掃除の達人・阿部絢子さんが伝授!

今からでも間に合う!簡単3か所大掃除のススメ

公開日:2019.12.26

更新日:2023.12.16

大掃除かぁ……とため息をついているあなた! 今年はたった3か所だけ、しかも半日で終わらせられる大掃除をやってみませんか? 生活研究家・消費生活アドバイザーの阿部絢子さんが「最低限の掃除で、最大限の効果を上げられる」方法をご紹介します。

今からでも間に合う!簡単3か所大掃除のススメ
今からでも間に合う!簡単3か所大掃除のススメ

教えてくれた人

阿部絢子さん(あべ・あやこ)

1945(昭和20)年新潟生まれ。生活研究家・消費生活アドバイザー。家事全般や食品の安全性の専門家として、幅広く活躍している。薬剤師の資格を持ち、今も現役で働いている。『ひとりサイズで、気ままに暮らす』(大和書房刊)など著書多数。

今年の大掃除は3か所だけ!しかも3ステップ!

大掃除は、簡単3ステップ!

  1. 物を捨てる、整理する
  2. ほこり・汚れを取る
  3. 拭き上げる

「この年齢になれば、年末だからと家中を大掃除する必要はありません。日々忙しいし、体力的にもきついでしょう?」と掃除の達人の阿部絢子(あべあやこ)さん。「年を取ればそれなりの掃除の仕方があります」

提案するのは、掃除する場所を限定すること。お正月のお客さんをもてなすのに最低限必要な3か所、つまりお迎えする玄関、おせちのお重を入れる冷蔵庫、おせちを囲むテーブルを掃除すればOKです。

掃除の手順もシンプルです。整理して、ほこりや汚れを取って、拭くだけの3ステップ。「きれいにするのに洗剤は不要です。家の汚れのほとんどは、から拭きか水拭きだけで十分。それでも落ちなければせっけんを使いましょう」。だから道具も、最低限必要なのは古布とせっけん、それにブラシです。

これらを踏まえ、阿部さんと一緒に読者のお宅で実践しました。子どもや孫を迎えるための「3か所大掃除」、スタートです!

最低限必要な掃除用具
 

掃除の三種の神器

  1. ブラシ
  2. せっけん
  3. 古布

玄関の大掃除の仕方・やり方

玄関の掃除

1.下駄箱の靴と棚は、捨てて整理、拭き上げる

よく履く靴だけを、手が届くところに並べれば、出かけるときにすぐに靴を取り出せます。下駄箱には、二人住まいとは思えない量の靴が! これではたたきの靴を片付けられません。整理・処分して、下駄箱に空きをつくります。

「よく履く靴は、肩の高さを中心に上下45度ずつの範囲に置くと取りやすいです」と阿部さん。一気に全部の靴を出すと大変なので、1段ずつ出して水拭きしていきます。

2.壁&天井は、ほこりを落とす

ほこりを払うと壁紙の白さを取り戻すことができ、玄関が明るい印象に! 長いブラシは阿部さんの秘密兵器。なければ、フローリングワイパーでほこりを吸着してもいいでしょう。

3.玄関ドアの汚れは、拭き上げる

良い運気を取り込むために、ドアはピカピカに磨いて、新年を迎えましょう。高いところは、手の届く高さまでで構いません。 無理に台に上がって拭くのは事故のもとです。


4.たたきの汚れは、ほこりを掃い、拭き上げる

お客さんが靴を脱ぐときに、必ず目に入るたたき。ここがきれいなら、第一印象はクリア。

まずほうきで、ほこりや砂を掃き集めます。水拭きに使う古布は、汚れたらすぐ捨てられるよう多めに準備しておくと、掃除がはかどります。落ちにくい汚れは、ナイロン製のブラシの先にせっけんをつけて、こすり落とします。

ここも忘れずに!
玄関ドアの取っ手、インターホン、表札

冷蔵庫の大掃除の仕方・やり方

掃除の手順:庫内の食品を整理して、内側、外側をきれいにする

冷蔵庫の中が食品でいっぱいになっていませんか? 中には賞味期限切れのものもあるかもしれません。おせちのお重を置く空間をつくるためにも、整理整頓をしましょう。

1.庫内の食品は、整理&捨てる!

