エモいの意味って?使い方は?
2022.08.012023年04月29日
素朴な疑問
「やばい」は「すごい」?語源・由来は江戸時代から?
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
娘とカフェに行ったときのこと。隣の席の女の子グループが口々に「このケーキやばい! 」「ほんと、超やばいね! 」と言っています。
娘にコソッと「こんなにおいしいのに、なにがやばいのかしら」というと「え? すごくおいしいってことよ? 」ですって。やばいって、危険なときなどに否定的な意味で使うものだと思っていたけれど、違うのかしら? 気になるので調べてみます!
やばいの意味
"やばい"という言葉は、もともとは「危ない」「法に触れる」という意味です。
長らく無法者や犯罪者などアウトローの世界で使われていましたが、時が経つにつれて徐々に一般的になりました。今では危ない、まずいという意味の他に、以下のように良い意味でも使われています。
- おいしい
- かっこいい
- 素晴らしい
- すごい
- 素敵 など
文化庁が2005年に16歳以上の2179人に対して行った国語世論調査では、全体の18.2%が「とても素晴らしい・おいしい・かっこいい」という意味で”やばい”を使うと回答したそう。
16〜19歳に限定すると、約7割が使うと回答していることからも、特に若者に広く浸透していることがわかります。
さかのぼること1988年版の「現代用語の基礎知識」には「危ない」の意味として"やばい"が収録されていました。
さらに、2006年に改定された「大辞林」(三省堂)第3版からは、従来の「危ない」という意味のほかに「すごい。自身の心情が、ひどく揺さぶられている様子」と若者言葉としての意味が新たに追加されました。
やばいの語源・由来は江戸時代!?
やばいの語源ははっきりとわかっていませんが、「あやぶい(危うい)」が変化したという説や「いやあぶない(彌危ない)」からきているという説など諸説あります。
また、江戸時代のアトラクションである射的場が「矢場」と呼ばれていたことが関係しているという説もあります。
この矢場では、裏で違法なお店をやっていたため、役人から目をつけられており、そこへ居合わせてしまうと危険であることから「矢場い(やばい)」という言葉が生まれたといわれているそう。
江戸期の滑稽本「東海道中膝栗毛」にも「おどれら、やばなことはたらきくさるな(=お前ら、ヤバいことするな)」との記述があることなどから、江戸時代にはすでにあった言葉であると推測されます。
英語の「bad」の意味は「悪い」ですが、俗語で「かっこいい」という意味があり、「『危ない』と『魅力的』が表裏一体」なのは国を問わない共通感覚のようです。"やばい"の意味の変遷の背景には、こうした危険があるとわかっているけれどやめられない、のめりこみそうな魅力を表しているといったところがあるのかもしれません。
何はともあれ、長い年月が経つにつれて"やばい"は、さまざまな場面で使われる言葉になりつつあるのです。
■人気記事はこちら!
- かまくらの由来や語源は?
- ウインナーとソーセージの違いって?由来は?
- 七夕の食べ物(行事食)や起源・由来って?
- 知ってるようで実は知らない? 素朴な疑問ランキング ベスト100
参照:ことばマガジン
イラスト:飛田冬子