もちもち食感でおいしい酵素玄米

寝かせ玄米の作り方!圧力鍋・炊飯器で作るポイント

公開日:2020.06.19

更新日:2022.01.14

健康志向の高まりから、栄養満点で食べやすい玄米食「寝かせ玄米(酵素玄米)」が人気です。寝かせ玄米の作り方は、小豆と塩を合わせて圧力鍋で炊き、炊飯器(保温ジャー)で数日間熟成するというもの。おいしく炊くポイントや効果的な食べ方を紹介します。

寝かせ玄米の作り方
もちもち食感でおいしい寝かせ玄米の作り方

寝かせ玄米とは?豊富な栄養と健康効果を解説!

白米と比べて、食物繊維は約6倍、ビタミンEは約12倍、ミネラルは約1.5倍と、栄養面で優秀な玄米。さまざまな栄養素が一度取れることから「天然の完全食」とも呼ばれています。

しかし、玄米は炊くのが面倒で食べづらいため「日常的に食べるのは難しい」と思っている人が多いよう。

そんな人にもおすすめできるのが「寝かせ玄米」です。寝かせ玄米は、酵素玄米とも呼ばれています。じっくり寝かせる(保温して熟成する)ことで、酵素の働きが活性化し、栄養価の高い玄米になるといわれています。

寝かせ玄米の作り方は、玄米に小豆と塩を加えて圧力鍋で炊き、4日間、炊飯器(保温ジャー)の中で熟成するだけ。すると「これが本当に玄米?」と驚くほど、もちもちの食感でおいしい玄米が出来上がるのです。

※この記事の写真では、保温ジャーを使って玄米を熟成しています。保温ジャーは炊飯器で代用できるので、以降はより一般的な炊飯器と記載します。

玄米と精白米の成分比較!食物繊維は精白米の約6倍

玄米の外皮には食物繊維が豊富。精白米が精米によって失うビタミンなども保持(五訂増補 日本食品標準成分表を基に編集部で作成)
玄米の外皮には食物繊維が豊富。精白米が精米によって失うビタミンなども保持
(五訂増補 日本食品標準成分表を基に編集部で作成)

 

炊飯器で熟成!寝かせ玄米のおいしさの理由は?

寝かせ玄米のおいしさの理由

寝かせ玄米を作るときに小豆と塩を加える理由は、おいしさと栄養価を上げるため。小豆を一緒に炊くことで、豊富に含まれるたんぱく質がアミノ酸化し、甘味や香ばしさ、コクが増していきます。また塩は、玄米独特の苦味の原因になるカリウムを中和し、えぐみを消してくれます。

さらに、炊飯器に移して寝かせると、うま味が倍層。余分な水分が飛んで粘度が強まり、日ごとにもちもちの食感が増していきます。おいしさのピークは3~4日目頃。長時間保温し続けても、ジャーの熱と小豆の抗酸化作用があるため、玄米が傷むことはありません。

一度に多めに炊き、保温しながら食べ進め、4日間で食べきってまた炊くというサイクルがおすすめ。炊飯が週に1、2回で済むのも楽チンです。

 

寝かせ玄米の熟成期間と食感の特徴

寝かせ玄米

1日目(写真:右上)
色はクリーム色で、あっさりとした玄米らしい味わい。ふっくらと軟らかく、炊き立てならではの食感。

2日目(右下)
1日目よりやや色が濃くなり、水分が飛んでもちっとした食感に。程よい甘味で、あっさりしたおかずによく合います。

3日目(左上)
色は茶褐色になり、もちもち感がさらにアップ。甘味とコクがぐんと増して、普通の玄米とは別ものの味わいに。

4日目(左下)
うま味、甘味、コクがさらに増し、深みのある味わいに。もち米が入っているかのような食感で、香りも香ばしい。

寝かせ玄米の賞味期限は?冷凍保存なら2週間食べられる

寝かせ玄米

寝かせ玄米は、炊飯器で1週間くらい保温し続けても問題ありませんが、少量になったら、ふた付きの保存容器に入れたり、ラップに包んだりして冷凍保存するのがおすすめ。

解凍はレンジでOK。冷凍後、約2週間はおいしく食べられます。

 

もちもち食感でおいしい!寝かせ玄米の作り方

豊富な栄養成分や効果、おいしさの理由がわかったところで、実際に寝かせ玄米の作り方をチェックしましょう。圧力鍋と炊飯器を使えば、自宅で簡単に寝かせ玄米が作れます。

材料

寝かせ玄米材料

  • 玄米……6合
  • 小豆……42g
  • 自然塩……5g
  • 水……920mL

※玄米1合(150g)につき、小豆7g、自然塩1g弱、水加減は1.3〜1.4倍が目安。


準備するもの

準備するもの

  • 圧力鍋
  • ボウル
  • ザル
  • 泡立て器
  • 炊飯器(保温ジャー)

 