下茹でした野菜はタッパーに入れる

よくあるのは、下ゆでした野菜、食べ残し、調味料などがそこかしこに残っていること。庫内の食品を整理して把握しましょう。これで、お正月の買い出しがスムーズに! 下ゆでした野菜などは、「食器にラップ」ではなく、食品保存容器に入れたら、重ねられて庫内が整います。食べ切れないことが多い、珍しい調味料や加工食品は、賞味期限が切れていないか確認を。「使いたい食品がどこにあるのか探す時間がもったいないから、冷蔵庫の中は整理する!」と阿部さん。

2.冷蔵庫内の棚は、汚れを取り、拭き上げる

清潔になった冷蔵庫に、食品をきれいにしまえば、探す時間を短縮。お料理がはかどります。棚やケースは取り外します。取り外しづらいところは、無理に外さないで、そのまま拭いてもよいです。取り外した棚やケースは、せっけんや食器用洗剤を使って水洗い。

取り出せない棚や本体は、水拭きしてからアルコールを含ませた古い布で拭いて除去します。除菌には、消毒用のエタノールやアルコールを使用するといいでしょう。スプレータイプも可。パッキンに詰まった食品のかすやほこりは歯ブラシでかき出します。

冷凍庫のストックは、「食品トレーのまま冷凍したら、まずくなるわよ!」と阿部さん。チャック付きポリ袋に入れ替えた食品は立てて並べると、何が入っているかわかりやすく、取り出すのも簡単です!

3.冷蔵庫の外側は、拭き上げる

冷蔵庫は拭こう

実は、台所の印象を左右する冷蔵庫。外側に貼っているものをはがして、きれいにすれば、台所全体がスッキリと見えてきます。

菌が繁殖しがちなハンドル付近は水拭きしてから、アルコールを含ませた古布で拭いて除菌します。

テーブルの上の大掃除の仕方・やり方

テーブルの上が汚い

テーブルの上の大掃除の手順
物を本来あるべき場所へ移動。その前に「本来あるべき場所」も整理する。子どもたちが独立すると、テーブルには使わないスペースができて、そこに物を置きっぱなしにしがちです。それらを片付けて、お正月のお客さんと一緒に気持ちよく食卓を囲めるようにします。

1.テーブルの上の物は、整理して捨てる!
テーブルの上がすっきりすれば、食事の前後の台拭きがササッとできます。テーブルの上にはソース、ハチミツ、ふりかけにお茶、文房具と、いつも使うものでいっぱい。整理ができたら、テーブルの上のものを移動。移動式のラックなどに、お茶やお菓子関連をまとめるのもいいでしょう。

2.テーブルの天板は、拭き上げ
存在感のあるテーブルがピカピカになることで、部屋全体が片付いている印象に! 机にこびりついてしまった汚れは、歯ブラシにクレンザーをつけて食器用洗剤を垂らしてゴシゴシ。テーブルの上がスッキリしたら、最後に水拭きをしてきれいに!

阿部絢子さんからの、自分流の掃除と小掃除の提案

「これまでしてきた掃除の習慣。この大掃除を機に、自分流に変えていきましょう」

プロに任せるという選択肢を積極的に選ぶ。

特に、不安定な台に上らないと手が届かないレンジフードなど、高いところを掃除していて転倒したら人生の一大事です。だから私は、「無理して、大掃除しちゃダメ!」と声を大にして言いたい。「家の掃除は絶対に自分で」という考え方を捨てると気持ちが楽になります。

そして新年からは、「小掃除」習慣をつけていきましょう。何でも「大掃除で」と汚れを放置してしまうから、大掃除が大変になるのです。気付いたら汚れを取り、拭くのが小掃除です。週に1度など目安を作っておくと気付きやすいです。生活に小掃除を組み込めば年末に汚れがたまらないので、「大掃除をしなきゃ」という心の重荷から解放されます。

「大掃除」のイメージが強い水回りは、今年は後回し。日々汚れてしまう水回りは、新年の小掃除習慣に取り入れてみてはいかがでしょう。

取材・文=井口桂介(ハルメク編集部) 撮影(人物)=元木みゆき

※この記事は、雑誌「ハルメク」を再編集しています。

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