部分がある場合は、コンシーラーでカバーするようにしましょう。慣れないうちは手間が増えて面倒に感じるかもしれませんが、慣れると簡単に肌をキレイに仕上げられるようになります。コンシーラーを使っていない人は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

次回は、ベースメークの仕上げとして、チークの上手なら選び方とのせ方についてお話しします。
 

菅沼 薫

ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、化粧品成分検定協会理事、日本香粧品学会学術委員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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