ベランダで育つハーブの種類と簡単極うまレシピ
2022.08.042022年06月18日
6月~10月まで楽しめて香りいいおすすめの花の品種
ベランダガーデニングに!茉莉花(まつりか)の育て方
「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の石川恵子さんが、マンション住まいでも園芸を楽しめるベランダガーデニングの方法をお伝えします。今回のテーマは、石川さんがぜひおすすめしたい品種「茉莉花」の育て方です。
茉莉花(マツリカ)とは?茉莉花の花が咲く季節は?
茉莉花(マツリカ)は、ジャスミンティーの香りの元にもなる花ですが、実際の花の姿を見たことがある方は少ないかもしれません。
ハワイではピカケと呼ばれ、ウエディングの際にレイに仕立てたり、タイでは母の象徴とされ、仏への捧げものやお守りとして大切にされてきた花です。またエディブルフラワーで、食べることもできる花です。
そして日本では6月から10月初旬が茉莉花の旬!園芸店やホームセンターでも、苗が入手できる時期です。
これから植え付けても秋まで楽しめる、まだまだ知られていない、この花の魅力をご紹介していきたいと思います。
茉莉花(マツリカ)はどんな品種?
まとめて「ジャスミン」と呼ばれることがほとんどで、花の実態がわかりづらい花ですが、モクセイ科ソケイ属に属し、学名はJasminum sambac、和名ではマツリカ(茉莉花)、英語ではarabian jasmine(アラビアンジャスミン/アラビアジャスミン)と呼ばれます。前述の通り、ハワイではPikake/Pikaki(ピカケ)、タイではMali(マリ)。フィリピンではSampaguita(サンパギータ)と呼ばれ国花になっています。
日本では、「ハゴロモジャスミン」や「マダガスカルジャスミン」と、ジャスミンと名前に入った花と、茉莉花が間違われることが多いです。これらの花やジャスミンとは異なる花が、茉莉花としてあちこちで誤用されているのを見るたび、花の仕事をしている身としては、悲しくなります。
「ハゴロモジャスミン」はそもそも香りと咲く時期が違いますし、「マダガスカルジャスミン」に至っては科も異なる上に、食用には全く適しません。香りが似ていることからマダガスカルジャスミンという名が付けられたそうです。
茉莉花(マツリカ)の魅力とは?
香りこそ知名度が高いのですが、あまりにも花の姿が知られていないのが茉莉花です。
私はこの茉莉花の香りに魅せられ、10年ほど前からこの花木のコレクションを始めました。現在では大小合わせて18鉢をベランダで育てています。
毎年、6月の中旬になると一斉に花が咲き、素晴らしい香りが漂う季節が始まります。
朝、ベランダに出て、ジャスミンティーをさらに濃厚にしたような香りに包まれるのが、至福のひととき。
茉莉花は桜のようにみっしりと花は付きません。でも、星のような一重、ふんわりと丸く咲く半八重、そしてバラ咲きやボタン咲きとも呼ばれる八重など、それぞれ形のよい花の形が魅力的です。
実は香りの強さもそれぞれ微妙に違い、一重がもっとも強く香ります。
茉莉花(マツリカ)がベランダガーデニングに向いている理由
茉莉花は、なんといっても開花期が長く、6月から10月頃まで、休みなく花を付けることが魅力です。一度にたくさんの花は咲きませんが、枝先にいくつか蕾が付いて、順に花が咲いていきます。花は一日花で、一重と半八重の花は翌朝ぽろりと落ち、八重咲はだんだんとピンク色に変色していきます。
病害虫にも強く、水持ちがよく、日当たりが多少悪くとも花を咲かせる、本当に優秀な花木です。樹形も大きくなりませんので、まさに集合住宅のベランダにぴったりな花木といえます。
茉莉花の育て方のポイント
茉莉花の育て方について、一般的には冬は屋内で管理するというように書かれていますが、私の経験では関東であれば屋外で越冬が可能です。
病害虫の被害はほとんどありませんでしたが、私のベランダでは近くの木からうつったと思われる「オンシツコナジラミ」が2019年大発生してしまいました。
一時はもうこれで全滅か……とも諦めかけましたが、晩秋にすべての葉を取り除き、土を変えたところ、2株は枯れてしまいましたが、その他の株は今年の春には新芽が出て、また元気な姿に戻ってくれました。
それ以降、病気を防ぐために、水やりの際には葉の両面にしっかりと水をかけるようにしています。
土は水はけのよい土がおすすめです。私の場合は鉢で育てていますので、2年に1回を目安に土を入れ替えていますが、今年は茉莉花の土を「ハンギングバスケットの作り方」の記事のときにもご紹介した「バイオゴールドの土 ストレスゼロ」(株式会社タクト)に入れ替えました。
肥料は植え付け/植え替え時に元肥を適量施し、生育期の4月頃から10月頃まで「バイオゴールド オリジナル追肥」を置いています。
植え替えのおすすめの時期は6~7月と9月です。植え替え時に根を切らずに分けられるようでしたら、株分けするのもおすすめです。
茉莉花は、数本の苗を1つのポットに寄せているので、枯れた枝が残る場合もありますので、このような際に取り除くと、すっきりとします。
一重と半八重の株はつる性が強いので、あんどん仕立てにすることも可能です。これらは株が大きくなるにつれて、枝が暴れるようになりますので、バラなどに使う支柱を立てると見栄えが良くなります。
茉莉花の飾り方、楽しみ方
一重と半八重のマツリカは花がきれいなまま落ちます。風が強い日などは蕾のまま落ちてしまうことも。そんな花びらが傷んでいない花を捨ててしまうのが惜しくて、私は水に浮かべて楽しむことにしています。
こうすると、近くを通るたび、茉莉花の香りを家の中でも感じることができますし、目にも涼やかなしつらえになります。
7月のベランダガーデニングの様子
我が家のベランダガーデンの様子をお伝えします。植え付けから1か月がたちました。2020年は日照不足で生育がよくありませんが、バリエーション豊かに咲いています。
トレニア
7月の状態です。だいぶ大きくなりました。次から次へと開花するので「花がら」もせっせと摘んでいます。ちなみに中央に置いた花はカリブラコアの「スーパーベル ダブルブルー」
こちらの生育と花付きも、日照不足のためかいまひとつ……晴天に期待しています。
バーベナ
「スーパーベナ ホワイト」は脇枝が伸びてボリューム感が増しましたが、花はひと休みといったところ。春に比べると花のサイズも小ぶりです。
枝葉が伸びたこともあって、水枯れしやすくなっています。一般的なバーベナはこの梅雨の時期にウドンコ病にかかりやすいです。ウドンコ病とは、植物の葉が小麦粉をまぶしたように白くなってしまうカビによる病気で、1年中注意が必要です。
このスーパーベナは今のところ大丈夫。ただ、株元の葉が枯れるのが気になります。
フェアリースター
とても大きく育っています。花付きも上々。ただ、同じ苗を2ポット買ったのですが、育つにつれ花のサイズがずいぶん違っています。かなり個体差が出る印象です。
サルビア
今回初めて挑戦したのが「サルビア チャメドリオイデス」です。育てる難易度が高そうだなと思いつつ、繊細な花とシルバーグリーンの葉色にひかれて購入。花は早々に終わったものの、美しい葉がいきいきと元気に育っています。
一方、別品種の「サルビア アトランティック」はウドンコ病にかかり、失敗してしまいました。どの植物も梅雨明け後はいったいどうなるのか?その後の状態も、追ってご紹介していきたいと思います。
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