寝かせ玄米を圧力鍋で炊く方法・手順

1.玄米を洗う

玄米を洗う

玄米と小豆、水をボウルに入れ、さっと洗います。1回目の水はすぐに捨て、きれいな水に替えます。泡立て器でしっかりとかき混ぜながら3~4回洗います(泡立て器を使うと、冬場も手が冷たくならずにすみます)。

2.浸水させる

浸水させる

玄米が隠れる分量の水を入れ、約1時間浸水させます。

3.水を切る

水を切る

ザルにあげて、水気をしっかり切ります。その後、圧力鍋に移して、水920mLと塩を入れ、泡立て器で軽く混ぜます。

4.圧力鍋で炊く

4.圧力鍋で炊く

中火で30分温め、圧がかかったらさらに30分炊きます。

5.蒸らす

5.蒸らす

玄米が炊き上がったら、ふたをしたまま60分ほど置き、しっかり蒸らします。鍋の圧力が抜けたら出来上がりです。

6.炊飯器で寝かせる

6.炊飯器で寝かせる

しゃもじで全体を混ぜ、炊飯器に移します。このとき、炊飯器の側面に触れないよう、山のように入れると玄米が乾きにくくなります。一日一回、玄米の上下をひっくり返すようにかき混ぜましょう。こうすると表面が乾くことなく、熟成します。

 

プロに聞く!寝かせ玄米をおいしく炊くポイント

寝かせ玄米を販売する「株式会社結わえる」代表取締役・荻野芳隆さんに、寝かせ玄米をおいしく炊くポイントを伺いました。

ポイント1:泡立て器で洗米し浸水しやすく

寝かせ玄米は、炊飯器や土鍋でも炊けますが、もっちり炊き上げるには圧力鍋が一番! どんな道具を使う場合も、おいしく炊くポイントはしっかり浸水させること。泡立て器で玄米同士をこすりつけるように洗いましょう。玄米の表面(種皮)に傷がつくため、水分が浸透しやすくなり、軟らかく炊き上がります。

ポイント2:炊飯器で炊くときは、小豆を雑穀に替える

炊飯器で炊くときは、小豆を雑穀に替える

炊飯器で炊く場合は、圧力鍋よりどうしてもパサつきますが、「玄米モード」を使用し、小豆を雑穀に替えるのがおすすめ。さらに純米酒を1合につき1mL加えて、熟成した小豆から出る甘味とうま味を補います。

 

酵素たっぷり!寝かせ玄米で健康にいい食生活を

寝かせ玄米で健康にいい食生活

ビタミン・ミネラル・食物繊維・酵素をたっぷり含んだ「寝かせ玄米」を主食にすれば、ご飯と野菜を一緒に食べているようなもの。

おかずの数や種類に気を使う必要はなく、一汁一菜でも必要な栄養が効率よく取れる、健康にいい食事になります。

「栄養バランスのいい食べ合わせの黄金比率は、米6:野菜3:肉魚1。寝かせ玄米に、具だくさんの汁ものをプラスして食べることを日課にすれば、健康が保てます」と荻野さん。

「寝かせ玄米を毎食食べるにこしたことはありませんが、最低1日1食、食べてみてください。毎日続けることで、からだが元気になるので、たまの会食などで甘いものやお酒を大いに楽しんでも、からだのコンディションが良くなりますよ」

もちもちでおいしい寝かせ玄米で、健康にいい食生活を、あなたもさっそく始めてみませんか? 


■教えてくれた人

荻野芳隆さん

荻野芳隆さん

おぎの・よしたか 食養研究家。(株)結わえる代表取締役。食や健康、美容のコンサルティング業務を経て、東京・蔵前にある、寝かせ玄米を中心とした和食店、物販店「結わえる本店」を創業。誰もができる“メリハリ寝かせ玄米生活”を提案。おむすび専門店の運営、レトルトパック製造・販売も行っている。

▼取材協力

結わえる商家
TEL:03-3863-1030
URL:http://www.nekase-genmai.com
 

取材・文=大門恵子(ハルメク編集部) 撮影=中西裕人 イラストレーション=福々ちえ

※この記事は、雑誌「いきいき」2015年3月号 に掲載した記事を再編集しています。


ハルメク通販で「寝かせ玄米ごはんパック」をチェック!
 

圧力鍋での炊飯が大変という人は、まずはレトルトのごはんパックを購入してみるのもおすすめです。


ハルメク通販では、寝かせ玄米の作り方を紹介いただいた「(株)結わえる」協力のもと、電子レンジで温めるだけで、手軽に寝かせ玄米が食べられる「寝かせ玄米ごはんパック」を販売中。


毎日飽きずに食べられるよう、味・香り・食感を楽しめる3種をご用意しています。

寝かせ玄米ごはんパック

  • 小豆ブレンド:お赤飯のような、もちもちさ。小豆のおいしさが広がります。
  • 麦ブレンド:はと麦、胚芽押麦。おかずと好相性のブレンドです。
  • 五穀ブレンド:胚芽押麦、小豆、黒米、もちあわ、たかきび。五穀のうま味を味わえます。

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